家づくり

Sumai編集部

意外と安くていい土地?変形・狭小・北向き…難条件での家づくり

変形敷地に建つ注文住宅

設計・施工/エア・コーポレーション 撮影/大内克志

日当たりがいい南向きで、形も四角く整った敷地。そんな理想的な土地はぜひとも手に入れたいところですが、やはり人気もあって価格も高めな傾向です。

そこで、少し視点を変えてみると、意外と安くいい土地が手に入ったりもします。そのひとつが「難条件」の土地。どんなうまみがあるのか?チェックしていきましょう。

変形・狭小地:アイデアで勝負!設計者の腕のみせどころ

変形地、狭小地の家づくり

三角形、極端な長方形、旗竿状などの変形地や、敷地10数坪の狭小地などは、扱いにくいことから価格が安いのが魅力。規格住宅のメーカーでは建築を断られるケースもありますが、建築家の場合、多くは、アイデアやプランを生かして個性的かつハンデを感じさせない家が実現可能です。

ただし、変形地や狭小地に建築する場合、建築工事費以外の費用も考慮に入れておきたいもの。例えば、資材運搬コストがかかる、工事期間が長くなる、場合によっては補強工事が必要になるなど、頭の片隅に入れておけば安心です。

再建築不可:多くは接道が問題。「どうしても」ならリフォームを!

道路付けのイメージ

CORA / PIXTA(ピクスタ)

再建築不可とされるのは、建築基準法に不適合な点があるため。意外と多いのは道路づけの不適合です。

基本的には、敷地が幅4m(地域によっては6m)の道路に2m以上接していないと家は建てられません。いわゆる旗竿敷地の場合も同じで、道路と敷地を結ぶ通路の幅が2m未満だと建築確認が受けられず、再建築不可に。また通路の長さも関係し、東京都の場合、長さが20m超だと通路の幅が3m以上必要になります。

なお、再建築不可でも改修は認められるので、どうしてもその土地が気に入っているなら、リフォームして住む手も。再建築不可物件は、都市部の古くからある町に多く、「駅近」など利便性はよいので、その意味でねらい目かもしれません。

建築条件付き:建築内容を十分に検討。交渉で条件を外せることも

「建築条件付き」は、建築施工業者を限定させる条件をつけた土地。買主は土地売買契約後、3か月以内に指定業者と建築請負契約を結ぶことが条件で、契約が成立しない場合は、売買契約が白紙に戻り、支払った金銭はすべて返還されます。

つまり3か月の間に、建物の設計に購入者の意向が反映されるのが前提で、その点で「しばり」はあっても安心といえます。なお、交渉で建築条件付きを外せるケースもあるので、問い合わせてみるのもありです。

定期借地権付き:財産にはならないけれど総費用は格安ですむ

「定期借地権」とは、一定期間(通常50年)は土地を占有できますが、期間終了時、更地にして所有者に返還しなければならないという制度。最初に保証金を払い、毎月地代を払っていくシステムです。

これを利用すれば、土地を購入して家を建てる場合と比べ、総費用は約半分ですむといわれていますが、財産として残せないのが考えどころ。最初から割り切って契約を結べば、かなりお得な選択肢で、供給されるとすぐ売れることが多いそうです。

北面道路:プライバシーを保ちやすく空間の有効活用も

北面道路の家と南面道路の家

「北面道路」の土地は、南面道路の土地に比べて日照が劣りますが、そのぶん価格が安く設定されています。また、北面道路の土地は、北側に隣地が迫る南面道路の土地に比べて、北側斜線の影響を受けにくいのもメリット。そのため、2階の空間をより広めに取れる傾向にあります。

このほか、プライバシーを保ちやすい点も。ひと口に北面道路といっても、立地や環境によっては採光が十分な場合もあるので、よく調べてみましょう。

素人目には一見、扱いにくそうな土地でも、プロの手にかかれば理想の家が建てられる可能性も。少しでも安く土地を手に入れるためには、あまり高望みせず、条件のハードルを下げてみるのもひとつです。

●教えてくれた人/米村拓生
一級建築士、インテリアプランナー、住宅性能評価員。東海大学工学部建築学科卒。設計事務所「アトリエT+K」を主宰する

イラスト/三上数馬

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