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Sumai編集部

共働き夫婦の住宅ローン:お得な選び方は?4タイプのメリットデメリットを解説

共働き夫婦の住宅ローンの選び方

【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)

共働き夫婦がマイホームを購入するとき、住宅ローンの選択肢は大きく分けて4つ。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分たちの年収やライフプランを加味して選ぶことが大事です。

今回は、FP2級の資格を持つ海田幹子さんに、それぞれの住宅ローンの特徴やメリット・デメリット、共働き夫婦のローンの選び方について教えてもらいました。

住宅ローンは4種類。夫婦でライフプランを話し合って契約を

住宅ローンは大きく分けて「単独ローン」「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」の4種類があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを見てみましょう。

共働き夫婦の住宅ローンを表で比較

①単独ローン ②ペアローン 収入合算
③連帯債務 ④連帯保証
特徴 1つのローンに
1人の債務者
夫婦が別々に
ローンを組む
1人は債務者
1人は連帯債務者になる
(返済義務は平等にある)
1人は債務者
1人は連帯保証人になる
(債務者の返済不能時に返済義務を負う)
住宅ローン減税
すまい給付金
債務者1人分 夫婦2人分 夫婦2人分 債務者1人分
事務手数料などの
諸費用
債務者1人分 夫婦2人分 債務者1人分 債務者1人分
団体信用生命保険の適用 ローン残金が全額免除 死亡した人のローン残金のみ免除 債務者の死亡時は全額免除
連帯債務者の死亡時は契約内容による
債務者の死亡時は全額免除
連帯保証人の死亡時は免除なし

※債務者とは…この場合ローンの支払い義務を負う人

※住宅ローン減税(住宅ローン控除)とは…正式名称は「住宅借入金等特別控除」。要件を満たしている住宅ローン利用者が、年間最大40万円の所得税の控除を受けられる制度

※すまい給付金…住宅ローン利用者で、一定要件を満たした人に最大30万円が付与される制度。住宅取得者の収入または持分割合によって給付額が決まる

ペアローンと収入合算(連帯債務・連帯保証)は、妊娠・出産・育児休暇後も夫婦共に再び働くことが前提で組むべきローンです。現在の年収ベースで最大値のローンを組んでしまうと、育休後に復帰できなかったり離職をしたりする場合に、支払いが厳しくなってしまうかもしれません
住宅ローンは、夫婦で今後のライフプランをしっかり話し合った上で契約することが大切です。

単独ローンでは希望額を借入できない可能性が

共働きが多くない時代は、働き手である夫の名義で組む単独ローンが主流でした。共働夫婦の場合でも、このタイプのローンを組むメリットはあります。

住宅ローン契約者の配偶者に収入を別のことにお金を使えるからです。ですから子どもの教育費や車の購入費など、住宅以外に必要なお金を貯めたい場合にはよい選択といえるでしょう。また、働き続ける予定だった配偶者が産休や育休、病気で離職するようなことがあっても、返済に差し支えることはありません。

ただしこのタイプのローンだと住宅ローンの収入審査が申込者1人分の収入だけになるので、希望金額を借り入れできない可能性があることです。
共働き夫婦ならペアローンや収入合算のローンで、もっと多くの金額を借り入れることも可能です。では、さっそくこれらのローンのメリット・デメリットを解説します。

ペアローンの特徴とメリット・デメリット

ペアローンのイメージ

ペアローンとは、夫婦が別々のローンを組み、それぞれが連帯保証人になる住宅ローンです。
ローンを2本組むため、住宅ローン減税やすまい給付金が2本分受け取れるのがメリット。しかし、事務手数料などの諸費用は2本分かかるといったデメリットもあります。

連帯債務の特徴とメリット・デメリット

連帯債務のイメージ

収入合算という住宅ローンの種類の中に連帯債務があります。収入合算とは、夫婦の収入を合わせてローンを借りる方法です。借入金額は収入を基に決定されるので、収入合算をすることで単独ローンよりも総額で大きな金額の住宅ローンを組むことが可能です。

連帯債務は、1人が債務者、1人が連帯債務者となり、1本の住宅ローンを契約するのが特徴です。連帯債務者にも返済義務が平等にあるため、住宅ローン減税とすまい給付金は2人分受け取れます。またローン契約は1本なので事務手数料などの諸費用は1本分で済むところがメリット。
一方デメリットは、対応できる金融機関がフラット35や民間ローンの一部に限られるため、選択肢の幅が狭い点にあります。

※フラット35とは…住宅金融支援機構が民間金融機関と共同で提供している長期固定金利住宅ローンのこと

連帯保証の特徴とメリット・デメリット

連帯保証のイメージ

収入合算の中の連帯保証は、1人が債務者、1人が連帯保証人になり、1本の住宅ローンを契約するのが特徴です。連帯保証人は、債務者が返済できなくなった場合、ローンを支払う義務があります。

連帯保証は、取り扱う金融機関が多いため、好きな住宅ローンを選べ、住宅ローン契約の事務手数料などは1本分で済むところがメリットです。

一方、連帯保証人は住宅ローン減税やすまい給付金が適用外で、団体信用生命保険にも加入できない点がデメリットといえるでしょう。

安心感、金利重視、経費を抑える…何を重視するかで選択を

「ペアローン」「連帯債務」「連帯保証」それぞれに一長一短あることが分かりました。では、どう選べばよいのでしょうか?夫婦の要望に合わせたおすすめの住宅ローンを紹介します。

安心感と費用面のメリットを享受したいなら連帯債務

諸費用が少なく、控除や給付金が手厚いのは連帯債務です。通常の連帯債務では、連帯債務人に団体信用生命保険はついていませんが、フラット35の「デュエット」なら、借入金利を年0.18%上乗せで夫婦2人共が保証対象になります。
団体信用生命保険が2人分で、全期間固定金利という安心感と費用面のメリットを享受したい人におすすめです。

低金利重視!ローンの負担を2人で分け合いたいならペアローン

選べる金融機関の幅が広いので、「できる限り低金利がよい!」という人はペアローンがよいでしょう。諸費用は2本分かかってしまいますが、その分住宅ローン減税とすまい給付金の恩恵を2人分得ることができます。
また、住宅ローンの負担を2人で分け合って頑張りたいという人が、2本立てのペアローンを選ぶことも間違いではありません。

諸費用を抑えて低金利で借りたい人は連帯保証

節税面は心もとない連帯保証ですが、借入金額は高くして諸費用を抑えたい人、低金利な金融機関を選びたい人には向いています。連帯保証の連帯保証人は、団体信用生命保険に加入することができないので、万が一のために生命保険などで対策を取ることをおすすめします。

どの住宅ローンがお得になるかは、希望する物件の価格や夫婦の年収、ライフプランなどで変わります。それぞれの住宅ローンの特徴を理解し、お得に組めるローンを選ぶことが大事です。迷ったときは専門家の手も借りてみましょう。

●教えてくれた人/海田幹子
ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母

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