暮らしのコツ

香村 薫香村 薫

冷蔵庫を狭いキッチンでなく、リビングダイニングに置くのも手。どんな場合が便利?

香村さん宅のキッチン

冷蔵庫の置き場所選びは悩みのタネ。リビングから丸見えになったり、アクセスのよさから必要以上に家族に開け閉めされたりすることも…。

冷蔵庫の位置によって動線は変わります。それにより、メリットとデメリットが生じることに。ライフオーガナイザーで家事研究家の香村薫さんも、試行錯誤を経験してきました。現在はキッチンの奥に配置していますが、「場合によっては、狭いキッチンに収めなくてもいいこともある」といいます。詳しく解説します。

冷蔵庫をキッチンの入口近くに置くと家族がアクセスしやすい

香村さん宅のキッチンの間取り図

まずは筆者宅のキッチンの間取り図をご覧ください。入居してすぐの頃はなんの疑問も持たずに、間取り図どおり冷蔵庫をキッチンの入口近くに置いていました。それから10年ほどはずっとこの位置に置いていました。ここに冷蔵庫があると家族が冷蔵庫にアクセスしやすく、飲み物などを取りに行きやすいのがメリットでした。

また、買ってきた食材を冷蔵庫に入れるときも、キッチンに入ってすぐの場所なので、サッと入れやすく便利でした。

冷蔵庫の中が丸見えに

一方デメリットは、だれかが冷蔵庫をあけると、リビングから冷蔵庫の中が見えてしまうことです。筆者宅では、来客時に子どもが「喉が乾いた」と冷蔵庫を開けると、冷蔵庫の中が丸見えになってしまい、毎回恥ずかしい思いをしていました。

キッチンの奥に置くとリビングから丸見えにならず、開閉する回数が減る

キッチンの奥に冷蔵庫を配置

冷蔵庫の中が丸見えになってしまうというデメリットがどうしても解決できなかったので、思い切って冷蔵庫を移動させる、という対策を取ってみました。冷蔵庫をキッチンの奥に配置したことで、リビング側から冷蔵庫の中が見えづらくなり、ほっとしました。

冷蔵庫がキッチンの入口近くにあったときは、いま思えば頻繁に冷蔵庫を開けて食べたり飲んだりしていました。でも、キッチンの奥に配置してからは、冷蔵庫まで行くのが少し面倒になり、冷蔵庫を開閉する回数がグッと減りました。これは当初デメリットだと思っていたのですが、この配置にしてしばらくして、体重が2kg減っていました。知らない間にダイエットもできていたようです(笑)。

扉を開けた冷蔵庫

一方デメリットは、筆者がコンロ前に立って調理をしているときに家族が冷蔵庫を開けづらいこと。また、冷蔵庫の右側に壁があると、右のドアポケットが全開できないのが難点です。

キッチンが狭い場合はリビングダイニングに冷蔵庫を置くという手も

キッチンの外に冷蔵庫を配置した間取り図

筆者宅が数年前に冷蔵庫を買い替えたとき、いちばんのポイントはキッチンに冷蔵庫が入るかどうか?ということでした。5人家族で食べ盛りの子どもたちがいる筆者宅は、とにかく容量の大きな冷蔵庫がほしかったのですが、キッチン入り口の幅(上記画像の赤線部分)が69㎝だったので、仕方なく幅と奥行が67㎝以下という条件で探しました。

その頃は冷蔵庫は絶対にキッチンの中に入れなければ、と思い込んでいたのですが、いま購入するなら、キッチンの外(黄色く塗りつぶした部分)に置くという方法もあったのかなと思います。

冷蔵庫をあえてキッチンの外に配置した事例

筆者は仕事で、片づけのサポートを行っています。その際、冷蔵庫をあえてキッチンの外に配置した、という事例がいくつかあります。上記のお宅ではキッチンが狭く、冷蔵庫とキッチンを対面に置くと冷蔵庫が開けづらい、という状況でした(図の左端)。でも、冷蔵庫の向きを90度回転して配置してしまうと、キッチン内に収納棚を置けなくなってしまいます。その動線の悪さがきっかけとなり、キッチンとリビングが荒れやすくなってしまいます。

そこで、冷蔵庫をリビングダイニングに配置することを提案しました(図の右端)。本来キッチン内にあるべき冷蔵庫をキッチンの外に置くと、動線が悪くなるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実際やってみるとそうでもありません。

「冷蔵庫から出したものは冷蔵庫に戻す」という習慣が身についている方が多いので、その点は意外に問題がありません。また、食事中に飲み物や調味料などを出す際は動線が短くなるので、家族が手伝いやすいというメリットもあります。デメリットはリビングダイニングのスペースが狭くなることです。

キッチンの動線がイマイチだと感じている方は、最優先にしたいことを明確にし、冷蔵庫の配置を変えることも検討してみてはいかがでしょうか。

●教えてくれた人/香村薫さん
家事研究家/ライフオーガナイザー、株式会社ミニマライフ代表取締役。大学卒業後、トヨタグループのAT・ナビ専門メーカー・アイシンAWに入社、商品企画・統括業務を担当。結婚後には夫と一緒に、モノの適正数を決め、しくみで維持する片づけ方を考案。「トヨタ式おうち片づけ」と名づける。著書は「トヨタ式おうち片づけ」をはじめ多数