クイズ

Sumai編集部

過失がない自分に責任が問われる?業者が設置した壁が崩れ、他人の車が破損したら

宅建の問題、工作物責任を説明
土地の取り引きをするための国家資格・土地建物取引士の試験問題から、実生活でも知っておくと役立つケーススタディー。

自分の土地を囲う塀の設置を業者に頼んだとしましょう。無事完成しましたが、工事に問題があり、脇に駐車中の車を破損してしまったというケース。ひょっとしたらあなたにも起こりえるかもしれません。今回はそういう事態が起こったことを想定した問題です。

さて、あなたは正解できるか!

【今回の問題】
Aは、所有する家屋を囲う塀の設置工事を業者Bに請け負わせたが、Bの工事によりこの塀は瑕疵(かし)がある状態となった。
Aがその後この塀を囲む家屋全部をCに賃貸し、Cが占有・使用しているときに、この瑕疵により塀が崩れ、脇に駐車中のD所有の車を破損させた。A、BおよびCは、この瑕疵があることを過失なく知らない。
このとき、Aは損害の発生を防止するのに必要な注意をしていれば、Dに対する損害賠償責任を免れることはできるか?
(平成17年試験問題より一部抜粋・改変)

塀が倒れて自動車が破損した

建物などに欠陥がある場合、過失がなくても所有者は責任を負う

弁護士と六法全書

正解…損害賠償責任は免れない

この問題は、Aが所有している土地を囲む塀をBに工事を依頼し、Cに貸したあとに起こったトラブルの賠償請求がどうなるかという設問です。

結論から言うと、所有者はまったく過失がなくても(損害発生防止に必要な措置をしていても)責任を負わなければなりません。これを工作物責任と言います。

工事業者は故意や過失がなければ、損害賠償責任を免れる!

塀を建てる
この設問には、工事業者Bの損害賠償責任を問う質問もあります。意外に思われるかもしれませんが、瑕疵をつくり出したことに故意または過失がなければ、Dに対する損害賠償責任を免れることができます。
不法行為が成立するためには、このBの故意または過失が必要となります。

ちなみに、実際の試験では、借りている人・Cが責任を問われるかについても、回答することになっています。
こちらは、所有者のような「無過失責任」は問われません。難しい言い方ですが、Dの損害賠償防止に必要な措置をしていれば免責されます。

同じようなケースで過去には、温泉浴場のエレベーターの扉に入浴客が挟まれて負傷した事故で下された判例が知られています。このときも借りている運営会社の工作物責任は否定され、所有者の責任が肯定されました。

もし、大家さんになることがあったら、知らないではすまない法律です。

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画像/PIXTA