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森 麻紀森 麻紀

非常食をいざというとき食べられない!?意外な落とし穴と対策を専門家が解説

家族の好みに合った非常食を用意する
非常食を非常時に食べることができなかった…。こうした声、実は災害体験者からしばしば上がっているのをご存知ですか?原因は、食べ慣れない味や食感、被災時のストレス、アレルギーなど。いざというとき食べられないと、事態はさらに悪い方向に。

そこで大事なのが、事前の味見や商品ラベルのチェック。防災備蓄収納2級プランナーの資格を持つ森麻紀さんが、非常食の選び方と保管方法について解説します。

まさかの時のために!非常食の味見、つくり方の確認は大事

皆さんは、非常食を実際に食べたことはありますか? 最近の非常食は優秀で食べやすいものが多いですが、個人的な好みと合わないものもあります。非常事態なら何でも食べられる、という意見もありますが、ストレスの多い被災生活だからこそ、少しでも自分好みの味のものを用意しておきたいものです。

筆者が非常食の味見の必要性を感じたのは6年前のこと。缶入りのマフィンタイプのパンを賞味期限切れになる前に食べたときのことです。

非常食のマフィンタイプのパンの缶
まずは食べる前の話。缶切りが付属している親切な商品でしたが、缶切りは小さくて使いにくく指が痛くなりました。そして食べてみると、筆者にとっては味が濃く、脂っぽさがとても気になりました。

しっとりしているので、水がなくても食べられるという点ではよかったのですが、食後、胸やけがひどく胃薬を飲んだくらいです。
パサパサしていて水分がかなり必要な缶入りのパン
こちらは別の缶入りパンですが、パサパサしていて水分がかなり必要だと感じたのでリピートしていません。味や食感だけでなく、つくるのが面倒くさいなと感じる商品もありました。

非常食は食べる機会がないことを願いたい商品ですが、災害が起こらないとも限りません。ですから一度食べておくと安心です。試食は大人だけでなく、子どももぜひ一緒にしてください。

好きなものに偏ってはダメ!栄養面も考えたい非常食選び

好みの味のものを用意することは、食欲が低下するかもしれない環境下ではとても大事なことですが、好きなものばかり…では栄養が偏ってしまいます。できるだけ体調を崩さないように、栄養面も考慮した口に合う食品を探してみてください。乾物は日常的にも使いやすい食材ですし、普段使いの缶詰の中にも、長期間保存できるものも意外とあるものです。

筆者はアスリートフードマイスター3級も取得していますが、その見地からするとスポーツをしている家族がいる場合は、タンパク質を多めに準備しておくと筋力の維持に役立ちます。

非常食にたんぱく質が補給できるものもそろえておく

もちろんビタミンも重要なので、栄養補給食品もあるとさらに安心です。

水なしでも飲める顆粒タイプのサプリメント
錠剤のサプリメントの場合は水が必須ですが、こちらは水なしでも飲める顆粒タイプです。
ちなみに筆者は水無しでも飲めますが、小学生の娘は「少量の水に溶かせば飲める」という感想でした。

普段と違う食生活のため、腸内環境も心配な被災生活では、食物繊維も大切ですので常温での長期保存も可能な「プルーン」もおすすめです。果物の甘味は心の栄養になりますし、いろいろな非常食を試食してみて気付いたのは、味が濃いものが多いということ。プルーンに多く含まれるカリウムは、余分な塩分を排出する働きもあります。

アレルギーの子どもがいる家庭では、原材料の確認もしておく

もしも災害が起きて避難所に避難となった場合、アレルギー対応食が備蓄してあるとは限りませんし、救援物資がアレルギーに対応しているかどうかも分かりません。

アレルゲンの入ってない食品

アレルギーをお持ちのお子さんの場合は特に(詳細を確認した上で)アレルギー対応、またはアレルゲンの入ってない食品を準備しておくと安心です。

重度のアレルギーのご家庭ではもちろん忘れないと思いますが、軽度のお子さんや大人のアレルギーの方の場合、非常食のアレルギー対応は盲点だったという声もまだまだ聞きますので、ぜひ一度確認してみてくださいね。

賞味期限の長いスイーツを非常食として用意しておくのもおすすめ

「横浜ハイカラ・缶詰スイーツ」は賞味期限が2年もある
筆者は大きな災害にあったことがありませんが、東日本大震災での被災体験のある友人が、「自宅に残っていたお菓子を食べてる時間が唯一の癒しだった」と言っていました。彼女は甘いものが好き。筆者もスイーツが大好きです。非常食にもなり、普段のスイーツと変わらないものはないかと探したのが「横浜ハイカラ・缶詰スイーツ」です。

横浜ハイカラ・缶詰スイーツ

賞味期限は約2年。チーズケーキとガトーショコラの2種類あります。日々のおやつの時間に食べても美味しいスイーツでした。

非常食の見直しのタイミング、流れを決めておく

各家庭によって、非常食の適した収納場所はさまざまだと思いますが、扉が開かなくなる可能性も考えて、分散して収納することをおすすめします。

筆者は年に2回、非常食の見直しをします。東日本大震災があった3月と防災月間の9月と設定していますが、テレビやネットで必ず防災に関する内容が発信されるので忘れることがありません。

3月の見直しのときに、次の9月までに賞味期限が切れる食品を、通常の食品ストックの方へ移動して食べ忘れを防いでいます。

非常食は半年区切りで見直す
賞味期限を半年間で区切り、同じ時期に期限が切れるものをまとめているので、見直しもスムーズです。
自分や家族に合った非常食の選び方や見直しの参考になりましたら幸いです。

●教えてくれた人/森 麻紀さん
名古屋市在住のライフオーガナイザー。クローゼットオーガナイザーの資格も持つ。「自分にちょうどいい片づけ方」を実践しつつ、片付けに悩む人へのサポートを行う。Webメディアなどで片付けに関する執筆も