体験レポート&リサーチ

スズキカホスズキカホ

ノルウェーで家探し&引っ越しを経験。自主性とダンボールが日本と違う!?

友人たちに引越しを手伝ってもらう

物件探しから契約まですべてオンラインで。引っ越しは業者に依頼せず、レンタカーを借りて家族や友人にサポートしてもらいながら…。こんな方法を選ぶ人が多いという、ノルウェーの引っ越し事情をお伝えします。
レポートするのは、現在、ノルウェーの大学院に在籍中のイラストレーター・スズキカホさん。「ノルウェーに住み始めて約1年弱が経過した契約更新のタイミングで、新しいアパートに引っ越しました」。実際に経験してみてどうだったか、詳しく語ります。

物件探しは業者を介さず自力で、が現地流

FINN.noで部屋探し

筆者が引っ越しを決めた理由は、中心地にも港に近くロケーションがよいことに加え、バストイレつきの1人部屋でありながら家賃はそれほど高くない、という好条件だったから。いちばん仲のよいノルウェー人の友人が近所に住んでいる、というのも大きなポイントでした。

筆者のような学生の場合は、学生協同組合が運営する学生専用アパートから選択するのが一般的。そのやり取りはとてもシンプルです。空室の確認から契約に至るまでメールとオンライン上の契約書で完結します。間取り図と写真のみで判断しなければならないのはちょっと大変でしたが…。

日本では、不動産ポータルサイトである程度目星をつけておき、その後不動産会社経由で内見して契約するのが一般的ですよね。ノルウェーでは家を探すとき、不動産会社経由ではなく、多くの人が「FINN.no」というポータルサイトで家探しをします。

「FINN.no」とはノルウェー最大級のポータルサイトで、住宅だけでなく自動車、旅行、求人などあらゆるものやサービスを探すためのプラットフォームです。ノルウェー人はこのサイトを頻繁に利用していて、もっとも一般的なのは不用品の売り買いです。日本でいうメルカリやジモティーのようなサービスで、「FINN.no」内でユーザー同士が取引を行うことができます。このサイトで仕事探しや、家探しまでできてしまうのです。

不動産を探す際も「FINN.no」を利用して自分の条件に合った物件を探し、オーナーに直接連絡を取って内見や手続きを行うケースが多いようです。もちろん不動産会社がないわけではありませんが、ノルウェー人の友人によると、不動産会社を利用するのは購入のときが多く、賃貸物件を探す場合はこの手法がメジャーだそうです。家探しもスマホひとつでサクッと検索し、いろいろな手続きも個人で行うというのは、スマート社会で自主性の高いノルウェーらしいなと思います。

インテリアにはお金をかけるのに、引っ越し費用は節約

筆者が住んでいるような学生アパートには多くの学生が住んでおり、頻繁に出入りがあります。ほとんどの人は家族や友人に手伝ってもらって引っ越し作業をしています。思い返せば今まで一度も引っ越し業者を見たことがありません。

もちろん、学生なので節約のためという理由もあると思いますが、ノルウェー人では自分たちで引っ越し作業をすることの方が多いようです。社会人の友人も、「引っ越し業者はとても高いし、そこに依頼するくらいだったら自分でレンタカーを借りて家族や友人に手伝ってもらって引っ越しするよ。業者に依頼するのは、よっぽど離れた街に引っ越すとか、大掛かりな引っ越しのときだけかな」と言っていました。

余談ですが、ノルウェーの人たちはインテリアが大好きなので、引っ越しや改築の際に家具を一新する人も多いそうです。そこで不要になったものは先ほどの「FINN.no」で売ったり、無料で引き取ってもらったりするのです。「ノルウェー人はインテリアにはお金をかけるのに、引っ越し費用は節約するんだね」と笑い合ったこともあります。

ガムテープ不要のダンボールに感動

ガムテーブが必要ないダンボール

引っ越し先が決まったら次はいよいよ荷づくり。今回の引っ越しの際に使用したダンボールが画期的だったのでご紹介したいと思います。

一見すると普通のダンボールなのですが、よく見ると変なところが切り取られていて奇妙な形です。各パーツにA、B、Cとアルファベットが書かれており、箱の一面に組み立て方のイラストが書かれています。このイラストどおりに組み立てていくと、この変わった形の意味が分かります。

なんとこちらは、ガムテープが必要ないダンボールなのです。箱の底も丈夫に固定され、上の部分も切り込みをうまく利用することでしっかりと閉じることができます。ゴミが減るので環境にも優しいですよね。この合理的なアイデアにとても感動してしまいました。

ひとりで興奮している私に対してノルウェー人の友人たちは、「ノルウェー、もしくはヨーロッパでは比較的よく見る形だよ」と教えてくれました。筆者は、たまたま学校で余っていたダンボールをもらってきたのですが、ホームセンターやネットなどで普通に買えるようです。このデザインのダンボールが世界じゅうで使われるようになったら、荷づくりや荷ほどきのストレスが軽減されるかもしれませんね。

以前から、ノルウェーの人は便利なものに頼りすぎず、自主的に行動する人が多いと感心していました。今回ノルウェーで家探しと引っ越しをしてみて、改めてそのことを強く感じました。