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Sumai編集部

「住宅ローンの頭金をしっかり貯める」のデメリット。では、目安は?

住宅ローンの頭金

CORA / PIXTA(ピクスタ)

希望にぴったりの物件が見つかったけど、まだ頭金が貯まっていない…。そんなとき、ローンを組んで購入していいのか気になりますよね。

「家を購入する場合、頭金の有無は月々の返済額や総支払額に大きく影響を与えます。頭金はあるに越したことはないでしょう。しかし、頭金なしが完全にダメともい言い切れません」と話すのは、FP2級の資格を持つ海田幹子さん。実は、貯めている間に背負い込んでしまうデメリットやリスクがあると言います。

今回は、住宅ローンの頭金「あり」「なし」で生じるメリットとデメリット。頭金がなくて購入を決めるときの判断基準を教えてもらいました。

「頭金あり」なら、月々の返済額と総支払額を減額できる!

住宅ローンで頭金があるかないかで総返済額がかなり違ってくる

TATSU / PIXTA(ピクスタ)

実際に「頭金なし」「頭金1割」「頭金2割」でどのように返済額が変わっていくのかチェックしてみましょう。
今回は、4000万円の住宅を固定金利1.5%、ボーナス払いなし、35年返済で支払ったときのシミュレーションです。

頭金 借入額 毎月返済額 総支払額
頭金なし 0円 4000万円 12万2473円 約5144万円
頭金1割 400万円 3600万円 11万226円 約5029万円
頭金2割 800万円 3200万円 9万7979円 約4195万円

頭金なしの場合と頭金2割の場合を比べると、毎月返済額の差は2万4494円で、総支払額の差は約229万円です。

頭金を多く入れ、借入額を減らすことで利息の支払いが軽くなり、結果として月々の返済額と総支払額を減額できます。

頭金ありと頭金なし。それぞれにメリット・デメリットがある

住宅ローンで頭金のあるなしのメリット・デメリット

タカス / PIXTA(ピクスタ)

それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

頭金ありの場合

【メリット】

  1. 月々の返済額とローンの総支払額が減らせる
    頭金なしの場合より借入金が少なくなり利息が抑えられるため、月々返済額と総支払額が減額できます。
  2. 金利が優遇される場合がある
    一定額の頭金を準備することで、通常の金利よりも少ない優遇金利が適用される場合があります。

【デメリット】

  • 頭金を入れすぎてしまうと急な出費に困る
    頭金の入れすぎは生活を圧迫する可能性があるので、貯金の全額を頭金に入れることはおすすめしません。冠婚葬祭や病気、ケガなど、急な出費がないともいいきれないので、少なくとも収入の3か月分は生活防衛費として残しておくとよいでしょう。

頭金なしの場合

【メリット】

  1. 頭金を貯める間の家賃負担がなくなる
    賃貸物件に住んでいる場合、頭金を貯めている間も家賃を支払わなければなりません。しかし、住宅を購入してしまえば、家賃負担がなくなる点はメリットといえるでしょう。住宅の購入価格や家賃価格がいくらかによってお得かどうかは決まるので、頭金なしを選択する場合は計算してみてください。
  2. 優遇措置や低金利などで即購入したほうが有利な場合も
    2020年現在、住宅ローンの低金利時代は続いていますが、今後この低金利が続く保証はありません。もし住宅ローンの金利が跳ね上がった場合、頭金が貯まっていなくても低金利のうちに住宅を購入したほうが有利な場合もあります。期間限定の優遇措置がある場合も同様です。

【デメリット】

  1. 金利が高くなる場合がある
    頭金が1割以下の場合、金利が高く設定されている住宅ローンがあります。金融機関によって差があるので、頭金なしの場合はチェックしてください。
  2. 諸費用が高くなる可能性がある
    融資事務取扱手数料や印紙税、ローン保証料などの諸費用は、借入金額に応じて変動します。そのため、頭金なしで借り入れる場合は、頭金ありの場合より諸費用は高くなることが多いでしょう。

貯蓄がないが購入したい場合、返済額が年収の25%以下が判断基準

マイホームを購入

bee / PIXTA(ピクスタ)

「貯金はないけど、希望にぴったりの物件が見つかった!」そんな場合もあるでしょう。家との出会いは一期一会、希望にぴったり合う物件はなかなか見つからないものです。購入するかどうかを決めるとき、「住宅ローンの年間返済額が年収の25%以内かどうか」ということがひとつの判断基準になります。

例えば、年収600万円の家庭なら、35年返済・固定金利1.5%・ボーナス払いなしの場合、借入金の目安は4080万円。物件価格が目安以下で、諸費用を現金で支払える場合は購入してもよいでしょう。
まだ、理想の物件に出会っていない場合は、まずは頭金を貯めるほうがおすすめです。

住宅購入の際、頭金を入れたほうが月々返済額や総返済額、金利の面でメリットがあります。もし頭金なしで住宅を購入したい場合は、年間返済額が年収の25%以下になっているかどうかをひとつの判断基準にしてみましょう。すぐにではないけれど、いずれは家を買いたいという人は、早い段階から住宅購入のための貯蓄を始めるのがおすすめです。

●教えてくれた人/海田幹子さん
ファイナンシャルプランナー2級の資格を持つwebライター。ライフプランニングや住宅ローン、資産運用などお金にまつわる内容を多数執筆。私生活では2児の母。分かりやすくてためになる記事を心がけている