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リフォームのチラシの「別途工事費」とは?注意したいその中身を元営業マンが語る

リフォーム工事中のイメージ

リフォーム工事のチラシにある、概算金額の横に小さく書かれた「別途工事費がかかる場合がございます」という文言。一体どのような内容で、どのくらいの費用なのでしょうか?

たとえば、リフォームで食洗機を導入したとしましょう。すると、ブレーカーの増設工事や、専用回路の増設ために天井を開口したり、クロスを貼り替えたりといった想定外の作業が発生するケースがあります。

別途工事費とは、こうした想定外のコストのこと。リフォーム会社に営業として4年間勤務した経験を持つ日刊住まいライターが、現場で発生頻度が高かった「別途工事」の内容について語ります。

設備を新規導入した際の電気工事

食洗機
食洗機、IHコンロ、浴室乾燥機といった便利な設備を新しく導入するためにリフォーム工事をする、という方も多いのではないでしょうか。こうした消費電力が大きい設備には、専用回路が必要となります。

専用回路とは、簡単にいうと専用のコンセントのこと。分電盤(ブレーカー)にはいくつもの子ブレーカー(スイッチのような見た目です)がついていて、それぞれが各部屋のコンセントにつながっています。たとえば食洗機を新しく導入する場合は、食洗機専用の子ブレーカーが必要になります。

分電盤に予備の子ブレーカーがあればそれを使えますが、なければ分電盤を大きなものに交換、もしくは子ブレーカーの増設工事が発生します。分電盤の交換は5~8万円程度、子ブレーカーの増設は1~3万円程度を見込んでおくといいと思います。

以前担当したお宅では、専用回路の増設が必要になった際の費用を抑えるために、子ブレーカーの増設を希望しました。子ブレーカーの増設は、小さなボックスのような形状のものをブレーカーの横に設置する形となります。

ですが、そのお宅では、分電盤がつり戸棚の中にぴったり収まる形で設置されていて、子ブレーカーを増設するスペースがありませんでした。結果、やむを得ず分電盤ごと交換することに。新しく設備を導入する際は、自宅の分電盤の状態をチェックしておくことをおすすめします。

専用回路の経路によって内装工事が発生することも

分電盤

専用回路の工事に関連して内装工事が必要になる場合もあります。専用回路を増設する場合は、分電盤から設置場所まで配線する必要がありますが、できれば配線は見えないようにしておきたいもの。

点検口などがあって簡単に壁裏や天井裏に通す「隠ぺい配線」ができれば問題ありませんが、分電盤と設備の設置場所が離れている場合は、天井や壁を開口することもあります。

そこで発生するのがクロスの貼り替え費用。食洗機を新規導入する際、分電盤が玄関にあり、キッチンまで配線するのに廊下を通るというケースもよくあります。その場合、廊下の天井やキッチンの壁を開口することになり、当初予定になかったクロスの貼り替え費用が発生することも。また、天井だけがきれいだと、そこだけ浮いてしまうので、やっぱり壁のクロスも張り替えたい、となる場合もあります。

以前担当したお宅がまさにそのケース。広い範囲のクロスの貼り替えが発生しそうになりました。でも、ちょうどいい場所にいくつかダウンライトが設置されており、そこを利用してうまく隠ぺい配線ができ、クロスの貼り替えが不要になりました。

隠ぺい配線の可否は、点検口や照明の有無にも左右されるので、現地調査の際によく確認しておくといいと思います。

壊してみないとわからない、床裏や壁裏の腐食

古い浴室のイメージ
水回り、とくに浴室で発生しがちなのが、解体してみて初めて判明する基礎部分の腐食です。とくに、在来工法の浴室ではタイルのひび割れ部分から床裏に水が漏れて基礎が腐食していた、というケースがよくあります。

そんなときは、やはり基礎の補強工事が必要に。でも、腐食の範囲や、これを機に耐震補強もしたほうがいいかどうか、といったことは、現況を見てからでなければわかりません。工事の規模や金額の予測がつきにくいのが現実です。

以前担当したお宅で浴室を解体した際、基礎の一部が腐食していました。そのお宅は築年数が経過していて、既存の状態だと耐震強度が十分ではありませんでした。そこで、これを機に耐震補強工事も行いたい、と希望され、10万円以上の追加工事費用が発生しました。一戸建てのリフォームの場合は、解体時に腐食などが発見された場合の概算見積もりを取っておくと、安心材料になると思います。

漠然としていて、内容や金額に不安を抱きがちな「別途工事費」。こうして具体例を知っておくことで少しでも安心し、前向きにリフォームに取り組むことができるのではないでしょうか。

画像/PIXTA