柴門ふみさんインタビュー!「イヌって、永遠に3歳のままの子どもと同じ」【ペットと暮らす】
あなたは「ペットを飼いたい」と思ったことはありますか?
また、どうしてそのように思ったのでしょうか。
ペットを飼うと、生活は大きく変わります。
ペットを迎えるということは、新しい家族を迎えるのと同じ。
ペットと過ごすことで人生が変わった著名人に、どうしてペットを飼いたいと思ったのか、ペットを迎えたことで生活はどのように変わったのかをインタビューしました。
今回は、「東京ラブストーリー」や「あすなろ白書」など数々のヒット作を生み出した漫画家の柴門ふみさん。
愛犬リンコとの出会いを語ってもらいました。
■子どもが独立した寂しさを埋めてくれた、愛犬リンコ
50歳を過ぎて、イヌを飼い始めたという柴門さん。
子どもが独立し、世話をする対象が欲しかったというのがその理由だそう。
愛犬リンコの行動は幼い頃の息子とそっくりと、愛情たっぷりの笑顔で語ってくれました。
「リンコがやってきたのは2013年12月のこと。夫とたまたま入ったペットショップでリンコと目が合ったときには、“この子だ”って、運命的なものを感じました」
柴門さんがペットを飼いたいと思い始めたのは7年ほど前、下の子が大学を卒業したとき。
「2人の子どもたちが独立して手が離れ、言いようもない寂しさを感じました。
家庭菜園も試してみたけど、反応がなくてイマイチのめり込めない。
やっぱり、イヌかネコか、世話をする動物を飼いたいと強く思うようになったのです」
イヌにするか、ネコにするか……。
それぞれのメリットやデメリットをあれこれ検討していたものの、イヌを飼う友人のあるひと言で、気持ちが決まったといいます。
――イヌって、永遠に3歳のままの子どもと同じ――
「私にとって、子育てしていた頃が、最も幸福な時期でした。そんな時期が永遠に続くなんて、夢のようだと思いました」
■ペットと暮らすことで変わった、生活
リンコが家族になってからの柴門さんは、朝6時半に起床。
リンコを連れて公園で散歩をし、帰宅後は、まずはリンコのご飯の用意。
それから自分も朝ご飯を食べてメイクや家事をし、10時~17時の間は、自宅内の仕事場で仕事をします。
「仕事中も、リンコは足元で寝そべっていたり、“遊んで、遊んで”とせがんだり……」
夕食を終えてひと段落すると、リビングのソファに並んで座り、好きな映画やドラマを見たり。
「家の中で、いつもリンコは私のあとをついてきます。
ふと、息子が3歳の頃と同じだなと、当時の感覚がよみがえって。
息子に、『子どもの頃、どうして私のあとをついて回ってたの?』と聞いてみたら、『お母さんのあとをついて回ったら、面白いことがありそうだと思ったんだよ』ですって。
息子は不思議と、幼い頃のことをよく覚えているんです。
リンコも、私のあとをついていけば、おやつをもらえたり、遊んでもらえたり、何か面白いことがあるかもと思っているのかもしれませんね」(笑)
「ここに生活の基盤があるという充実感。リンコと日々向き合いながら、私は何かの世話をしていないと、生きていないんだと実感しています」
【柴門ふみさん プロフィール】
漫画家。1957年徳島県生まれ。‘79年に漫画家デビューし、『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』(ともに小学館刊)など、数々のヒット作を生み出す。
現在は夫、愛犬リンコとともに東京都武蔵野市に暮らす。1男1女の母
撮影/山田耕司