体験レポート&リサーチ

Sumai編集部

遼河はるひさんが「Bonjour biqui Bonjour」のアトリエへ。ものづくりする空間って、どんなとこ?

唐澤明日香さんと遼河はるひさん
宝塚歌劇団の男役として人気を博し、退団後は女優、タレントとして幅広く活躍する遼河はるひさんが、今注目の女性クリエイターの仕事場を訪問。今回の対談場所は、デザイナーの唐澤明日香さんのアトリエです。

大好きなバッグや服の話に盛り上がるおふたり。共通したのは「こだわり」「手づくり」を大切にしていきたいという思いでした。

唐澤さんのアトリエ

大きな天窓が印象的なメゾネットタイプのマンションの一室が、唐澤さんのアトリエ。天窓の向こうには、すぐそばに六本木ヒルズが!

帆布のバッグから始まりウエアブランドをスタート

(左)作業スペース。(右)打ち合わせスペース

新作のデザインを生み出したり、サンプルをつくったりする作業スペース(写真左)。「ものづくりをするときの空間って、すごく大事」と唐澤さん。吹き抜けに面した打ち合わせスペースもすてき(写真右)。右手のキッチンなどは既存のままですが、白いビニールタイルだった床は板張りに変更しました。

唐澤:こちらは昨年立ち上げた洋服のブランド「ボンジュール ビキ ボンジュール」のアトリエで、下階はショールーム、上階が打ち合わせやデザインなどの作業をするスペースです。私は24年前に「アトリエペネロープ」というブランドを立ち上げて、帆布を使ったバッグを手づくりするところから始めたのです。もともと洋服が好きでいつかはやってみたいと思っていたのと、もう一度、なにもないところからものづくりに挑戦してみたいと思うようになったことから、新しいブランドを始めました。

遼河:最初はバッグだったんですね。私、布のバッグ、好きなんです。軽くて実用的ですよね。男女兼用で使えるデザインも多いので、たくさん入る大きな布のバッグを夫と共用したりしています。

唐澤:インテリアも好きなので、収納として家の中でも使えるようなバッグもあり、今でも定番としてつくり続けています。生活の中にあるデザインが好きなんですね。

遼河:飾りでブランドもののバッグを持つ時代でもあまりないし、お買い物に持っていくマイバッグにもぴったりな布バッグ、とっても魅力的だと思います。

こだわりの空間を手に入れものづくりに没頭

業務用アイロンや革すき機やミシンなどを設置

業務用アイロンのほか、革すき機やミシンなどを設置。「レトロな雰囲気もあって、インテリアとしても楽しんでいます」(唐澤さん)。

遼河:このアトリエも、インテリアがお好きだということがよくわかります。

唐澤:洋服のブランドを始めるにあたって、ひとりでじっくりものづくりができるアトリエを持ちたいと思っていました。そんなときに出会ったのが、この物件。築30年くらいのマンションの一室ですが、大きな天窓がひと目で気に入って。やっぱり気持ちのいい空間でものづくりをすることは大切だと思うし、作業テーブルにバーッとものを広げておけるのも気に入っています(笑)。

存在感あふれるキッチン

存在感あふれるキッチンも唐澤さんのお気に入り。「お友達が来ると、みんなでお料理をしたりお酒を飲んだりしています」(唐澤さん)。

遼河:大きなキッチンもすてきですね。

唐澤:以前は事務所だったらしくて、オープンなキッチンは既存のまま使っています。そのほかの部分も、床を張り替えた以外はほとんど手を加えていないんです。六本木ヒルズが見える天窓もおもしろいですが、高い建物がなくて街を見渡せるキッチン側の窓からの眺めも気に入っています。窓を開けると、風が抜けて気持ちがいいんですよ。

遼河:私、お料理が好きなので、こういうキッチン、憧れます。広くて使いやすそうだし、みんなで集まってパーティをしても楽しそうですね。

インテリアにもこだわり満載!

(左)アンティークのラック。(右)作業スペースの照明

もともとインテリアが大好きという唐澤さんだけに、アトリエにはこだわりのインテリアアイテムがちりばめられています。たとえば、「ちょっと工業的なものが欲しくて」(唐澤さん)という作業スペースの照明(写真右)は、友人の建築デザイナーが探してきてくれたもの。

ショールームで使用されているアンティークのラックはロイズアンティークスで見つけたもの。シンプルでありながら骨太で力強いこれらのアイテムは、唐澤さんが手掛ける「ボンジュール ビキ ボンジュール」や「アトリエペネロープ」のデザインにも通じています。

オリジナルの素材や色にもこだわりたい

(左)コート「アンコール-FM」。(右)「アンコール-FM」を試着

「アンコール-FM」(6万4900円)は2サイズ展開で、メンズにも対応(写真左)。バッグを持たなくてもいいように大きなポケットを設けています。1920年代のフレンチミリタリーをイメージしたコート「アンコール-FM」を試着(写真右)。「体にしっくり馴染む感じです」(遼河さん)。

遼河:試着させていただいたコートは、見た目ほど重くなくて、とても着やすかったです。

唐澤:生地にはこだわっていて、古いフレンチミリタリーのコートから生地を復刻し、オリジナルとして製織した素材を使用しています。女流彫刻家をイメージしたスモックのようなデザインのコート「カーヴァー」には、コットンギャバを使用。帆布もそうですが、基本的には岡山の工場で織りから洗いなどの加工を行っています。丈夫で少々ハードですが、着ていくうちにどんどん体に馴染んでいくような素材が好きなんです。

(左)財布として使える帆布のポーチ「MGウォレット」。(右)ボディバッグ「クロワッサン」

財布として使える帆布のポーチ「MGウォレット」(各1万3200円)やロゴ入りコースター(各880円)など日常使いの小物も充実(写真左)。フラップにヌメ革を使用したボディバッグ「クロワッサン」(1万6500円・写真右)。「カジュアルなファッションに似合いそう」と遼河さん。

遼河:バッグもいろいろ持たせていただきましたが、どれも軽くて使いやすそうだし、色もかわいいですよね。

唐澤:色も、ほとんどがオリジナル。既製の生地ではあまり気に入る色がなかったので、水彩絵の具で色をつくり、それを小さい布で試し染めしてもらい、微妙な濃淡の違うものをいくつか出してもらった中から選んでいます。

遼河:別の方との対談で、インテリアショップに伺ったとき、日本の壁紙やペンキの色はいまひとつなので、海外から輸入しているというお話を聞きました。

唐澤:日本人はきれいな色を出す技術はあるけれど、なににでも合うようにすることで、曖昧な色になってしまっているのだと思います。売れるかどうか分からないのにオリジナルでつくるのはリスクがありますが、色にはこだわっていきたいのです。

ウエア以外のアイテムもチェック!

(左)バッグブランド「アトリエペネロープ」。(右)ミニバッグ「スパイラ L」

唐澤さんがオーナー兼デザイナーを務めるバッグブランド「アトリエペネロープ」では、帆布をはじめとするオリジナルの国産素材を使用したバッグなどのアイテムを多数展開しています。

「これ、形がかわいいですね。そして、軽い!」と遼河さんが真っ先にチェックしたのは、球体のようなフォルムのミニバッグ「スパイラ L」(写真左/1万7600円)。「厚織りのリネンとヌメ革を組み合わせています。マチがあるので使いやすいですよ」と唐澤さん。右の写真で2人が手にしているのは、肩掛けもできるミニポーチ「ケイト」(7700円)。

ひとつひとつ手づくりする感覚をこれからも大切に

遼河:ところで、エプロンはありますか?お料理をするときに気に入ったエプロンを着けると、「よし、やるぞ!」って気合が入るんです(笑)。

唐澤:お店で扱っているエプロンは、私がひとつひとつつくっているんです。

遼河:手づくりってことですか!?

唐澤:ほとんどの商品は工場生産ですが、ミシンを踏まないと仕事をした気がしないので(笑)、そういうアイテムを残しているんです。ただ、洋服は工程が違うので、自分の中で完結できないところが難しいところであり、おもしろいところでもあると感じています。

遼河:インタビューなどで洋服はどのブランドが好きですかってよく聞かれるのですが、すごく困るんです。ブランドやお店ではなく、素材やデザインで選びたいし、着たことがないものにも挑戦したいですし。

唐澤:古い家具などもそうですが、洋服も出会いが大切だったりしますよね。自由に選ぶほうが楽しいし。私も自分が着られる洋服をつくりたいと思ってブランドを始めたので、今後も素材や色にこだわって、少しずつアイテムを増やしていければと思っています。

遼河はるひさん

「天窓から光が降り注ぎ、開放的でとってもおしゃれな空間でした!」(遼河さん)。

●遼河はるひさん
1976年愛知生まれ。宝塚歌劇団の男役として人気を博し、退団後は女優、タレントとして幅広く活躍中。2019年にサッカー選手と結婚。『突撃! 隣のスゴイ家』(BSテレ東)に出演中

●唐澤明日香さん(Bonjour biqui Bonjourデザイナー)
1996年、帆布のバッグを中心に展開する「アトリエペネロープ」を設立。2019年にはウエアブランド「Bonjour biqui Bonjour(ボンジュール ビキ ボンジュール)を立ち上げた

撮影/水谷綾子 ※情報は「リライフプラスvol.39」取材時のものです