体験レポート&リサーチ 連載

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押し入れをキッチンに変更。費用は126万、コスト削減の工夫や苦労を語る

完成後のキッチン

上の写真は、日刊住まいライターの別荘のキッチン。以前は押し入れだったスペースをキッチンに大改造しました。かかった費用は126万8705円。コスト削減のために、壁のタイル貼りや塗装はDIYで仕上げを。押し入れをキッチンにした理由や大変だったこと、こだわったポイントなどについて語ります。

「じめじめして寒い」キッチンの移転を決意

筆者は大家としてマンションを経営するかたわら、祖父から受け継いだ古い家を別荘代わりに使っています。場所は東京西部の山奥です。

移転前の旧キッチン

もともとのキッチンは日当たりの悪い北側の部屋にありました。広さは申し分ないのですが、湿気がひどいうえに冬場はとにかく寒いのが難点。おまけに食卓から遠いので、料理を持ったまま廊下と和室を通らねばならないのも面倒でした。

そこで、食卓のある部屋のすぐ隣の和室に目をつけました。

和室の押入れ

カーペットが敷いてありますが、もともとは畳敷きの和室でした。この押し入れ部分にキッチンを移転しようと考えたのです。

押し入れのサイズ

押し入れをからにしてサイズを測ってみると、幅は約2.6m、奥行は0.9m。移転前のキッチンと比べると狭くはなりますが、夫婦ふたりで使うことを考えれば十分な広さです。

キッチンプラン図

キッチンの右側に冷蔵庫置き場を確保して、残りのスペースに合わせて業務用キッチンを組み合わせるプラン図を描きました。

押入れをキッチンにつくり変えるには思わぬ費用も

もともとキッチンではない場所に新たにキッチンを設けるので、想定外の問題もありました。ひとつは押入れの床の強度です。

床に開いた穴

まず、採寸しようとひざをついたらバキッと床が抜けて驚きました。大工さんによると、和室の押入れは構造上、床の強度が低いことが多いんだそうです。これではとてもキッチンや冷蔵庫なんて置けません。大工さんに相談して、床からつくり直してもらうことにしました。

キッチンの配管

もうひとつは配管の延長の問題です。キッチンにはガスや水道などの配管が必要ですが、既存の配管を新しい場所まで延長するのは非常に手間がかかり、費用もかさみます。

配管工事費用一覧

筆者宅の場合、配管工事だけで50万2000円という見積もりが出ました。大家として何度も賃貸マンションのキッチンリフォームを手がけてきましたが、配管の取り回しにこんなに費用がかかったことはありません。移転の大変さを実感しました。

施主支給とDIYで経費のコスト削減にトライ

施主支給したキッチン設備

予想以上に工事代金がかかることもあり、少しでも経費を抑えるための工夫が大事になってきます。そこで、キッチン本体とレンジフードは施主支給することにしました。世田谷の自宅で受け取ってクルマで山小屋まで運びました。

施主支給は安価ですが、期日までに自己責任で商品を手配しなければいけないので、現場が遠いと大変です。

大工工事後のキッチン

大工さんにここまでつくってもらったところでバトンタッチ。

DIY完了後のキッチン

タイルを貼ったり、ペンキを塗ったりしてDIYで内装を仕上げました。

DIYで壁を塗る

かなり経費は削減できましたが、それなりの手間と時間がかかるのも事実。安上がりに済ませるためだけのDIYは、途中でイヤになってしまう可能性もあります。ものづくりが好きで、プロセスを楽しめる方におすすめのやり方だと筆者は思います。

落ち着いた雰囲気のキッチンが完成!

業務用キッチンやレンジフードなどを設置

ここに業務用キッチンやレンジフードなどを設置してもらい、無事に新しいキッチンが完成しました。このあと冷蔵庫やガスコンロなどを設置し、調理器具などを収納したらようやく移転完了です。

コンパクトながら落ち着いた雰囲気のあるキッチンができあがりました。その後、手前に業務用キッチンの作業台を追加で設置して調理スペースを増やしたほか、床やドアなどにも手を入れています。

妻のリクエストで設けたキッチンの窓

いちばんのお気に入りは妻のリクエストで設けた窓。外の緑が見えてとても気持ちがいいです。この窓のおかげで天気や季節がぐっと感じ取りやすくなりました。

リフォームが生活スタイルを変えるきっかけに

キッチン移転費用のまとめ

最後に、工事にかかった費用をまとめてみましょう。合計で126万8705円。内訳は大きく分けて以下の3つになります。

業者依頼分 104万3000円

古い押し入れの解体から新しい床の造作、電気・ガス・水道の工事費です(ちなみに、古いキッチンはDIY作業用の流し代わりに残したので解体・廃棄にかかる費用は含まれていません)。

施主支給分 15万7601円

業務用キッチンの「シンク」「コンロ」「作業台2台」と「レンジフード」の代金が大半を占めています。

DIY分  6万8104円

タイル貼りや塗装などにかかった材料費をすべて合算した金額です。

移転後の新しいキッチン

これら3つを合計した総額が126万8705円だったわけですが、じつを言うと当初予定していた予算は100万円だったので30万円近くオーバーしてしまいました。先ほどもご紹介した配管の取り回しや床の造作に思ったよりもお金がかかったためです。

また、キッチン移転に伴って調子の悪い給湯器の交換(23万3000円)も行ったので、それも含めると全部で150万円近くかかった計算になります。

ただし、この金額はあくまで筆者宅の場合に限った話です。キッチンのグレード次第で金額は大きく変動しますし、移設先の状態次第で造作や配管にかかる費用も異なりますのでご注意ください。

想定外の費用もかかりましたが、個人的には満足しています。食卓からキッチンが近くなったおかげで気持ちのハードルも下がり、料理をする回数もぐんと増えました。リフォームは生活スタイルを変えるきっかけになるのだと実感できた工事でした。

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