家づくり

Sumai編集部

家づくり基礎知識:窓の役割と種類を知って、デザイン&機能の優れたアイテムを選ぶ

窓
快適な家をつくるためには、窓についてしっかりとした計画を立てるのが大事。ここでは、建築家・大島健二さんの監修のもと、窓の役割や形について解説します。
窓の基礎知識をしっかりと学んで、居心地よい家づくりを目指しましょう。

窓の役割を知ってより快適な暮らしを

窓には大きく分けて5つの役割があり、それを生かす方法もさまざまです。

役割1 通風

今の住宅は高気密・高断熱で換気設備が整っていますが、窓を開けて換気する場面も多いのが現実。最低2か所に窓を取りつければ、自然の力による通風をうながせます。家全体に風が通り抜けるように考えるといいでしょう。

役割2 採光

居室の場合は、建築基準法の定めで、床面積の7分の1以上の採光が必要です。居室以外の廊下なども、昼間に暗くて困る場所があると住みにくいので、小窓などで適度な採光を。また、光はデザイン的な要素になるので、取り入れ方によって空間をきれいに見せます。以下のイラストのような西側プランが、それにあたります。
西の窓のプラン

役割3 出入り

リビングとデッキを行き来するなどの居住性や、キッチンでゴミを出すなどの作業性に分けて考えるといいでしょう。また、掃き出し窓のように出入りしやすい窓はぜひ確保を。火事や地震の際の避難口として活用できます。

役割4 眺望

生活するうえでは必須項目でありませんが、ピクチャーウインドゥ(借景窓)があれば、空や景色を眺められ、開放感など心理的な豊かさが得られます。

役割5 視認

窓越しに外の気配が伝わることで、家族の帰宅がわかります。侵入者の気配も伝わるので防犯にも。

必要とされる性能を知って窓の役割を高めましょう

窓はさまざまな役割を担うため、求められる性能も多種多様です。なかでも外部環境の影響を抑える「断熱性能」や「遮熱性能」は重要。ガラスの性能をはじめ、ガラスに挟まれた中空層に封入するガスの種類やサッシの素材などで性能は異なります。ほかにも耐風圧性や雨水の侵入を抑える水密性など、自然現象から建物を守る性能にも配慮を。

「防犯性能」も暮らしを守るうえで大切です。割られにくい防犯ガラスのほか、面格子やシャッターも選択肢に。しかし、面格子だらけでは、外観デザインが台なしになるので程々に。プランニングで防犯性を高めるなら、人が入れない小窓の活用も。

また、防火地域では、建築基準法によって「防火性能」が必須に。ガラスの破片が飛びにくい網入りガラスや防火シャッターなどが必要です。通風や出入りの面から「防虫」にも気を配って。最近の網戸にはアコーデオンのように折り畳めるものもあります。縦長の滑り出し窓に設置できるタイプもあって便利です。

さらに、くつろぎやすくするためには「プライバシーの確保」もお忘れなく。柄入りの型板ガラスやすりガラスを採用するほか、ブラインドやウッドシャッターなどの活用を。窓を選ぶ際は、これらの性能や役割を高めるものを選びましょう。

窓の基礎知識

代表的な窓の形

画像提供/三協アルミ
引き違い窓

【引き違い窓】
障子を左右にスライドさせて開閉。通風量が調整しやすい。

折りたたみ窓

【折りたたみ窓】
左右に引き分けて折り畳み、開口幅いっぱいにフルオープンが可能。

片上げ下げ窓

【片上げ下げ窓】
上の障子は固定された状態で、下の障子が上下にスライドします。

縦すべり出し窓

【縦すべり出し窓】
左右どちらかを軸に、外側に開きます。角度によって通風量を調節。

ルーバー窓

【ルーバー窓】
複数枚のガラスが連動して開閉。角度の調節で通風量もコントロール。

内倒し窓

【内倒し窓】
下を軸にして内側に向かって開きます。トイレなど狭い空間に◎。

天窓(トップライト)

【天窓(トップライト)】
屋根に取り付ける窓。開くタイプやフィックスタイプなどがあります。

フィックス窓

【フィックス窓】
開閉しない窓で、採光や眺望に使用。スクエアなど形状は様々です。

代表的なガラスの種類

画像提供/YKKAP

複層ガラス

【複層ガラス】
ガラスとガラスの間にある中空層に、乾燥した空気を閉じ込めて断熱性能を高めたもの。不快な結露も抑えられます。

Low-E複層ガラス

【Low-E複層ガラス】
複層ガラスの内側に特殊金属膜をコーティング。熱を逃がさない断熱タイプと、日差しをカットする遮熱タイプがあります。

代表的なサッシの素材

【アルミ】
軽いので開閉しやすく、耐候性や防火性、施工性に優れています。一方、熱伝導率が高いため断熱性能はやや低めです。

【樹脂】
樹脂(塩化ビニール樹脂)は熱伝導率が低いため、断熱性能や気密性能を発揮。寒冷地を中心に普及が進んでいます。

【複合】
室外側に軽量で耐久性能に優れたアルミ、室内側に断熱性能の高い樹脂を用いるなど、異なる素材を組み合わせています。

監修/大島健二(OCM一級建築士事務所主宰) 画像/PIXTA(一番上)