(前回までのあらすじ)
8年前に購入した、都内築39年(昭和51年築)の中古戸建てをリノベしようと、奮闘する僕たち一家。
耐震工事で区からの助成金を生かしつつ、自分たちらしい我が家を目指しています。
今回は、フローリングについて。
フローリング貼りが始まった、と思ったら突如トランプが登場した理由とは?
また、仕上げに「ワトコオイル」を選んだ理由についてもお伝えしたいと思います。
※ 【アラフォーカメラマンがゆく!自宅リノベ奮闘記】今までのシリーズを見てみる
■階段の組み方と、土間壁のデザインを現場でどう落とし込む?
前回の壁の色選びの後、忙しい鈴木さんは大工さんともなにやら打ち合わせ。
どうやら階段の組み方と、土間壁のデザインを現場でどう落とし込むかを説明しているようです。

鈴木さんがスケッチしながら大工さんに説明中。

大工さんは「そんなのできないよ」とブツブツ言いながらも、採寸して答えを見つけていきます

鈴木さんの玄関土間のスケッチ。なんだかおしゃれ!さらっと描けるのがかっこいいです!
横で聞いていても、鈴木さんと大工さんの会話はさっぱりわかりませんが、餅は餅屋。
このスケッチがどのように出来上がっていくのか、楽しみです。
■トランプが登場した驚きの理由とは?
さて、3月下旬になると、1階の壁には石膏ボードが貼られ、あとは珪藻土を僕たち家族が塗るまでになってきました。
とはいえ、2階に上がる階段はまだ取り付けられていないので、その作業は今しばらくお預けです。

写真右側のグレーの壁は、倉庫や体育館の壁や天井に使われる、木くずをセメントで固めた木毛セメント板。「ホントにそんなもの使うの?」と思われる素材を敢えて取り込んでみました
3月28日、フローリング貼りが始まりました!
と、現場には最近までなかったトランプが!?
ん? 職人さんたちが休憩中にトランプ遊びでもするために持ち込んだのでしょうか?
実はこのトランプ、短冊状にスライスされています。
遊ぶためではなく、フローリングを張り合わせる際に差し込むためのものなのでした。

短冊状のトランプを挟み込むところ

ちょっと不思議な感じがしますね
なぜこんなことをするのかというと、3月下旬は大分暖かくなってきたとはいえ、冬を経て木がまだ乾燥しているシーズン。
これが梅雨時になると湿気を含んでフローリングの板が膨張してくるので、その分のゆとりを作るためなのだそうです。
こうした何気ないひと手間が、木って生きているんだということを再確認させてくれます。
大工さんによれば普通はもっと薄い紙を挟み込むそうなのですが、この床材は未塗装でオイルは最終的に僕たちが塗っていくので、現場監督の歌田さんがその膨張分も考慮して、厚みのあるトランプにしてくれたようです。
■武道場用に開発された「ワトコオイル」を選んだ理由

musapoo / PIXTA
フローリング材は、現場搬入時には既にオイル塗装が施されている製品がほとんどだそうで、大工さんからは、
「未塗装だと素手で触ったら指紋の跡がついちゃうじゃないか! 冬だからまだいいけど、一度ついた汗や油は落ちないんだから……」と、かなり嫌がられながらの作業に。
面倒な施主で、ホントにすみません……。
フローリング塗料はいろいろありますが、今回はワトコというオイルを使ってみようと決めていました。
ワトコオイルは、元々はヨーロッパ生まれなのですが、日本では剣道場など素足で競技する武道場向けにベアーフットオイルというオリジナル商品が販売されています。
このオイルの営業担当者である北三の白井幸喜さんと、あるご縁で知り合い、商品への熱い思いをたっぷりと伺ったことがありました。
商品の詳細はHPに譲るとして、僕が魅力に感じたのは、白井さんの
「保育園などのフローリングに使ってもらうと、床が気持ちよくて園児がコロコロしてます。武道場用に開発されているので素足で歩いていて突っ張らず滑りすぎず、適度な滑り具合です。これはいいオイルですよー!」
という言葉でした。
そこまでオススメされたら、塗ってみたくなるのが人情というもの。
スタイル工房の鈴木さんと田邉さんからはワトコオイルを選んだことを珍しがられましたが、それはこういった理由なのでした。
ちなみに同様の商品だと、ドイツのオスモカラーが有名です。
フローリングの塗装はちょっと先ですが、その様子も近いうちにレポートさせてください。
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【参考】
※ ワトコオイル