家づくり

Sumai編集部

なぜ、そんな形の家に?「心地よさには、外観がとても大事」がよく分かる2実例を紹介

家の外観は、自分の好みだけで決めるものではありません。建物が建つ周囲の状況、たとえば、見晴らしやプライバシー、隣家の外観などを考慮して形づくられるもの。そうした状況に相性のいいデザインを外観に施せば、とても心地よい家ができあがるのです。

ここでは、建築家が設計した2件の住宅をピックアップ。建物の形や素材、仕上げが、どのような思考プロセスのもとに決められていったのかを紹介していきます。

遊び心を加えた外観

遊び心のある外観デザインで、リゾート気分を満喫

冒頭の写真は、絶好のロケーションに恵まれた佐藤さんの住まい。眺めのよさを生かした大きな窓や、棟のように分かれた部屋をコテージのようにブリッジでつなぐ構成など、リゾートホテルのような家となっています。

道路側の外観

道路側から見た佐藤邸は、プライバシーに配慮して、開口部を抑えています。配色の異なるボックス状の建物を組み合わせ、変化をつけつつ、全体としては、シンプルなデザインに。

しかし、一歩奥に入れば、中庭に向かって大きく開いた建物が個性豊かな顔をのぞかせます。外壁は、落ち着いた印象のソフトリシン吹き付けと、色や塗り方で様々な表情をつくれるジョリパットを採用。特に3色に配色したジョリパットは、フラットな仕上げや塗り跡を残したラフな仕上げでアクセントをつけ、遊び心あふれる外観を創出しています。

大きなコーナー窓からの景色は大パノラマ。「夜は月や星が見えてきれいです」(夫妻)。

中庭の外階段

中庭の外階段からも上下階が移動可能。外壁の仕上げは1階と2階でも異なります。

2階のブリッジから見た各部屋

2階のブリッジから見た各部屋。外壁に揃えて建物内も同じ仕様にすることで、内と外との境界をやわらげ、自然との一体感を高めます。

シンプルなデザインの玄関回り

玄関回りはシンプルなデザインに。

<神奈川県 佐藤さんの家>設計/オンデザインパートナーズ 撮影/横田公人

異素材をミックスさせてコントラストを楽しんで

落ち着いた色の外壁
ここは周囲に田畑が広がるのどかなエリア。Hさん夫妻が暮らす建物は、周囲に溶け込むように配慮して、外壁には落ち着いた色を採用しています。

庭を眺めながらゆっくり過ごすことを希望したHさん夫妻。周辺環境のよさと全方向に開けた敷地の特性を生かし、建物と塀で庭を囲む平屋のセミコートハウスのプランに。右手の塀は道路と庭の仕切り。高さを抑えて圧迫感をなくすようにしています。敷地形状に合わせて東西に伸びる建物は、中央で135度に折ることで、各室から庭を眺めることができます。

H邸の外壁を彩るのは、樹脂モルタルに耐候性塗料を施した左官仕上げとガルバリウム鋼板の横葺き仕上げ。異なる素材を用いることで組み合わせの妙を楽しみます。ガルバリウム鋼板はダークカラーを採用し、外壁の一部に取り入れることで外観をきゅっと引き締めました。外周の植栽もみずみずしく、外壁の落ち着いた色によく馴染みます。

縁側のようなデッキ

LDKの前に縁側のようなデッキを設置。奥に見える寝室の外壁はガルバリウム鋼板の横葺き仕上げ。

玄関に続くアプローチ側の外壁

玄関に続くアプローチ側の外壁は左官仕上げに。玉砂利や石を敷いて和の風情を高め、ベンチや庇を設けてホッと和める空間に。

玄関正面に庭が見える

玄関扉を開けると、正面に庭が見えます。

<愛知県 Hさんの家>設計/松原建築計画 撮影/川辺明伸