設備 連載

なんでも大家 アサクラなんでも大家 アサクラ

エアコン・給湯器は故障する前に交換すべき?大家がベストタイミングを考えてみた

「エアコンや給湯器はいつ新しいものに交換するべきか?」という問題は、持ち家で暮らす方にとっても悩ましい問題かもしれませんが、賃貸マンションを営む大家さんにとっても大問題。

入居者の生活と自分の出費を天秤にかける難しい問題にどう取り組んでいるのか、東京・世田谷で大家をしているアサクラさんに聞いてみました。

大家として、エアコンや給湯器は故障する前に交換すべき?

経済効率を重視する大家さんなら「できるかぎり設備は長く使い、故障したら交換すればいい」と考えるかもしれません。でも、交換工事は壊れた当日に行うことはほぼ不可能で、どんなに急いでも数日間はかかります。

エアコンや給湯器は生活に直結する設備ですから、一日でも使用できないと入居者さんの暮らしに大きな支障をきたすことになります。

今年の春の民法改正で「一部滅失等による賃料の減額」がより明確に定められました。ひとことで言うと「設備の故障などで部屋の一部が使用できないとき、その分だけ家賃を減らす」ことを求められるルールです。

お金をもらえても不便を強いられた入居者さんは良い気持ちがしないでしょうし、大家さん的にも家賃の減額は経済的な損失になります。

これらを考慮すると「壊れるまで設備を使用し続ける」よりも、一般的な耐用年数を過ぎたあたりで、故障する前に設備を交換してしまうほうがいいのではないかと思います。

とくに現在のような緊急事態宣言下では、お盆や正月と同じように、修理や交換にいつも以上に時間がかかる可能性もあり、もしもの故障を想像するとゾッとします。

10年目に故障したエアコンは修理で延命したものの…

では、一般的な耐用年数がどのくらいなのか、うちのマンションの実例を見ながら考えていきましょう。まずはエアコンから。

エアコン

うちでお世話になっている電気屋さんは、10年を過ぎたエアコンは機会があれば新品に交換したほうがいいと言っていました。

セールストークの分を間引いて考える必要はありますが、僕が管理してきた物件の例を見ても、10年を過ぎると動作に問題が生じたり故障したりするケースが目立ちます。

ちなみに、僕が祖父から受け継いだ別荘に設置してあるエアコンが故障したのは2016年のことでした。

2006年製のエアコン

2006年製でしたから、設置から10年目の故障です。

使用頻度も少ない割に早く故障した印象ですが、山奥で日の当たらない寒冷地なので、過酷な環境も影響したのかもしれません。

数年のあいだそのまま放置していたのですが、昨年メーカーさんに相談して見てもらったところ、室外機内の基盤が故障していると判明しました。幸い、基盤を交換すれば修理が可能ということでしたので、お願いしました。

エアコン修理の請求書

代金は出張費など込みで28,372円。あまり高額なら買い替えも考えるつもりでしたが、これくらいの出費で使い続けられるなら、ありだと思います。

エアコンは10年を過ぎ、15年目を迎えるあたりが交換の目安かも

次は、世田谷のマンション内にある僕の自宅のエアコンのケースです。

故障したエアコン

年々、動作が鈍っていると感じていましたが、自分がガマンすればいいので壊れるまで使うつもりでした。こちらは2004年製。

2004年製のエアコン

昨年の6月に冷房がほとんど効かなくなり、交換することに。ちょうど15年で故障したことになります。

先の例とあわせてみると、10年を過ぎると故障のリスクが高まり、15年あたりで寿命を迎えるという目安が見えてきます。

もちろん、使用頻度や環境、機種によって個体差があるのも事実。事務所で使用しているエアコンは2002年製ですが、

2002年製のエアコン

いまだにちゃんと動いており、2020年で18年目を迎えます。事務所なら故障しても自宅作業でしのげますし、いけるところまでいこうと思っています。

古いエアコン

ごらんのとおりだいぶくたびれていますが、はたしていつまで持つことやら。

以上のことを踏まえ、賃貸の部屋のエアコンは大事を取って10年を過ぎた時点で交換のタイミングを探るようにしています。

マンション最古参の給湯器は1995年製だった

続いてはガス給湯器について。

ガス給湯器

故障するとお風呂にも入れず、冬なら洗い物もままならないため、大事な設備です。

操作パネルの「88」の表示

この写真は給湯器に「88」の表示が出たときのもの。点検時期を知らせる合図です。東京ガスの方に来てもらったところ、「二度目の点検はもうないかもしれませんね」と言われました。

この言葉から、給湯器の寿命は10年以上、20年未満が目安と考えられるでしょう。

うちのような築古マンションでの問題は、かなり以前に設置され、点検も受けないまま時間が過ぎてしまった古い給湯器です。

今年、うちのマンションでは古い部屋を中心に給湯器の製造年をチェックしてまわり、古いものは交換工事をおこなうことにしました。

驚いたことに、うちのマンションの最古参は1995年製。

1995年製の給湯器

マンションの書類を調べたのですが、点検やメンテナンスの記録も残っていません。よく25年間も故障なしに元気に働いてくれたものです。

1995年製の給湯器

この機種は温度調整がダイヤル式。

給湯器の温度調整ダイヤル

僕も一時期このタイプを使っていましたが、具体的な温度がわからず不便です。

ノーマルな給湯器に交換したところ、使い勝手が向上したので入居者さんにも喜んでいただけました。

入居者にとって更新は交換のチャンス?

古い設備が更新されれば大家としての心配も小さくなりますが、交換に伴う出費は経営に響きます。うちの場合、エアコンなら10~12万円、給湯器なら18~20万円ほどかかるので、けっこうな出費です。

うちのマンションでは、2年に一度の更新のタイミングを狙って設備の更新を提案するようにしています。いただいた更新料を充てることで金銭的な負担が減りますし、入居者さんとしても更新してよかったと感じてもらえると思います。

もし、あなたが賃貸にお住まいでエアコンや給湯器の動作に不満や心配があるなら、更新のタイミングで相談するといいでしょう。その際、設備の異常や不具合の予兆があれば、より交渉しやすくなると思います。

うちのマンションで実際にあった例としては「室外機の音が以前よりもうるさい」とか「出てくる風が弱々しい」とか「設定温度まで下がらない・上がらない」などです。

ただし「動いているうちは交換しないよ」というスタンスの大家さんもいると思いますから、そのへんはケースバイケースだとお考えください。

人気連載

READ MORE