家族トラブルを回避!「分離型・二世帯住宅」購入時の注意点とは?

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昔、「ダブル・キッチン」(1993年)というタイトルのテレビドラマがあったのを覚えていますか?
二世帯住宅を舞台にした激しい嫁姑バトルが話題をよび、高視聴率を記録。
ドラマを見て「二世帯住宅だけは避けたい」と思った人も多いのでは。
けれども、子育ての環境や経済面などを考えると、魅力が多いのも事実です。
今回は、二世帯住宅を購入するときのポイントや注意点についてご紹介します。
■ひとくちに「二世帯住宅」といっても様々なバリエーションがある
二世帯住宅でまず考えたいのは、世帯間の距離のとり方。
大きく分けて、2つあります。
「分離型」・・・暮らしに必要な機能のすべて、あるいは多くを、世帯別にそれぞれ設ける
「共有型」・・・機能のほとんどを、二世帯でシェアする
ここでいう「機能」とは、玄関やリビング、キッチン、浴室、トイレなどのことです。
分離と共有のバランスは各家庭によってバラバラですが、生活の中心となるキッチンやリビングが別ならば、「分離型」といえるでしょう。
では、ここからは、分離型に注目してみましょう。
分離型の場合は、スペースをどう分けるかもポイントになります。
「上下分離型」・・・一戸建てで見られる形。親世帯が1階で、子世帯が2階というパターンが多い
「左右分離型」・・・マンションや敷地が広い一戸建てで見られる形

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筆者は取材で、玄関も含めすべてが別という「左右分離型」の一戸建てを訪ねたことがあります。
二世帯間は唯一、隣り合った玄関ホールに設けられたドアで行き来できるスタイル。
完成間際になって「そのドアに鍵をつけるかどうか」で親子間がもめたと聞きました。
分離型では、こういった接点の持ち方、お互いの関わり方が課題となります。
事前の、腹を割った話し合いが重要です。
■意外な盲点!? 二世帯円満のポイントは……「音」だった!

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分離型の場合は、面白いことに「分かれているからこそ相手が気になる」という心理も働きやすくなります。
とくに注意したいのが、音です。
「左右分離型」ならば、二世帯が接している部分の壁を防音仕様(遮音、吸音)にしてもらいましょう。
過ごす時間が長く、音も出やすいリビングが隣の世帯と接しているなら、その面だけでも十分です。
「上下分離型」ならば、2階の床を防音仕様にしてもらいましょう。
足音や椅子を引く音、掃除機の音、子どもが走る音……など、左右分離型では気にならない音も、階下には大きく響く可能性があります。

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難しければ、2階リビングの床だけ防音にしてもいいですし、せめて防音効果のあるマットや厚いラグを敷くくらいは配慮したいものです。
ダイニングの椅子の脚にも、防音グッズを取り付けましょう。
また、親世帯と子世帯では、生活時間にずれがある場合が多いと思います。
1階親世帯の寝室部分は平屋にするか、2階をつくるにしても納戸など、人の出入りが少ない空間にしたいものです。
そうでなければ、1階寝室の上になる部屋の床は、やはり防音仕様を検討してみてください。
■家族の人数は変化するものだから……。具体的な将来設計も忘れずに!

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分離型の場合は、暮らしに必要な機能が共有型の2倍存在することになります。
将来、どちらかの世帯側を使わなくなる可能性もありますね。
その場合の活用方法や、リノベーションなどについても最初から考えておきたいものです。
いかがでしたか。
ドラマのようなバトルが発生しないように、工夫してみてくださいね。