共有型「二世帯住宅」購入のポイントは「気持ちはゆるく、ルールはきっちり」!

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あなたは「二世帯住宅」と聞いて、どのような言葉を思い浮かべますか?
「窮屈」「嫁姑バトル」というネガティブな言葉でしょうか。
それとも、「経済的」「賑やか」などポジティブな言葉でしょうか。
もしポジティブなほうならば、二世帯住宅、なかでも「共有型」が合っているのかもしれません。
今回は、この共有型二世帯住宅のポイントについて書いていきます。
■共有型二世帯住宅に住むと決めたら、気持ちは「ゆるめ」で

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そもそも、二世帯住宅の「共有型」とは、どういうものでしょうか。
二世帯住宅には、大きく分けて2種類あります。
暮らしに必要な機能のすべて、あるいは多くを、世帯別にそれぞれ設ける「分離型」。
それに対して「共有型」は、機能のほとんどを二世帯でシェアするスタイルです。
ここでいう機能とは、玄関やリビング、キッチン、浴室、トイレなどのこと。
分離と共有の中間のような形もありますが、生活の中心となるLDKを二世帯でシェアするのならば、共有型といえるでしょう。
共有型二世帯住宅に住む場合は、分離型に比べて、世帯同士が「仲良くしなければならない」「我慢するのが当たり前」という考えになりやすいと思います。
このような義務感は、自分にプレッシャーをかけ、相手にもプレッシャーをかけることになりかねません。
「仲良くなれたらラッキー」「我慢できないところがあってもいい」と割り切ってみましょう。
もともと二世帯住宅にポジティブなイメージをもっていたとしても、頑張りすぎず、少しゆるいくらいがちょうどいいように筆者は思います。
■ポイントは分離!? 共有型だからこそ別に設けたいものとは

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頑張りすぎないためには、気兼ねなく使える空間を少しでも設けるのがポイントになります。
一戸建てで、1階にすべての機能と親世帯の寝室があり、2階に子世帯の寝室や子ども部屋を配置するケースを例にしましょう。
まず提案したいのは、2階トイレです。
そして、2階の配管工事をするのならば、子世帯用のミニキッチンも検討してみてください。
親が寝たあとの夜食や、夫婦でちょっと飲みたいときなどに便利です。
2階ホールを少し広めにとって、小ぶりの流し台とカウンターを設置し、ミニ冷蔵庫や電子レンジを置けば充分。
家族の人数が多い場合は、洗面台や洗濯室を2階にも設けるのもおすすめです。
ただ、洗面に関しては、1階の洗面台をダブルボウル(洗い場が2つ)にすれば、朝の身支度に手間取ることはないでしょう。

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このほかにも筆者は取材で、1階親世帯の寝室にミニキッチン、2階にセカンドリビングやシャワールームを備えた二世帯住宅なども見たことがあります。
セカンドリビングは個室をコンパクトにすることで実現できたもので、友達が遊びに来たときにも重宝するとのことでした。
子世帯の友達が来ても、親世帯は1階リビングでくつろげますからね。
また、ちょっとしたことですが、二世帯の名字が違う場合は、郵便受けを分けて設けたいものです。
■生活費はどちらのお財布から出す? 最低限のルール作りを

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分離型ならば水道光熱費に関わるメーター類を別にすることもできますが、共有型の場合は難しいですよね。
家を買うときにかかる費用だけでなく、生活費の負担についても初めから決めておきましょう。
また、生活のシミュレーションを行って、ある程度の役割分担やルールを決めておくほうが、気持ちよく暮らせると思います。
「家族なのだから、ルールなんて堅苦しい」と感じるかもしれません。
でも、財布が複数あり、主人とよばれる人が2人、主婦が2人という家庭では、何が火種になるかわかりません。
だからこそ、予測できる部分に関してはクリアにしておくことをおすすめしたいのです。
気持ちは「ゆるく」、ルールは「きっちり」がいいと思います。