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窓のリフォーム4種類のメリット&デメリット。中立な立場でまとめてみた

窓

寒暖差や結露、サッシのゆがみなど、窓が古いと様々なトラブルが発生します。

でも、いざ窓リフォームをしようと思っても、どんな方法があるのか、自分の家に合っているのはどんな方法なのか、わからないという方も多いのではないでしょうか。

賃貸マンションのオーナーで、窓に興味津々の日刊住まいライターが4タイプの「窓リフォーム」をについて窓のプロに取材。メリット・デメリットを詳しくレポートします。

1.「ガラスの交換」は比較的新しいサッシにおすすめ

取材に伺ったマテックス株式会社は窓の卸売りを手掛ける「窓の問屋さん」。さまざまなメーカーの窓を取り扱う、商品知識が豊富な窓のプロフェッショナルです。

一般ユーザー向けにも「窓のコンシェルジュ」というコンセプトの窓の総合情報サイト「madoka(マドカ)」を運営しています。

マテックスの藤代慶美さんと岩﨑美紗子さん

取材に協力してくれたのは藤代慶美さん(写真左)と岩﨑美紗子さん(写真右)。「窓リフォーム」に関する素人の素朴な疑問に丁寧に答えてくれました。

まずは「ガラスの交換」から。

窓

基本的に窓は「窓ガラス」と「サッシ」からできています。ガラス部分だけを交換すると工事の手間がかからず安価に済む場合が多いそうです。

気を付けたいのがサッシの状態。窓というとガラスばかりに気が取られがちですが、サッシも年月とともに劣化していき、ゆがみで開け閉めしづらくなります。

窓の鍵

私の住むマンションも経年劣化で鍵がかかりにくい窓があります。ガラスを交換するだけではこういう問題は解決できません。

「ガラスの交換は築年数の浅い物件(だいたい築25年くらいまで)の窓におすすめです」と藤代さん。サッシが劣化していなければ、ガラスを交換するだけで結露などの問題も劇的に改善されるそうです。

ただし、ガラスのみを交換する場合にはガラスの厚みの問題があります。

ふつうのガラスとペアガラスの比較

左が一般的なガラスで厚さは約5㎜、右が断熱性能の高いペアガラス(複層ガラス)で厚さは約20㎜。

ごらんのとおり厚みにかなり差がありますので、既存のガラスをペアガラスに交換しようとしてもサッシにはまらない可能性があります。

アタッチメントを用いたり、薄型で高断熱のガラスを使ったりという方法もありますが、どうしても費用がかかってしまいます。

2.「内窓の取り付け」は断熱・防音に優れ、コスパ高し

次の選択肢が「内窓の取り付け」です。二重サッシとも呼ばれ、既存の窓の内側に新しい窓を取り付ける方法です。

マテックスの社内の内窓

こちらはマテックス社内の窓。外に面した黒い枠が既存の窓で、その内側に白い内窓を設置して二重サッシにしてあります。

二重サッシ

内窓のメリットは断熱性能や防音性能の高さです。窓が二重になることで、外から入ってくる冷気や騒音が大幅にカットされます。

たまたま取材中に救急車が通りかかったので、内窓を開けた状態と閉めた状態で聞きくらべることができたのですが、一段ボリュームが下がったのを体感できました。

内窓を開ける

内窓のデメリットはやはり「開け閉めの手間が二倍になること」。洗濯物を干したり換気したり、と頻繁に開閉する窓には不向き。

とはいえ二重サッシは比較的リーズナブルに設置できるので窓リフォームの本命と呼べそうです。

3.「カバー工法」で新しい窓と同じ使い心地を実現

3つ目は「カバー工法」です。既存の窓をカバーするかたちで新しい窓枠を取り付ける方法です。どうやってカバーするのか、サンプルの窓枠を見せていただきました。

カバー工法のサンプルモデル

既存のシルバーの窓枠の上からカバー工法でブロンズカラーの窓枠を取り付けてあります。横から見るとこんな感じ。

カバー工法のサンプルを横から見る

既存の窓枠に対し、新しい窓枠が複雑に組み合わさって固定されています。「カバー工法」のメリットは新品の窓と変わらない使用感です。

最初にご紹介した「ガラス交換」の場合、ガラス本体は新しくなってもサッシが劣化していると開閉の使用感は改善されませんが、「カバー工法」ならストレスなくスムースに開け閉めできる窓がつくれます。

設置する窓の材質を選ぶこともできるので、樹脂製のサッシで断熱性能をアップすることも可能です。また、二重サッシのように開け閉めの手間が増えることもなく快適。

白の矢印で示した部分の分だけ窓ガラスが小さくなる

メリットばかりのように思える「カバー工法」ですが、弱点は見た目。窓の上に窓を設置するため、どうしても見た目が重たくなってしいます。

また、新しい窓枠(白の矢印で示した部分)の分だけ窓ガラスが小さくなり、採光性が落ちたり外の景色が見えにくくなったりします。先の2つの方法より費用が高くなる傾向があるのもデメリットです。

4.「窓サッシの交換」なら窓辺の印象を一変できる

最後は「窓サッシの交換」です。これは窓をまるごと交換するという方法。ガラスだけでなくサッシも含めて交換するので、新しく設置する窓はリフォーム用のものに限定されず、窓選びの自由度が高いのが特長です。

はめ殺しのフィックス窓を引き違い窓に変更する、あるいは、断熱性能が高い「樹脂製サッシ」やおしゃれな「木製サッシ」を選ぶことが可能です。

しかし、既存のサッシを外して工事するため、窓と壁が接している部分を補修・防水する工事が必要になります。窓の工事は窓専門の業者が工事するのが基本ですが、壁の補修には大工さんなどの手も必要になります。

窓工事の現場

これは私の家で窓工事を行ったときの写真ですが、窓まわりの壁の加工や補修は大工さんが作業していました。当然その分人件費もかさみます。

窓専門の業者に窓だけをリフォームしてもらう場合、1日で完了する場合がほとんどだそうですが、窓サッシの交換となると複数の職人さんが関わるので工期も長くなります。

もし住みながら行うとすると、工事期間中は多少の不便を覚悟する必要がありそうです。

4つの方法のメリット&デメリットをおさらい

最後に、窓リフォームの4つの方法のメリット(○)&デメリット(×)をまとめてみました。

1.ガラスの交換

○既存の窓枠がそのまま使えるので、安価で手軽
×サッシの使用感は改善できない・ガラスの厚みに制限あり

2.内窓の取付

○窓が二重になるため断熱や防音に優れ、比較的安価
×二重なので開け閉めの手間が倍になる

3.カバー工法

○サッシそのものが新しくなるので使いやすい
×窓枠が大きくなって見た目が重たくなり、費用もやや高め

4.窓サッシの交換

○新しい窓を自由に選ぶことができ、劇的なリフォームが可能
×窓まわりの補修工事が必須で、費用も工期もかかる

窓のサンプルいろいろ

当然ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

窓リフォームを検討する際は、「断熱」「遮熱」「防音」「使い勝手」「見た目」など、窓に求めるものを明確にしてから、プロに相談すると良いと思います。

※今回ご紹介した情報はあくまで標準的な製品を採用した場合を想定しています
取材協力/マテックス株式会社 参考サイト/窓のコンシェルジュmadoka

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