(前回までのあらすじ)
8年前に購入した、都内築39年(昭和51年築)の中古戸建てをリノベしようと、奮闘する僕たち一家。
耐震工事で区からの助成金を活かしつつ、自分たちらしい我が家を目指しています。
着工日も、さらには契約もまだなのに、仮住まいへ引越ししてしまった、僕ら一家。
その理由は、金額の折り合い調整にありました……。
※ 【アラフォーカメラマンがゆく!自宅リノベ奮闘記】今までのシリーズを見てみる
■契約の前に、もう1度「基本」に立ち返ろう
6月に「スタイル工房」を初めて訪ねて、はや半年。
見積書のやり取りや、銀行や信用金庫へのローン審査、仮住まい探し……と、年内着工を目指して、あらゆることを同時並行で進めてきました。
いよいよ“契約”へと漕ぎ着けます。
といっても、ここでも僕と妻とで最後まで頭を悩ませていたのが、工事総額。
一旦契約書を交わすと建築材料の発注が始まってしまうので、たとえ一部であっても変更やキャンセルは難しくなってきます。
ローンの事前審査はOKをもらっていたものの、できる限り借りる額は少なくしたい。
だからと言って削りすぎては、僕たちとスタイル工房の鈴木さんとで練り上げてきた“家の魅力”が失せてしまいます。
契約前日、僕たちはもう一度基本に立ち返って、「僕たちが本当に住みたい家」を見直すことにしました。
出した結論は、
- 高機能にはこだわらず、ほどほどに。
- 自分たちでできるところは、DIYでする。
でした。
■最後まで「契約内容」を見直して、納得する金額で、とうとう契約!
鈴木さんからは、窓や壁と同様に、屋根にも機能性の高い断熱を施すことを強く勧められましたが、ここはすっぱり切り捨てることにしました。
築40年弱の住宅のリノベに、新築のような100%の快適さを求めるのは過剰というもの。
そして、珪藻土の壁塗りと洗面のタイル張り、フローリングのオイル塗りはDIYすることに。
「珪藻土を壁紙にして、フローリングも無垢材を使わなければ、もっと安くなるだろ!」
というツッコミが頭の片隅から聞こえてきましたが、このふたつについては「住みたい家」の譲りたくない一線なのです。
ショールームで出会ってしまったペレットストーブも最後まで悩みましたが、完成が春ということで「とりあえず設置場所だけ確保して、冬前に必ず購入しよう」と、妻と誓い合いました。
着工スケジュールにまで影響の出る土壇場での契約内容の変更に、スタイル工房と業者の皆さんには大変な迷惑をかけてしまいました。
しかし、たっぷり時間をかけたおかげで、自分たちの納得できる金額にすることができました。
そして2015年12月15日、僕たちはついに契約をしました。
■いよいよ着工! 「今まで、ありがとう」

経済成長期に建てられた昭和の風情満点の我が家。これがどのように生まれ変わるか楽しみです
12月17日。
明日から着工という前の日、がらんどうになった家に行き、写真を撮りました。
日々の生活に追われ、家をじっくりと眺め、観察する機会はこれまでありませんでしたが、こうして見ると、くたびれ具合はかなりのもの(笑)。
中古での購入ではありますが、築39年「これまでよく頑張ってくれたな」と、家への感謝の気持ちが湧いてきます。
「住んでいた家のリノベーションが始まる前は、別れを惜しんで、みなさん結構センチメンタルになります」と鈴木さん。
家の壁に「今までありがとう!」などと書く家族もいるとか……。
家は、家族の様々な気持ちのこもった集大成でもあるんですね。

玄関を入ってすぐの急な階段。経済成長期の建売狭小住宅の特徴のひとつだとか。
さあ、明日からいよいよ着工。解体作業の始まりです。
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