家づくり

古川泰司古川泰司

ウッドデッキを長持ちさせるためには?家づくりやDIYで知っておきたいこと

気持ちいいウッドデッキ

「ウッドデッキがあると、毎日の暮らしは確実に豊かになります。ウッドデッキでボーッとしたり、コーヒーを飲んだりするだけでも十分楽しい。なに気ないことが、心の調子を整えてくれることだってあります」

そう語るのは、建築家の古川泰司さん。実際、内と外をつなげるウッドデッキの存在に今、注目が集まっています。今回は古川さんが、家づくりを目指している人やDIYを考えている人向けに、ウッドデッキについて知っておきたい基本的なことをアドバイスしてくれました。長持ちさせるコツは?素材で見た目はどう変わる?

ウッドデッキは生活のスタイルを変えます

ウッドデッキと聞いて、多くの人がイメージするのは、リビングと一体になって外につながるタイプのものでしょう。もしも、そこが中庭になっていて、緑があればきっとよい感じ。晴れた日には、外で過ごす第二のリビングに。ハンモックに揺られながらの昼寝や読書、休日午後の冷えたビール…。夢は尽きません。

憧れる。でも、つくろうか、つくるまいか、躊躇する…。その理由のひとつは、「腐って長持ちしないのでは?」という不安でしょう。

大丈夫。ウッドデッキの素材を上手に選んで、うまく設計すれば、20年くらいへっちゃらです。ウッドデッキはつくり方次第で長持ちします。だから、憧れのウッドデッキライフをあきらめないでほしいのです。

まずは、長持ちするウッドデッキのポイントについて説明しましょう。それに続いて、ウッドデッキの気持ちよさ(たとえば、お風呂ウッドデッキ!)についてもお伝えします。そんなに楽しいウッドデッキ、つくらない手はないですよね。

素材がいちばん大事。長持ちするウッドデッキをつくるための基本

いちばん大事なのは素材です。ウッドデッキ用の木といっても、じつはいろいろあるのです。

たとえばホームセンターに行くと、DIYのコーナーにウッドデッキ用の木が置いてあります。そこで、よく見かけるのは「レッドシダー」。いわゆる米杉の2×4材です。なかには防腐剤を染み込ませてあるものも。

米杉のウッドデッキ
写真は米松でつくったウッドデッキの例。米杉は多分、一番手に入りやすいウッドデッキ材です。米杉は耐久性の点でも優秀。ただし、時間が経過するとササクレができます。トゲが長くなりがちで、刺さると痛いので要注意。色味は濃い赤色で好き嫌いが分かれるところ。実際に使われる場合は、実物を手にして確認されることをおすすめします。

ヒバ材のウッドデッキの見え方
こちらは、ヒバ材によるウッドデッキ。能登半島や青森県のヒバ材は長持ちします。少しお高いかもしれませんが、長持ちすることを考えると結果的に安い買い物だと思います。

白木で、色味は少し黄色が強い感じ。繊維はやわらかく、トゲになって刺さってもそれほど痛くありません(もちろん、注意は必要)。ちなみにわが家では、ヒバ材のまな板を使っています。2年ほど経過しましたが、まったくカビが生えてきません。防カビ効果抜群のヒバ!恐るべしです。

ところで、日本に一番多い木は「杉」。ということは、「価格もリーズナブルで入手も容易なら、杉をウッドデッキに使ったら?」となります。でもじつは、一般的に杉は湿気に弱いのです。ウッドデッキには向きません。

ウッドデッキを濡らさない工夫も。設計次第で寿命が変わる

さて、素材の次に大事なのは設計です。

杉はウッドデッキに向かない。そうお伝えしましたが、親しい材木屋さんが「なんとか杉を、ウッドデッキに使いたい」と実験的に事務所に設置することになりました。6年経っていますが、全然傷んでいないようです。

杉なのに?じつは、雨で濡れてもすぐ乾くように、私が設計したことがポイント。水はけと風通しがよくなるように工夫をしたのです。

杉でつくったウッドデッキ
これが、そのウッドデッキ。そもそも濡れないように設計できれば、もっと好ましいでしょう。庇の下に設置するように設計すれば、がぜん長持ちします。先の米杉のウッドデッキ実例では、庇の下にありますね。。

さて。ここまで、長持ちするウッドデッキのつくり方について書いてきました。でも、つくったあとだって大事。つまり、手入れが必要です。

防腐剤の入った塗料を定期的に(2~3年ごとに)上から塗り重ねるようにしましょう。設置から5年くらいすると少し傷んできますから、その部分を取り替える必要も。こうしたメンテナンスを重ねることで、ウッドデッキの寿命はがぜんと延びるのです。メンテナンスはDIYでもできることがほとんど。設置に関わった業者やホームセンターのスタッフなど、プロのアドバイスも受けながら実践してみましょう。

ウッドデッキと風呂の相性は抜群!ゴージャスな気分を味わえる

浴室とつながったウッドデッキ
というわけで、最後に楽しいウッドデッキのお話をしましょう。

私は、お風呂場の外にウッドデッキがあるプランをよく提案します。浴室には大きな窓。ウッドデッキの先には、背の高い目隠しの塀を。そうすることで、たとえひと坪のお風呂でも、露天風呂のような開放感が生まれるのです。

都心部の狭小地では、隣のお宅との距離が迫っているもの。わずか30㎝の幅でも浴室の外にウッドデッキがあれば、気分はゴージャス。おまけに、大きな窓なら換気も抜群、カビも生えにくくなります。

ちなみに、元気な子どもがいる家族に半露天風呂のようなウッドデッキ付きのお風呂を設計したら、お風呂の時間が倍になったとか。ウッドデッキが家族のコミュニケーションを深めてくれているのにひと役買ってくれたようです。

●教えてくれた人/古川泰司さん
1963年新潟県生まれ。武蔵野美術大学、筑波大学修士課程修了。アトリエフルカワ一級建築士事務所主宰。設計で大切にしていることは「森とつくる いっしょにつくる」。森と木を生かした「森とつながる建築」をつくり住宅医の資格を持ち、中古住宅の診断、耐震改修、断熱改修、生活改善を提案。DIYのサポートも