クイズ

Sumai編集部

切ってOKなのはどっち?お隣の木の枝と根が、自分の敷地に侵入してきた

相隣関係の問題
土地の取り引きをするための国家資格・土地建物取引士の試験問題から、知っておいて損はない!問題。今回は「相隣関係(隣接する不動産の所有者間において、互いに土地の利用について調整し合う関係)」についての問題です。

お隣さんから境界線を越えて伸びてきた枝や、地面から出てきた根っこ。自分の敷地に侵入している部分については、勝手に切っていいのでしょうか?

ひょっとしたらあなたにも起こりえるかもしれません。さて、あなたは正解できますか?

【今回の問題】
次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているのはどれか。

① 土地の所有者は、隣地から木の枝が境界線を越えて伸びてきたときは、自分でこれを切断できる。
② 土地の所有者は、隣地から木の根が境界線を越えて伸びてきたときは、自分でこれを切断できる。

(平成16年試験問題より一部抜粋・改変)

境界線からはみ出した植物

土地に含まれるものはその土地の所有権に吸収される

竹木切除権

正解…①(木の枝は勝手に切断できない)

隣地の土地の木の枝が境界線を越えて伸びてきている場合、枝を自分で勝手に切ることはできません。所有者、つまり、お隣さんの許可を得る必要があります。また、勝手に切れない代わりに、境界線を越えている部分を切り取るよう、所有者に対して請求ができます(竹木切除権)。

枝が伸びているとはいえ、木は隣の土地に生えています。このことから、枝はお隣さんの所有物と解釈されます。しかし、根っこは、こちらの土地にあるので、勝手に切断することは可能です。土地に含まれるものは、その土地の所有権に吸収されるという理由からです。

仮にお隣に竹林があって、境界線を越えて庭に見事なタケノコが出てきたとしましょう。このタケノコを抜いて美味しくいただいても、民法上は何の問題もないのです。

相隣関係には、塀などの費用分担や「目隠し」についても定義

隣地との目隠しを設置

この木と枝や根っこ問題以外にも相隣関係では、隣の土地との間でトラブルが生じたときに、どのようにすればよいかを規定しています。

民法でも明示されている例を幾つか挙げておきましょう。

  • 隣地使用権…土地所有者は、隣地との境界近くで建物を築造または修繕するために必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる
  • 囲障の設置…土地の所有者は、隣地所有者と共同費用で境界を表示するもの(塀など)を設置することができ、その費用は両者等しい費用を分担する
  • 境界線付近の建物の設置…建物を築造するには、境界線から50㎝以上の距離を保たなければならない
  • 境界線付近の建築の制限…境界線より1m未満の距離で他人に宅地を見渡せる窓やベランダを設けるときは「目隠し」を付けなければならない

これらは民法209条~235条に書かれている内容です。もし近隣トラブルに巻き込まれたときに役に立つかもしれません。興味のある方は、読んでみてはいかがでしょうか。

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画像(図以外)/PIXTA