クイズ

Sumai編集部

夏至or冬至どっち?高い建物が招く日照権のトラブル、測定の基準日は?

住宅地の日影規制

背の低い住宅の近くにマンションが建つ、というようなケースで問題になる日影規制(にちえいきせい・ひかげきせい)」。日影規制とは、「日影による中高層の建築物の制限」の略です。低い建物が日照を確保し、長時間にわたって影にならないように、建築基準法では、建物の高さを制限しています。

では、「影にならない」時間とは、いつを基準にしているのでしょうか?土地建物取引士の試験問題を例に挙げて、説明していきます。

【今回の問題】
建築基準法に関する次の記述は正しいか?
日影による中高層の建築物の高さの制限に係る日影時間の測定は、夏至日の真太陽時の午前8時から午後4時までの間について行われる。
(令和2年試験問題より一部抜粋)

隣家の日陰になる

日影規制とは、1年を通して日影を一定の時間内に抑えるための規制

日影規制を図解する

答え…正しくない

設問では日影時間の測定が1年でいちばん日の長く、太陽高度の高い夏至日になっています。もし、この日に合わせたら、太陽高度の低い冬はほとんど日が当たらないということになりかねません。

そこで、建築基準法では「冬至日の8時~16時の8時間のうち、日影になる時間」を制限しています。
ですので、答えは「正しくない」です。

日本では1970年代頃から住宅地で中高層マンションが増えはじめ、日照権の訴訟が相次ぎました。このことで法律で制限する必要が生じ、1976年建築基準法改正で日影規制が制定されました。

日影規制の対象となる建築物は、用途地域ごとに決められています。規制を受ける用途地域は以下のとおりです。

軒の高さが7mを超える建築物または地上3階以上、測定水平面は1.5m

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域

高さ10m、測定水平面は用途地域によって4mもしくは6.5m

  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域
  • 第1種住居地域
  • 第2種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 準工業地域

商業地域には日影規制はありません。

規制対象地域では「敷地境界線から5m~10mの範囲」、「敷地境界線から10m超」で規制される日影時間が決められています。

北側斜線や隣地斜線、道路斜線…ほかの規制も知っておくべし

北側斜線の住宅

今回は日射規制の設問でしたが、隣家や道路の採光や通風を確保されるように、さまざまな斜線規制があります。

こちらも用途地域や、敷地にどのように配するか、向きなどで変わってきますので、土地を購入して家を建てる場合は、用途地域、建ぺい率、容積率だけではなく、その土地でこれらの規制をクリアすると、そんな家が建てられるか、しっかり検討した方がいいでしょう。

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画像(図以外)/PIXTA