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トリップトラップ、ストレスレスチェアはノルウェー生まれ。愛され続ける理由とは

Tripp Trapp(トリップトラップ)という名前のイス

ノルウェーの大学院に在籍中のイラストレーター・スズキカホさんが日々の暮らしでひそかに楽しみにしているのは、変わったデザインのイスを見つけること。友人宅や街中のベンチ、図書館やショッピングモールなどに設置されたイスは、おもしろいデザインのものが多いといいます。スズキさんがノルウェーで出会った個性的なイスやおしゃれなイスについて語ります。

ノルウェー人のほとんどはトリップトラップとともに育った?

日本でも人気の高いSTOKKE(ストッケ)のTripp Trapp(トリップトラップ)という名前のイス。ノルウェー人の友人たちによると、子どもの頃に幼稚園・保育園や家庭でよく使っていたそうです。何人かで話をしていたとき、だれかがその名前を挙げるとすぐ「なつかしい!」と共感し合っていました。

このイスは1972年にノルウェー人デザイナー・Peter Opsvik(ピーター・オプスヴィック)によってデザインされたもので、子どもの成長に合わせて高さや奥行を変えられるのが特徴。現在ではたくさんの国で販売されているベストセラー商品です。もちろんノルウェーでもよく使われています。

日本には、名前を挙げただけでみんなが盛り上がるようなイス、というのはなかなかないのではないでしょうか。子どもの頃からこんなにかわいいイスを毎日使っていたなんてうらやましいですね。

日本でおなじみのリクライニングチェアもノルウェー生まれ

Stressless chair(ストレスレスチェア)

Tripp Trappの次に友人たちから名前が挙がったのが「Stressless chair(ストレスレスチェア)」。体重をかけるだけで自動的に背もたれが倒れるリクライニングチェアです。今では当たり前のように目にするこのタイプのリクライニングチェアはノルウェーの家具メーカーEKORNES(エコーネス)社がデザイン・開発したそうです。

「ストレスレス」という名前のとおり、「テレビを見ながら1日の疲れを忘れてくつろげるチェアを」という思いからつくられたというこのイス。リラックスする時間を大切にするノルウェー人らしい発想だなと思います。長く厳しい冬の時期、ノルウェーの人々は家の中でくつろぐ時間をとても大切にします。そんな彼らが、このイスを愛しているのは、とても納得できます。

ちなみに、先日遊びに行った友人の実家にもストレスレスチェアがありました。背もたれを倒し、足を伸ばして友人と一緒に映画鑑賞したのですが、それはそれは快適な時間でした。コロナの影響でおうち時間がふえた今、自宅にこんなイスがあったら楽しく過ごせそうです。

街中にも面白いデザインのイスやベンチがいっぱい!

大きな階段のような形をした座るスペース

ノルウェーには、家の中だけでなく公共の場や屋外にも個性的なデザインのイスやベンチが数多くあります。たとえば、私が住む街の図書館には、本棚と本棚の間に大きな階段のようなスペースがあり、段差を利用して自由に座ることができます。好きな場所に、好きなように座れるので、子どもや学生に人気です。

子どもの絵本コーナーのイスもカラフルで、まるで公園の遊具のようなデザイン。日本の図書館とはイメージがだいぶ違うかもしれません。

街中ではユニークな形のベンチをよく見かけます。そもそも、ノルウェーは屋外のベンチの数がとても多いと感じます。大きな公園やバスの停留所の近くなどはもちろんのこと、「なぜここに?」と思ってしまいそうな山の中やだれもいない丘の上などにポツンとベンチが設置されていることも。

ノルウェーで暮らしていると、気軽に座って休憩できる場所があちこちにあり、とても気に入っています。スタンダードなベンチももちろんありますが、机とイスが合体しているもの、階段と一体化しているもの、目がさめるような鮮やかな色のものなど、思わず写真を撮りたくなるようなものばかり。

ふらりと散策するだけで、個性的なデザインのベンチにたくさん出会うことができます。デザイン大国のノルウェーでは、イスのデザインにも文化や国民性がよく現れているなと感じています。