巨大な丸太の家?ユニークな住まいを集めた「HOUSE VISION 2016」に行ってきました
日本の高齢化・人口減少が唱えられ始めて久しいですが、これから先、どのような家に住めば良いのか、具体的にイメージできている人は少ないと思います。
これからの時代、どのような家を持つべきなのか?
その答えを探るべく、企業と建築家・クリエイターとが協力し、家のありかたを考える「HOUSE VISION 2016」にお邪魔してきました。
■ユニークな「家」が集まる展示会

HOUSE VISION 会場構成
「原研哉氏が発起人となり、「新しい常識で都市に住もう」という理念を、研究会、シンポジウム、書籍、展覧会などさまざまな方法で発信している「HOUSE VISION」。
「HOUSE VISION」は2011年に原研哉さんが提唱した思想です。
日本の都市空間の最小単位として住宅があって、これからいろいろなテクノロジーが生まれてくる中で、人間と環境と技術が一緒にどう歩んでいくかというところから生まれたものです。
展覧会は建築関係者だけでなく、多くの方が足を運ぶ展覧会となっています。
ユニークな展示が沢山あり、驚くような最新技術に触れることができますよ。
■凸版印刷で木の質感を再現した「木目の家」

「木目の家」 原研哉×凸版印刷 会場の入り口 photo by masahiro katsuki
こちらの「木目の家」、どう考えても普通では考えられないでたらめな大きさですよね。
実はこれ、凸版印刷の最先端のテクノロジーを採用した木の質感を持ったプリント化粧材なんです。

内部空間 天井のエッシャー photo by masahiro katsuki
内部空間にはLED光を透過させて、プリント技術を用いて木材から文字が写し出されます。
1番驚かされたのは床材で、何も言われなければまったく気づかない精度の木目のプリンターで構成されたフローリングで構成されています。

プリンターで出来たフローリング photo by masahiro katsuki
まさに小さな迷宮に迷い込んだような錯覚にとらわれました。
■ 共用部分が外部にあるシェアハウス「賃貸空間タワー」

「賃貸空間タワー」 藤本壮介×大東建託 外部空間と共用スペース photo by masahiro katsuki
こちらの「賃貸空間タワー」を手掛けたのは、若手建築家の藤本壮介と大手建設会社の大東建託。
前衛芸術家とハウスメーカーという建築業界の常識では考えられない組み合わせです。
通常のシェアハウスは、内部空間に共用スペースがあり、屋内にキッチンやトイレなどの水廻りがあるのが基本ですが、この建物では、外部に共用部分があります。

共用外部空間の蚊帳 photo by masahiro katsuki
「賃貸住宅を再定義する」という名目で建てられたこちらのシェアハウスは、共用部分を外部に向けることで開放的でより豊かな空間を生み出しています。
プライベート空間と共用空間を明確にわけることで気持ちのいい賃貸住宅となっています。
■内と外の間/家具と部屋の間 五十嵐淳×YKK AP
「内と外の間」は窓の家と言っても良いでしょう。
五十嵐淳さんは、今までは考えられない窓に機能を取り付けて、空間の可能性を探りました。

内と外の間/家具と部屋の間 五十嵐淳×YKK AP 建築模型
窓は機能をもった不思議な開口部として形成され、そこに空間と機能を同時に生み出す家具が作られています。
内部空間に入ると、内部の窓から外部の窓へ、空間が放射線状に広がっていくようでした。

内と外の間/家具と部屋の間 五十嵐淳×YKK AP 内部の窓・キッチン
■他にも魅力的な展示が沢山!
いかがでしたか?
HOUSE VISIONとは、日本人の暮らし方を具体的に提示するために作られた情報発信と研究のプラットフォームでもあります。
それがバランスよく専門家、企業、それを利用する一般の人が相互に交流できる場所になっていると感じました。
展示は全部で12箇所ありますが、今回は3つの展示を取り上げてご紹介しました。
他の展示物もとても魅力的なものとなっています。
興味がある方は、ぜひ現地に足を運んでみましょう!