収納術

香村 薫香村 薫

片づけが苦手なお宅で見かける「残念な扉」3つ。パターン別に解決策をアドバイス

すっきりと片付いた収納内部

「扉」が開けっ放しだったり、壊れたままだったり、扉の前にものを置いてしまっていたり…。思い当たる人も多いのではないでしょうか。
片づけのプロとしてお客様の家を訪問した際、必ず「扉」をチェックする、と話すのはライフオーガナイザーで家事研究家の香村薫さん。
片づけが苦手なお宅でよく見かける残念な「扉」のパターンを例に挙げながら、具体的な解決策をアドバイスしてもらいました。

1.開けっ放しの扉

開閉回数が多い扉や、両手を使って中のものを取り出すことが多い扉。そんな扉がある場所は、片づけが得意、不得意にかかわらず、扉を開けっ放しにしがちです。筆者はお客様の家で開けっ放しの扉の中を見て、「この中に入っているものは使用頻度が高そう」「この収納はお客様にとって使いやすい高さなのだろうな」などと推測します。

たとえばキッチンとパントリーの間の開き戸がいつも開けっ放し、という方はいませんか?パントリーは「食材を手に持って戻ってくる」という行動が伴うことが多いため、すぐに扉を閉められず開けっ放しになってしまうことが多いのです。

IKEAの断熱ブラインド、HOPPVALS(ホップヴァルス)

そうした場合、扉の代わりにロールスクリーンを取りつけてみるのも手です。ふだんは開けっ放しにしておいて、来客時など見られたくないときだけサッと閉めることができます。IKEAの断熱ブラインド、HOPPVALS(ホップヴァルス)などは税込み3999円と手頃な価格なので、取り入れやすいと思います。

2.壊れて閉まらない扉

壊れて閉まらない扉

片づけに伺ったお宅で、「壊れて扉が閉まらない」状態の引き出しをお見かけすることがあります。非常に使用頻度が高い(壊れるほど扉を開け閉めした)というケースがほとんどです。上の写真はお客様の家のキッチンの食器棚です。直すのが面倒で壊れたまま使い続けていました。

扉を修理して使えるようにするか、思い切って扉を外してしまい、オープンラックとして使うことでアクション数を減らすのがおすすめです。こちらのお宅では壊れた扉は外してしまい、付属のレールも外してオープンラックにし、中にIKEAのSKUBB(スクッブ)という収納グッズを入れて使うようにアドバイスしました。

うまく閉まらない折れ戸

また、折れ戸がうまく閉まらない、というケースもありました。その場合試してみてほしいのが、折れ戸の移動です。こちらのお宅では、折れ戸を窓際に集約し、ものの出し入れがスムーズにできるオープンスペースとして使うようにアドバイスしました。

3.前に荷物が置いてある扉

扉前を荷物で塞いだ状態

片づけに伺ったお宅のキッチンでよく目にする光景です。これはわかりやすく「中のものを使っていない」扉です。もはや中になにが入っているかを覚えていない、ということも少なくありません。

こちらは築10年とまだまだ新しい一戸建て。夫婦と3人のお子さんの5人家族です。妻は平日は朝から夕方までパートで働き、夫は夜勤のある仕事、という背景もあって、夫婦そろって片づけが苦手ということで依頼がありました。

「何年も扉を開けていない」というのは一目瞭然。中からは10年前に賞味期限が切れた小麦粉が6袋、6年前に出産祝いでもらったブランド紅茶の未開封缶が20缶も出てきました。

すっきりと片付いたキッチン

一度置き出すと、気がゆるんで次から次へと扉の前にものを置いてしまうので、まず2週間「とにかく扉の前にものを置かない」ことを徹底し、その後習慣化するようアドバイスしました。

また、扉の中から同じものがたくさん出てくるなど「不安で買いだめしがちな傾向」があったので、実際にどんなものがどれくらいあるのかを見える化できる収納に変更しました。そうすることでムダ買いが減り、扉の前にものを置くこともなくなりました。さらにキッチンの画像を毎日LINEで送ってもらい、扉の前にものを置かない状態をキープするためのサポートもしました。今では家に人を呼んで食事会をするまでになったそうです。

今回ご紹介した残念な3つの「扉」。自分の家のことかも、とドキッとした方もいるかもしれません。ひとつでもあてはまる「扉」がある方は、参考にしてみてください。

●教えてくれた人/香村薫さん
家事研究家/ライフオーガナイザー、株式会社ミニマライフ代表取締役。大学卒業後、トヨタグループのAT・ナビ専門メーカー・アイシンAWに入社、商品企画・統括業務を担当。結婚後には夫と一緒に、モノの適正数を決め、しくみで維持する片づけ方を考案。「トヨタ式おうち片づけ」と名づける。著書は「トヨタ式おうち片づけ」をはじめ多数