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永井 理恵子永井 理恵子

自治会の組長初体験。葬式に行事…仕事内容やメリットをレポート

家から見える景色

自治会や町内会と聞くとなんとなく面倒くさそう、煩わしそうというイメージを持つ方は多いかもしれません。静岡県御殿場市在住の日刊住まいライターは、今年度初めて自治会の組長をすることになったそう。

実際にやってみると、近所の方とのつながりが増え、メリットの方が大きかったといいます。具体的にどんな活動をするのか、どんなメリットがあったのか、詳しく語ります。

そもそも自治会の組長ってどんなことをするの?

筆者宅は引っ越して5年目にして、初めて組長をすることになりました。筆者が暮らす静岡県御殿場市のホームページによると、市内は6つの地区に分かれており、その中に59の自治会があります。自治会は「区」と呼ばれ、さらに部、組、班と分かれていきます。区では、ゴミ集積所の管理、街灯の整備といった地域の暮らしに必要なことをしています。

中には部がない、班がない、という区もあります。筆者が住んでいる地域は部、組があり班はありません。組長は持ち回りでみんなが担い、1年ごとに替わります。

5年前に引っ越してきたときには、当時の組長が一緒に同じ組のお宅を訪問してくださり、近所の皆さんにスムーズに挨拶ができました。またゴミ集積所の場所、公民館の場所、夏休みのラジオ体操の場所など、地域のことをひと通り組長に教えてもらいました。

筆者が所属する組の場合、部の役員が月2回用意してくれる書類を回覧板で回すための準備をすること、区費や組費、体育会費などの集金をして部の会計担当者へ持って行くこと、この2つがおもな業務です。

組の中で不幸があったら葬儀の日程を確認して、組の皆さんにお手伝いをお願いするのも大切な仕事です。ほかにも区や組で行われる運動会や地域の行事の手伝い、清掃活動への参加、防災訓練の準備など、さまざまな業務があります。コロナ禍の今、行事はだいぶ割愛されていますが、回覧板を回すことと集金業務はこれまで同様変わりなくしています。

葬儀のお手伝いや行事への参加を通じて、知り合いが増えた

犬の散歩

引っ越してから2度、組の中で不幸がありました。通夜や葬儀は葬儀場でするのが一般的になっていますが、受付や火葬中のお茶出し、六尺などは、組の中からお手伝いの人を出します。

六尺とは、葬儀場からの出棺時、棺を霊柩車まで運ぶ役割のこと。昔は墓穴を掘る役割を担い、地域によっては六道とも呼ばれるそう。筆者の住む地域では、年配の男性がやるというルールがあるようです。

地域の運動会や「さいと焼き」といった行事にも参加しています。「さいと焼き」とは地域によっては「どんど焼き」とも呼ばれる行事。竹を組んで高く積み上げ、その中に正月飾りやお札、書き初めなどを入れて燃やします。この準備も組長主導で行います。運動会では、綱引きや玉入れに出場してほしいと声がかかれば参加します。最初はちょっと面倒だなと思っていましたが、参加してみると意外と楽しいものです。

葬儀のお手伝いや行事への参加を通じて、近所の方に顔を覚えてもらえてきたことを日々の暮らしの中で実感しています。犬の散歩中などに声をかけていただくことも増えました。組長をしてよかったと感じるのは、こうした積み重ねによって組の皆さんの顔や家族構成がわかってきたこと。何かお願いごとをしに行くときも、コミュニケーションがしやすくなりました。

じつは組長を引き受ける際、こうした行事への参加によって夫の仕事に支障が出ないかということを心配していました。でも、夫の職場は自治会活動に理解があり、休みを取りやすいそうです。正確なところはわかりませんが、市内の事業所全体が、こうした自治体活動に理解があるように感じています。

土地探しの際にある程度リサーチしておいてよかった

近所の風景

土地を探す際、こうした自治体活動やその地域ならではの雰囲気のようなことも重要なチェック項目のひとつとして挙げていました。同じ市内でも地域によって活動に差があることはうっすら知っており、あまりに活動が盛んな地域だと、共働きのわが家は大変ではないかと推測したからです。

幸いなことに、筆者は購入予定のエリアについて不動産会社の担当者から情報を得ることができました。エリアによっては、1世帯から必ず1人出席が必要な毎月の集会があったり、消防団や青年団の活動が盛んだったりするところもあるので、もしそうしたエリアで土地を購入していたらもっと大変な思いをしていたかもしれません。

庭の風景

ただ、そうした情報はインターネットなどではなかなか探しにくく、口コミに頼るしかないのが現状。地縁があれば知り合いなどに聞くこともできますが、そうでない場合は、まずは地元の不動産屋さんに尋ねてみるのがよいのではないかと思います。

夫は最近、同僚や後輩から「おすすめの地域はないですか?」「このエリアの土地購入を考えているけどどうですかね?」とよく聞かれるそうです。家を持つとなると、近所づき合いが重要なことをよく理解しているからだと思います。

自治会や地域の活動のことも考慮して土地選びを進めたので、今のところ、近所づき合いの苦労はほとんどありません。組長、と聞いて最初は不安でしたが、そこまで負担を感じることもなく、近所の方とのつながりが深まってよかったと感じています。