家づくり

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間取りプランニング前に「自分らしい暮らし」について考えよう

間取りを考える際に、どんなことに気を付ければいいのでしょう。専門家の観点から、リノベーション会社「EcoDeco」の社員・岡野真弥さんに教えてもらいました。岡野さん自身のリノベ体験を交えてアドバイスします。

今の暮らしの不満を洗い出そう

現在の岡野さん宅のリビング

現在の岡野さんの住まい(撮影 山田耕司)

リノベーションで間取りを考える場合、「どんな暮らしを求めるか」ということはとても重要です。

壁は塗装して、水まわりはタイルをふんだんに使って…と細部を楽しむのももちろん楽しいことなのですが、せっかくリノベーションするなら、今より暮らしやすくなることが大前提。だから「今の暮らしで何が不満なのか」を考えることもとても大切です。

8年前にリフォーム済みのマンションを購入していた岡野さんは、新しく物件を購入してリノベするのではなく、今住んでいる自宅をリノベしました。そのため、今の暮らしの不満(今の家の不満)は明確だったそう。

  • 2LDKのひとつの個室が和室なのが気に入らない
  • 書籍の収納場所が足りない
  • 現状のリフォームのテイストが気に入っていない
  • セミクローズドタイプのキッチンなので、リビングダイニングとの一体感がない

などなど、住んでいるからこそ感じる不便や改善点がたくさんあったそうです。これから不動産を購入する場合でも、現在の家での暮らしや間取り、生活動線などを振り返ってみると、不満なことや不便に感じることはきっとあるはず。

間取りを考える際は、まずそれらの不満や不便を家族みんなで洗い出してから進めると、暮らしやすい家の実現により近づけます。

リノベは自由度が高いからこそ、ゴールの設定を

リノベーションの場合、水まわりの移設や壁の撤去などの制約がクリアできれば、間取りはいろいろなパターンが実現可能です。そのため、リノベーションのゴールを設定しておかないと、「あれもいいし、これもいい」と、何も決められない状態に陥ってしまいます。

だからこそ、今の暮らしの不満や不便をはっきりさせて「どういう暮らしを求めているのか」(=リノベーションのゴール)を明確にすることが必要なのです。

岡野さんは、「間取りに合わせた暮らし」をやめて「暮らしに合わせた間取り」を実現し、暮らしを豊かにしよう、とリノベーションを決意したのだそう。

言葉で表現しにくい「自分らしい暮らし」を知る

現在の岡野さん宅のキッチン

現在の岡野さんの住まい(撮影 山田耕司)

リノベーションに関する情報収集をしていると、よく出合うのが「自分らしく」「ライフスタイル」「暮らしをデザイン」といった言葉。では「自分らしい暮らし」って何なのでしょう。急にそう聞かれても、ほとんどの人は明確に答えるのが難しいもの。

設計士である岡野さんは、「プランニングの際に施主にその質問をダイレクトにしても、なかなか明確な言葉では返ってこない」と話します。そこでまず、岡野さんは施主に要望を聞いて、数パターンの間取りプランを提案するそう。

それらの間取りプランを比べながら、ブレストのような形式で話をさらに掘り下げたり、広げたりしていきます。それによって施主も、設計側も、施主の暮らしぶりを理解し、共有することができます。

そうして現在の問題点や今後の理想がハッキリしていくと、施主は提案された間取りの好き嫌いを直感的に判断できるようになり、間取りのプランニングはスムーズに進みます。

また、間取りの好き嫌いや、家に求めるものなどは家族間で異なることもあるので、打ち合わせ以外の時間に家族会議で方針をまとめることも大切です。

リノベーションの入り口であり、一番ワクワクするフェーズでもある間取りのプランニング。雑誌やウェブサイトでやみくもに情報収集をし、あれもいい、これもいい、となるとプランニングはまとまりません。

今の家での暮らしを振り返りながら、そして実現させたい暮らしを妄想しながら「自分らしい暮らし」「うちの家族らしい暮らし」をまずは探ってみましょう。いまいちピンと来なくても大丈夫。プランニングのプロであるリノベ会社の方々がきっとフォローして、導いてくれますよ。

取材協力/EcoDeco

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