就職した子どもと「一緒に住む」のはアリ or ナシ?両親たちのホンネとは

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就職している子どもと一緒に住むことをどう思いますか?
経済的理由などから、大人になっても親と同居している若年未婚者は珍しくありません。
2012年に発表された総務省のデータによると、若年未婚者(20~34歳)の約半数が親との同居を選択しています。
さらに親と同居の壮年未婚者(35~44歳)の人口は年々増加傾向にあり、
2012年では35~44歳の人口の約16%(305万人)が親と同居の未婚者であることが明らかになりましたが…。
学業を終えた子どもと一緒に住み続けることって、世間体や子どもの自立など、親たちはどのように考えているのか気になりませんか?
■就職した子どもと同居するメリットとデメリット
「東京ガス都市生活研究所」の調査、「就職している子どもと一緒に住むことに対する意識」によると、就職した子どもと一緒に住む親で「世間体がよくない」と感じる人はほとんどいないことが分かりました。
その理由の多くは”子どもの経済面での不安”。
確かに同居した方が、住居費や光熱費はかからず、食事もきちんと摂ることができますよね。
同居することに、”金銭的な合理性”を感じていること、そして友達親子と言われるように、
大人になっても週末の行動を共にする親子も多いことから”家族の絆”や”さびしくない”というメリットも感じているようです。

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同居することで親が感じているデメリットを見てみましょう。
子どもが就職したとしても家事への協力はあまり期待できないため、”子どもが経済的にも精神的にも自立しない”と親自身が感じており、特に母親は”家事がラクにならない”と感じているよう。
同居を続ける子どもの中には、就職しても家に全くお金を入れていないという子どももおり、これでは親の負担はずっと続くばかりなのでは?と思ってしまいます。
それでも「子どもが出ても出なくてもどちらでもよい」と考えている親が半数以上にのぼるのは”絆”を大切にするという今の時代の傾向。
子どもが結婚するまでは同居する、という”大人だけで構成された家族”は今後は珍しくなくなるかもしれません。
■パラサイトにならないためには

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子どもと同居するということは、自分の子どもを「パラサイト・シングル」にしてしまう危険があります。
結婚という意識から遠のかせてしまい、少子化にも繋がってしまいます。
もちろん同居しながら、家事もこなし、介護をしたり、親の生活を金銭的にも支えてくれている子どももいるでしょう。
大人になった子どもと同居することを即パラサイトと呼ぶのはちょっと違うと思いますが、
自分の子どもにも家族を持って欲しい、自立して欲しいと思うこと、そしてお互いが大変なときに本当に助け合える親子関係こそパラサイトではない、”絆”の感じられる真の家族の形といえるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
就職したとしても、小さい頃から身の回りの世話をしてくれた存在と一緒に住むということは、”甘え”を継続させるものと筆者は思っていましたが、現代では親との同居が”家族の絆”を感じるという解釈があることに驚きました。
確かに、結婚後の人生を考えると家族が一緒に過ごせる時間はごくわずか。
「パラサイト・シングル」と呼ばれてしまう時代とは違い、限られた時間を一緒に過ごしたいという家族は今後も増えると言われおり、”新しい家族の形”として認識されるかもしれませんね。
【参考】
※ 都市生活レポート『 大人ファミリーのライフスタイル~「両親+社会人の子ども」からなる家族の暮らしと住まいづくりの実例~ 』を発行