アラフォーカメラマンがゆく!自宅リノベ奮闘記 no.13「解体屋さんという職人集団」
(前回までのあらすじ)
8年前に購入した、都内築39年(昭和51年築)の中古戸建てをリノベしようと、奮闘する僕たち一家。
耐震工事で区からの助成金を活かしつつ、自分たちらしい我が家を目指しています。
最後まで変更を繰り返しましたが、なんとか金額も折り合いがつきました。
ついに解体作業が始まります。
※ 【アラフォーカメラマンがゆく!自宅リノベ奮闘記】今までのシリーズを見てみる
■「住まい」から「現場」へ……

解体前(左)と解体3日目の玄関と階段。劇的ビフォーアフター?
解体作業が進み、ベランダや屋根の一部の取り外しが終わると、外側にぐるりと足場が組まれ、家全体にすっぽりと覆いがされました。
こうなると、つい最近まで暮らしていた「住まい」の雰囲気はなく、もう完全に「現場」。
中に入ると、1階の天井と2階の床が取り払われ、1階から2階天井まで丸見えで、新鮮な光景です。
写真を撮ろうと2階へ上がると、取り外された壁と天井の隙間から、屋根裏の柱になにか取り付けられているのが見えました。

剥がされた壁の隙間から見えた上棟式のお守り
「何だろう?」と壁の下地材に足をかけ、屋根裏に頭を突っ込んでのぞき込んでみると、紅白の水引と新築当時の上棟式に奉納されたお札が……。
ほこりにまみれ、だいぶくたびれていましたが、この家を39年間見守ってきた大事なお守りです。
屋根裏に上がって一眼レフカメラで写真を撮りたかったのですが、足もとが不安定な上に、狭すぎてカメラが入りません。
解体業者さんから「2階の床がないので、屋根裏の天井を踏み抜いたら1階までいきますよ」と真顔で言われ、屋根裏に潜り込むのは素直にあきらめ、腕を伸ばしてスマホのカメラで記念に撮っておきました。
解体屋さん、無茶をしようとしてすみませんでした(汗)!
■スケルトンになって見えてきた、家の状態
戸建てリノベーションで家の中をスケルトンにすると、そのほかにもその家の建築時の雰囲気が垣間見えてきます。

定点撮影。玄関を入ってすぐの階段(右奥)も取り外され、内部はほぼスケルトン状態。
1階の床をはがして地面があらわになったときには、古いクギが出てきたことも。当時の職人さんたちの作業風景がちょっと想像できてしまいます。
とはいえ、楽しいことばかりではありません。家の傷んだ箇所が徐々にあらわになってくるからです。
キッチンやお風呂場などの水回りについては、やはり基礎が腐り、素人の僕が見ても一目で交換ということが分かりました。
ほかにも窓と壁の接合部が弱っていて、一部雨が染み込んだ痕跡が板に残っています。
これが進行していると、この部分もそっくり交換になってしまうのだそうです。
■リノベ物件における「解体屋さん」って?
解体屋さんたちは、ガンガンと壁や根太を外していきます。
見ているこちらとしては、残すべき柱や梁が傷まないかとハラハラ……。
「解体屋さん」というと、“家を丸ごと解体してしまう”ような、どうしても荒々しい力仕事のイメージがあります。
ところがリノベーション物件における解体屋さんの役割はちょっと違うのだそうです。

我が家の解体を担ってくれた職人さんたち。寒い中を連日どうもありがとうございました!
「リノベの解体は、なんでも“壊せば良い”ってものではないので、丸ごとの解体よりも、ずっと気を使いながら作業をする、難易度が高く、技術がないとできない仕事なんです」と現場監督の歌田さんが解説してくれます。
大工さんや左官屋さんなどと同様に、彼らも工務店から一目置かれる職人さんなんですね。
そのように細心の注意を払って解体しても、やはりキズが入ったり、柱に割れが入ってしまうもの。
2階の長押(なげし)は残すはずでしたが、気がつけば撤去されていたのにはびっくり。でも一度外したものをつけなおすわけにもいきません。
構造上問題もないので、後々スタイル工房と、どのようにするか話し合っていくことにして、とりあえず笑って受け流すことにしました。
年を挟んだ2016年1月14日、我が家のリノベ工事の第一段階の解体作業が無事に終了しました。
スタイル工房との解体終了後確認では、傷み具合は事前に想定していた範囲で納まりそうとのことで、まずはひと安心です。
>>次の話を読む
>>1話から読む