クイズ

Sumai編集部

公道に接していない土地を買った。お金を払わずに隣地を通行できる?

接道してない土地の通行権について
相続で大きな土地が分割されるケースをよく見ます。建築基準法では2m以上の接道義務があるので、どの土地も道路に面した細長いウナギの寝床状の狭小敷地に分けられるのが一般的です。でも、図の甲のような土地を買ったとしたら…。

これは実際に令和2年の試験で出た問題です。あなたは正解できますか?

【今回の問題】
甲土地が共有物の分割によって公道に通じない土地となっていた場合には、Aは公道に至るために他の分割者の所有地を、償金を支払うことなく通行することができるか?

土地の形

共有物分割で公道に接しなくなった土地にも公道に出る権利はある!

正解は…通行できる。その場合、民法上はお金(償金)も不要

この問題のポイントは、「分割によって公道に接しない土地となっていた」という部分です。

共有物分割によって、公道に通じなくなった土地(これを「袋地」という)が生じた場合、その土地の所有者は、他の分割者の土地を通行できます。

人の土地を通ることになるのだから、お金を払わなければいけないと思いがちですが、支払う必要もないのです。これを法律用語では囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)といいます。

囲繞地通行権

上の図をご覧ください。

L字型の共有地を甲土地と乙土地に分割したことにより甲土地は公道に通じない土地(袋地)になってしまいました。

分割される前は乙土地の部分を通って行動に出られたので乙土地を通る分にはお金は必要ありません。ただし、今回の分割とは無関係の囲繞地を通りたい場合は話が変わります。協議し囲繞地の受ける損害に対して償金を支払わなければなりません。

民法では共有物分割などが発生したケース以外は使用料が発生

分譲地

今回の設問は、公道に面した土地を分割して生まれた袋地のケースです。それ以外にも世の中には公道に面していない土地は存在します。

その場合も民法で定められた権利として囲繞地通行権はあります。法律で定められた権利ですから、期限に限りはありません。

ただし、このようなケースでは民法212条の「公道に至るための他の土地の通行権」が適用されます。

  • 第二百十条の規定による通行権(囲繞地通行権)を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

通行料を払わないですむのは、「共有物分割などが発生した」という条件付きですので、お間違いなく。

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