防災

高幡和也高幡和也

住まいの地域で震度6弱以上の地震が起こる確率は?全国地震動予測地図でわかること

地震被害のイメージ

3月26日、政府の地震調査委員会は、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した最新の「全国地震動予測地図2020年版」を公表しました。

予測によると、太平洋側の都市では依然として強い揺れが発生する可能性が高く、県庁所在地で最も確率が高いのは茨城県水戸市の81%でした。

いざというときに備えるため、自分の住んでいる場所で大きな揺れが起きる確率を調べる方法や、全国地震動予測地図の見方、地震の被害を最小限に抑えるために自分でできる「備え」について、宅地建物取引士の高幡和也さんが解説します。

「J-SHIS Map」で地震や地盤について調べてみよう

国立研究開発法人 防災科学技術研究所(以下、防災科研)の「J-SHIS Map」を使うと、調べたいエリアの地震や地盤についての情報が簡単に得られます。調べたいエリアの活断層帯や地震動強さの分布、今後30年以内に強い揺れに見舞われる確率などを調べることができます。

地震ハザードステーションのトップページ

自分が住んでいる場所だけではなく、職場や子どもの通う学校のあるエリアのほか、住宅を購入予定の方はそのエリアについても調べておくと、万が一の場合のリスクを知ることができます。

首都圏の太平洋側は今後とくに大きな地震の可能性が

東京湾のイメージ

J-SHIS Mapによると、日本では全国的に多くの地域が今後大きな地震に見舞われることが予測されていて、とくに首都圏の太平洋側については大きな被害が予想されています。

東京都庁付近(新宿区)のデータを見ると、今後30年以内に震度5弱以上の揺れに見舞われる可能性は99.9%、震度5強以上となる確率で91%、震度6弱以上となる確率でも44.4%と、いずれも高い数字となっています。

全国地震動予測地図

地震調査研究推進本部地震調査委員会「全国地震動予測地図2020年版」より

また、冒頭で紹介した地震動予測地図を見ると、場所によって強い揺れに見舞われる可能性が相対的に高いところ(赤紫色)と低いところ(淡黄色)があることがわかります。

ただし、自分の住んでいる地域が地震動予測地図で確率が低いからといって安全とは限りませんので、どのエリアでも防災対策は必要だと思います。

地震に対する「備え」とは

防災用品のイメージ
おもな地震対策には下記のようなものが挙げられます。

  • 建物の耐震診断、耐震工事
  • 室内の家具などの固定
  • 懐中電灯や救急セット等の防災用品、食料などの備蓄

建物の耐震工事については、各自治体で補助や支援を受けられる場合があります。たとえば神奈川県横浜市の場合、木造個人住宅の耐震診断が無料で受けられるほか、診断内容に基づき改修工事を行う場合は耐震改修工事費用に対して、補助(一般世帯で100万円が上限)が受けられる場合があります。

住まいの耐震状況が気になる人は、お住まいの地域の自治体窓口に相談してみましょう。

また、家具の固定や非常品の備蓄などは比較的容易にできます。

地震そのものを防ぐことはできませんが、住んでいる地域の揺れやすさや住まいの耐震状況などを把握し、耐震工事や家具の固定、防災用品の備蓄などの準備をすることが、地震の被害を最小限に抑える「備え」となるのではないでしょうか。

●教えてくれた人/高幡和也さん
宅地建物取引士・ライター。不動産業界で約30年、大企業の事業用地売買や未利用地の有効活用、個人住宅のディベロップメント、事業用・居住用の賃貸管理まで多種多様な業務を経験。「不動産取引の専門士」の視点で気になる情報を発信中

【参考】
※国立研究開発法人・防災科学技術研究所「地震ハザードステーション」
※地震調査研究推進本部地震調査委員会「全国地震動予測地図2020年版」
※横浜市「木造住宅耐震化支援事業」
※東京消防庁「地震に対する10の備え」

画像/PIXTA