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殿木真美子殿木真美子

本から遺言書が!ぎこちない字で書かれた内容に…遺品整理の現場から

「遺品整理」と聞くと、遺産の奪い合いや大量のゴミなど、ネガティブなイメージを抱きがちですが、実際のところどうなのでしょう。生前整理や遺品整理などを手掛ける会社「ココロセイリ」の荻原悠史さんにお話を聞きました。

カバンから大量のインゴット(金塊)が!

インゴット(金塊)

カリスタ / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

遺品整理の現場作業で一番驚いたのが、カバンの中から大量のインゴット(金塊)、つまり金の延べ棒が出てきたことです。置いてあったカバンを何気なく開けたら、金の延べ棒が無造作に入っていたのでびっくりしました。

後で調べてもらったらかなりの高額であることが分かりました。もちろん依頼者にしっかりとお渡ししました。

タワーマンション

まちゃー / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

いわゆるゴミ屋敷と呼ばれるような現場も過去にはありました。マンションの窓の手前までぎっしりとゴミが詰まっているので家の中は真っ暗。ライトをつけながらの作業でした。

ライフラインが止まってしまっているゴミ屋敷では、1週間フルで通って持ち物を整理し、28トンものゴミが出たこともありました。

危うく死にかけた…。命の危険を感じた現場

蜂の巣

happyphoto / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

あやうく死にかけた現場もありました。とあるお宅でエアコンの撤去をした際、ダクトの中に大きなハチの巣があったようで、突然ハチが大量に出てきて大慌てしたことがあります。

ガスストーブのホース

negitaro / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

また、古いガスストーブの処理をするためにホースを切ったら、ガスが噴き出てきたこともありました。ライフラインはすべて止まっていると聞いていたのですが、ガスだけが止まっていなかったようです。慌てて避難して無事でしたが、危ないところでした。

このように、遺品整理の現場は危険と隣り合わせです。一般の方に自分で処理することをお勧めしない理由はまさにそこにあります。

実は心温まるエピソードの方がずっと多い

古書

taa / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

ここまでの話から、遺品整理の現場は殺伐としていてトラブルばかり、というイメージを持つ方もいるかもしれません。ですが、私の体感ではそれは1割くらいで、ほっこりしたり、感動するエピソードの方が圧倒的に多いです。

遺品整理の際は本を1冊ずつ確認するのですが、本の間に遺言書が挟まっていたことがありました。その遺言書には、震える手で書かれたような文字で「私は本当に幸せでした。あなたたちと過ごせた毎日が宝物です」と。これは遺族の方はもちろん、私も大変感動してしまいました。

短冊

tamayura / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです

またあるお宅では、お嬢さんが子どものころに書いた七夕の短冊が出てきました。そこには「お母さんみたいなきれいな人になりたい」と書いてあり、それを見てお母さんがとても感激していました。

遺品を整理する作業は、遺族にとって時にとてもつらいものです。しかし、心を整理するためにもきれいに片づけをするのは必要不可欠なこと。上手にプロの手を借りながら、温かい気持ちで向き合っていただけたらと思います。

荻原悠史さん

教えてくれた人/ココロセイリ代表取締役・荻原悠史さん。遺品整理士、事件現場特殊清掃士等の資格を持ち「日本一正直な遺品整理業者」として関東エリアをメインに遺品整理、生前整理、買取、供養、特殊清掃などのサービスを展開

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