体験レポート&リサーチ

WriternistaWriternista

ゴミ箱が少ない&小さいシェアハウス。住人が退去する日はゴミ屋敷に

シェアハウスのゴミ置き場

ゴミの分別がルール通りにされていない、ゴミを出す時間や曜日が守られていない…。シェアハウスでなくてもゴミ置き場はトラブルが起きやすい場所です。

「シェアハウス選びの際、決め手のひとつになったのは、内見のとき、ゴミ置き場が清潔だったことでした」と話すのは不動産コラムニストの吉井希宥美さん。

ところが入居してみると、思い描いていたイメージと少し事情が違ったといいます。ゴミ置き場がコンパクトすぎて、誰かが退去すると、ゴミが置ききれず、一瞬でゴミ屋敷になってしまうそうです。詳しく語ってもらいました。

キッチンにもトイレにも廊下にもゴミ箱がない!

私が入居したシェアハウスは、女性専用でした。自炊率が高く、7人いる入居者の半分以上の人がシェアハウスのキッチンで料理をしていました。でも、キッチンにゴミ箱はありません。トイレや浴室、廊下などの共用スペースにも、ゴミ箱らしきものは見当たりませんでした。

そのせいか、浴室の排水口の髪の毛を誰も拾おうとはしません。週1で入る業者が掃除する直前まで、髪の毛がどんどん蓄積し、様々な色の髪の毛が入り混じって排水口が詰まりそうになっていました。

キッチンには、管理会社から支給されるコンビニの袋のような乳白色のポリ袋が常備されていて、生ごみはそのポリ袋に入れて、外にあるゴミ置き場に出すルールでした。同じく自分の部屋のゴミも、外のゴミ置き場に出しに行かなければなりません。

引っ越しラッシュで、シェアハウスが一瞬でゴミ屋敷に

ゴミ置き場は「ガルバリウム鋼板」という素材でできていて、広さは1畳くらい、高さは肩くらいで、とても華奢なつくりです。「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」と一応扉にシールが貼ってありますが、中が仕切られていないので、ゴミが増えると混ざってしまい、中は雑然としていることが多かったです。

とはいえ、管理会社の努力もあり、かろうじて「ゴミ置き場」としての役目を果たしていました。内見のとき清潔に見えたのは、単にきちんと扉が閉まっていたからだったのかもしれません。

でもある日、ゴミ置き場が機能しなくなりました。きっかけは、Gさんの引っ越しです。Gさんは入居してから3年ほど経っていましたが、転職を機に引っ越しすることになったそうです。

シェアハウスでは、退去することをシェアメイトに伝えずに引っ越しすることが多いのですが、Gさんは、キッチンで顔を合わせたときに「引っ越しするの」とこっそり話してくれました。

「荷物が少ないから、引っ越しも簡単」と話していたGさん。しかし、引っ越し当日に出された大量の衣装ケースやビニール袋は当然ゴミ置き場に入り切らず、しばらく通路の壁に立てかけられていました。シェアハウスが一瞬でゴミ屋敷になるのを目の当たりにした瞬間でした。

引っ越し先のゴミ出し事情をリサーチすることが大切

その翌週、Cさんが「寿退去」しました。元CAのCさんは、4畳の部屋に収まらないほど大量の服やバッグ、靴を持っていました。これらを処分することになったのですが、45リットルのゴミ袋だけで、20袋分以上になってしまいました。

シェアメイト総出でゴミ出しを手伝いましたが、ゴミを出し終わったときは、ゴミ置き場はゴミで覆い尽くされ、さらに通路にもゴミ袋がうず高く積まれる事態に。

小さなことでもすぐクレームをつけてくる隣家の未亡人・Fさんからは、当然クレームが入りました。

管理会社の人は、こうしたことに慣れているようで「早く片づけてほしい」と連絡しても「あー、分かりました」と空返事。1週間ほどたってから、ようやく片付けてくれました。

その間、Fさんから毎日のように「早く片づけて」とピンポイントで私だけが小言を言われて本当に困りました。

ちなみに自分が引っ越しするときは、退去後にトラブルにならないよう、車にゴミを積んで、引っ越し先のクリーンセンターに直接持ち込みました。

清潔だと感じたゴミ置き場が、こんな問題を抱えているとはさすがに入居前には分かりませんよね。シェアハウスに限らず、引っ越しをする際は、引っ越し先のゴミ出し事情をリサーチすることが大切だと感じさせられました。

●体験した人/吉井希宥美さん
宅地建物取引士、AFP、家族信託コーディネーター®、相続実務士を所持する不動産コラムニスト。不動産取引や相続相談を行いながら、執筆を手掛ける
イラスト/押本達希