これって運命かも!? 物件との出会い 【低コスト・低リスクへの挑戦】no.7

浅草駅から徒歩9分という便利な立地にある現在の住まい。 photo kazashito nakamura
(前回までのあらすじ)
住まいのプロとして私が常々感じていたこと。
それは、多くの住まいが「価格が高く、リスクがあり、似たようなものばかり」だということです。
“住まいのコンサルタント”である筆者が、これまで培った知識と経験を総動員させ、「低価格、低リスク、自分らしい住まい」を自ら作ったら、どうなるのか?
「住宅購入のリスク」をいかに削れるかという、試行錯誤の住まい探しの日々が始まりました。
“買えるお客さん”になるために、「銀行とのローン交渉を物件探し前に行う」ことにチャレンジし、無事、大手銀行から有利な条件で融資を取り付けることに成功。
いよいよ物件探しが始まりました。
※ 【低リスク・低コストへの挑戦】 今までのシリーズを見てみる
■物件探しは条件設定と現地確認が重要
物件探しの方法は no.3 でも書きましたが、
厳しい条件に設定したので、その条件に合う物件は多くありませんでした。
それでも2、3週間に1軒程度の物件が見つかりました。
物件はすべて、現地に見に行きました。

Graphs / PIXTA
そして感じたことは、物件概要やチラシで描くイメージと実際に見ての実感とでは、大きな開きがあることです。
購入に向けた検討を始める前に、まずはフットワーク軽く、物件を見に行く。
結局、それが一番効率的で、間違いがない順番だと感じました。
そう考えると、物件探しで設定する条件が、重要になってきます。
設定がユルいと、該当する物件がたくさん出てきてしまい、見に行くことで手一杯になってしまいます。
質の良い物件調査を行うコツは、物件の条件設定をしっかりすることに尽きると思います。
■築45年で建坪5.5坪。「浅草駅」徒歩9分の小ビルとの出会い

gandhi / PIXTA
私の話に戻ります。
物件探しを続ける中、浅草の浅草寺裏に建つ一棟ビルに出会いました。
広告掲載時期を見ると、販売開始から1年以上も買い手が見つかっていない物件だと分かりました。
売一棟ビル
2550万
東京メトロ銀座線「浅草駅」徒歩9分
地積(面積)8坪、建坪5.5坪
築45年なかなか年季が入った築古物件です。

denkei / PIXTA
そして、かなりの狭小。建坪5.5坪は、相撲の土俵と同じくらいです。
再生できるのか。住めるのか。
期待を持たず、とりあえず一度見に行くことにしました。
ちなみに、地積8坪という敷地条件。
これが、1年以上もの間、物件が売れない大きな障壁になっていたことを、後の銀行との交渉で知ることになりました。
物件を見に行くことに決めましたが、まずは、不動産会社の選択をしました。
その理由は no.4 の記事をご覧ください。
■案内された物件はまるで廃墟!?
この物件の取扱い業者を調べたところ、3社あり、そのうち1社は売主でした。
他2社の仲介業者よりも売主の方が、仲介業者への手数料を節約できる、売主と直接交渉ができる、というメリットがあります。
売主を今回の不動産会社に選び、問い合わせと現地確認のアポイントを取り、妻と現地を見に行くことに。
不動産会社に案内された物件は、一言でいうと「廃墟」。
妻は、本当にこの物件なの?と愕然としていました。
建物の内部はスケルトンの状態。
1階は、苔やカビが生え、緑色に。独特な臭いがしていました。
2階に上がる階段は、1度外に出なければ上れない不便な動線。
2階は、壁が崩れ、鉄筋がむき出し。
ところどころが貫通し、外の景色が見えています。床も穴があいています。
3階は、壁面漏水の補修跡があり、そこから凄い異臭がしています。
そして、元々電気店の倉庫だったという建物。
荷運び用のエレベーターが設置されていた名残で、1m角の大きな穴が、1階から3階まで開いていました。
妻は終始、開いた口が塞がらない状況でした。
しかし私は、この物件に運命的な出会いを感じていました。
このとき、夫婦2人の物件に対する印象には、まだ大きな温度差がありました。
【低リスク・低コストへの挑戦】
※ no.4 1,000万オフに成功!値引きしやすい不動産会社の選び方