ちょっと待って!あなたの家に本当に必要ですか?【カウンターテーブル編】

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唐突ですが、想像してみてください。
あなたは注文住宅を建てることになり、今から設計担当者と打ち合わせを始めます。
さて、間取りはどのような感じで、どこに何が必要だと話しますか……?
この「ちょっと待って!」シリーズでは、家づくりに存在する従来の“当たり前”や“流行”について、あえて疑問をもって迫っていきます。
今回取り上げるのは、キッチンの「カウンターテーブル」です。
■誰もいないキッチンを見ながらの食事やティータイム…、それってアリですか?

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昔はどちらかといえば、“隠すところ”というイメージのあったキッチン。
今はキッチンを独立空間として考えるよりも、LDKという大きな生活の場の一部として捉える傾向にあると思います。
そのスタイルも壁付けから、ダイニングやリビング方向に向いた対面式が主流になってきています。
筆者の取材でも、新築の戸建て住宅についていえば、かなり高い確率で対面式になっています。
オープンキッチンも含めた対面式の場合は、壁付けに比べて必要な面積が広くなりますが、それでもメリットのほうが大きいのだと思います。
対面式キッチンにした方からは、「炊事をしながら、子どもの様子やテレビが見える」「家族と会話がしやすい」といった声をよく聞きます。
そして、そういった住宅で時おり見かけるのが、キッチンの対面に作られたカウンターテーブルです。

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ダイニングテーブルが別にあっても、「朝食や軽食用スペースとして使う」とのことでした。
見た目も、カフェのカウンターのようでオシャレです。
つくったものをサッと出せて、片付けもラクそうですよね。
■実は意外に活用されていない!? ついつい物置きスペースになってしまうケースも…

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しかし、こうしたカウンターは実際は食事にあまり使われず、物を置くスペースになっていくケースが少なくないとも聞きます。
たとえば食事中にテレビを見る習慣がある場合、カウンターテーブルはキッチンを向いているわけですから、テレビは見にくくなるでしょう。
また、誰かがキッチンに立っていれば会話も弾みますが、誰もいない場合はキッチンを見ながらの食事になります。
そのため、調理が済んでいるのに、何となく奥様がキッチンに立ったままになってしまうというケースもあるでしょう。
子どもの宿題スペースには最適だと思いますが、使うのは小学校高学年くらいまでではないでしょうか。
■カウンターテーブルを無駄なスペースにしない、オススメの方法とは?
筆者も以前カウンターテーブルのある住宅に住んでいたことがありますが、実は食事やお茶のために使ったことはほとんどありませんでした。
カフェのようなカウンターはオシャレどころか、つい気軽に物を置いてしまう、雑然としたスペースになっていきました。
もしカウンターテーブルを設けたものの、ほとんど使っていないと感じたら、使い方を工夫してみましょう。

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筆者のオススメは、天板の下に棚を設けるというもの。
本棚やマガジンラックにしてもいいですし、ダイニングやリビングから見える位置になると思いますので、お気に入りのカップや普段使いではないお客さん用の食器などをディスプレーしてもいいですね。
キッチンのプランを考える際は、憧れやイメージに振り回されず、食事をつくるときや食べるとき以外のこともイメージして、取り組むことをオススメします。