マリメッコやイッタラ、北欧ではインテリア&ファッションで実際どう使ってる?
北欧デザインのアイテムは日本でもとても人気があります。その中でもとくに有名なのがフィンランド発祥のマリメッコやイッタラ。北欧デザインに詳しくない方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。こういったデザイン性の高い北欧ブランドは日本人にとって「憧れ」で「特別」な存在というイメージが強いと思います。
では、北欧ではどのように受け止められ、どんな風に使われているのでしょうか。フィンランドで2年間暮らし、現在はノルウェー在住で大学院に在籍中のイラストレーター・スズキカホさんが、自身の体験と、フィンランド人の友人へのインタビューを元に、これらのブランドが現地でどのように愛されているのかをレポートします。
マリメッコやイッタラは日本でも人気のブランド
Marimekko(マリメッコ)は1951年にフィンランドで誕生したデザインハウス。カラフルで大胆な柄が特徴で、中でも有名なのが大きな花がモチーフになったUnikko(ウニッコ)柄です。
洋服だけでなくインテリアファブリック、インテリア雑貨などを幅広く展開しており、最近では日本のUNIQLOとのコラボも話題になりました。
食器やインテリア雑貨を展開するフィンランド発祥のiittala(イッタラ)もご存知の方が多いのではないでしょうか。フィンランドデザインの巨匠、アルヴァ・アアルトやカイ・フランクが開発に携わっただけに、デザイン性と機能性の高いアイテムがたくさんあります。
その他にも、イッタラグループの陶器ブランド、アラビア(ARABIA)も日本でよく知られおり、マリメッコやムーミンとコラボした定番品などもあります。
北欧ブランドは、現地ではごく日常的に使われている
かつて私がフィンランドに住み始めてまず驚いたことは、フィンランドの人々はイッタラやアラビアといったブランドの食器類を日常的に使っているということです。
日本のように「贅沢なもの、高級なもの」という認識ではまったくなく、デザインへの関心のあるなしも関係なく、一般的なアイテムとして日常生活で使われています。
ほぼすべての食器が北欧ブランドという家庭も珍しくありません。一人暮らしの学生の友達の家でもごく普通に使われていました。日本人の私からするとなんとも贅沢でうらやましい限りですが、彼らにとってはとても身近な存在なのです。
実際、マリメッコやイッタラの製品は直営店だけでなく、リサイクルショップ、大型スーパーの食器コーナーに置いてあることもあります。その買いやすさも日常生活に根付いている証拠ですね。
フィンランドでは全身マリメッコのおしゃれなキッズも
これらのブランドが現地の人々の生活に馴染んでいる理由は、性別や年代問わず使いやすいデザイン性にある思います。
マリメッコは日本では若い女性向けのブランドという印象があるかもしれませんが、フィンランドでは派手な柄のマリメッコの服を着こなしている年配の方や男性もよく見かけます。もちろん全身マリメッコのおしゃれなキッズも!
日本にも長年愛されているブランドは数多くありますが、ここまで幅広い層の人に支持されているブランドはなかなかないのではないでしょうか。フィンランドの人々は、こうした自国で生まれた製品を誇りに思い、大切にしているなと強く感じます。
フィンランド人に本音をインタビュー!
ここまでは私の体験談を元にお話ししてきましたが、フィンランドの人は実際どう感じているのか、私の友人に「あなたたちにとってマリメッコやイッタラなどのブランドはどういう存在?」と尋ねてみました。
すると返ってきた答えは「それらは私たちにとって日常的なアイテム。全フィンランド人はマストで持っていると言っても過言じゃない。とくにイッタラは、すべての家で毎日使われてるんじゃないかな」とのことでした。
マリメッコに関しては、「デザインが派手なだけに私たちにとっても少し特別な物だけど、それでもほとんどのフィンランド人は持っていると思う」と話してくれました。
フィンランドの人々はこれらのブランドを贈り物として使うことも一般的らしく、誕生日や卒業祝いなどにマリメッコの服やイッタラの食器などをもらうこともよくあるそうです。
そして最後に、「私たちフィンランド人はこれらのブランドをありがたく、誇りに思ってるよ」と教えてくれました。世界に進出してもなお、自国の人々に変わらず愛されているのは素晴らしいですよね。
ちなみに、フィンランドほどメジャーではないですが、現在筆者が住んでいるノルウェーでもマリメッコやイッタラを目にする機会は多いです。
どちらかというと、インテリアやファッションのポイントとして取り入れられていて、日本での扱われ方と少し似ている印象です。
興味はあるけれど北欧デザインのアイテムをまだ使ったことがない、という方はマグカップやクッションカバーなど、お部屋の中の小さなものから取り入れてみてはいかがでしょうか。