家づくり

飯塚 啓吾飯塚 啓吾

部屋同士をつなぐ「室内窓」。家族の気配、風通し…メリットを建築家が解説

2階の寝室

「窓」は家の外壁に設置され、光や風を家の中に取り込み、外の景色を眺める役割を持つものが一般的です。でも実は窓というのは、部屋の通風や採光のために設けられた開口部の総称で、室内に設けることもありますし、ガラスが入っていない窓もあります。

「室内に小窓を設けると、機能的にもデザイン的にも非常にメリットがあります」と話すのは、東京・東村山市に暮らす建築家・飯塚啓吾さん。自邸の室内にも小窓を取り入れています。家の中に小窓をうまく取り入れるコツや注意すべきポイントについて詳しく教えてもらいました。

家族の気配を感じやすくなる

壁で仕切った収納スペースに設けた小窓

部屋のドアを閉めてしまうと、その中で何をしているかが、室外には伝わりにくくなるもの。とくにお子さんが小さいと、中で何をしているのか心配になることもあると思います。部屋を仕切る壁に小窓をつけることによって、ドアを閉めても気配を感じることができます。

写真は自邸の2階です。1階も2階もほぼ部屋の仕切りがないワンルームとしていますが、収納スペースは壁で仕切り、入り口にカーテンを取り付けています。その収納スペースの壁に小窓を付けています(写真中央の窓)。

そこで何か作業をしているときでも家族の気配を感じられるので、親も子どもも安心です。小窓があるおかげで、子どもたちは学校のことや友達のことを普段からよく話してくれるようになりました。

インテリアのアクセントになる

小窓のあるクロゼット

自邸では無垢のフローリングや天井材を何種類か使い分けてインテリアに変化をつけていますが、小窓はインテリアデザインのアクセントとしても効果的でした。

写真は2階の寝室。隣接するクロゼットに小窓を設けています。窓枠に採用したのは、タモという木目があまり主張しすぎない樹種。他のガラス入りの窓枠と材料を揃えることで統一感も意識しつつ、室内のいいアクセントになっていると思います。

室内の換気性能が向上する

吹き抜けに接する壁に設置した小窓

小窓の設置は室内の換気性能の向上にも貢献します。空気の流れる道が多くなるので、当然換気量が多くなります。

自邸では吹き抜けに接する壁に設置することで、建物全体に空気の流れが生まれやすくなるようにしています。コロナの影響で、住宅をつくる際に換気を意識する方が増えていると思いますが、そうした点でも小窓の設置は非常に効果的だと思います。

後から追加できない場合もあるので設計段階でよく相談を

壁に小窓を設けたクロゼット

家族の気配を感じやすくなり、換気という点でも有効な小窓ですが、一方で生活音や寒暖差を不快に感じる方もいると思います。家づくりの際は家族間で生活スタイルをしっかりと話し合ってから、設置する位置や数を決めると良いと思います。

また、一般的な木造住宅ですと、後から追加で小窓をつけたいと思っても、構造上難しいこともあります。小窓を採用したいとお考えの方は、プランニングの段階から意識して建築家や工務店の方と相談することをおすすめします。

●教えてくれた人/飯塚啓吾さん
東京・東村山市で生まれ育った建築家。設計事務所に勤務し、集合住宅やマンション一リノベーションの設計を手掛ける。また、「ムライエ」名義で個人で小さい住宅や店舗のデザインも行う。専門学校の非常勤講師も務める。2018年、東京・東村山市に自宅を新築し、妻と2人の子どもたちと暮らしている

撮影/松崎直人(4枚目の写真以外)