いくらまで稼ぐのがおトク?税理士が教える「在宅ワーク」税金・保険の注意点
子どもが生まれるからと仕事を辞めたけど、そろそろ仕事を再開したい。
だけど、まだ子どもも小さくて、外出もままならない……。
そんなママにとって、“在宅ワーク”は強い味方ですよね。
最近では、PCひとつあれば自宅でも働くことができます。
ライティング、データ入力、在宅秘書ワーク、ブログ運営……。少しでも、家計の足しに、そして自分のやり甲斐にと、在宅ワークを選択する人は多いようです。
ただ、ほんのお小遣い稼ぎと思って始めた在宅ワークも、一定以上の収入を得たら税金の申告が必要になる場合もありますし、社会保険の負担が増加して逆に手取り額が減少することも。
そこで今回は賢く稼ぐために、税理士の筆者が「在宅ワーク」に伴う税金の注意点について解説しましょう。
■「38万円」以上稼ぐと、確定申告が必要
専業主婦の場合、在宅ワークの収入から必要経費を差引した金額(「所得金額」といいます。)が38万円を超えると「確定申告」が必要となる可能性があります。
この場合の収入とは手取り額ではなく、もし源泉所得税を差し引きされている場合は、差し引き前の金額をいいます。
必要経費とは、その収入を得るために直接要した経費の額をいいます。
■「確定申告」をした方がおトクな場合
所得金額が38万円以下の場合、確定申告の義務はありません。
ただし報酬から「源泉所得税」が差し引きされてある場合は、確定申告することで還付を受けることができますので、申告した方が良いでしょう。
申告の方法については最寄りの税務署で聞けば教えてもらえます。
■「必要経費」として認められる65万円分
収入から差し引きする「必要経費」ですが、在宅ワークの内容によっては「家内労働者の必要経費の特例」の適用を受けられる場合があります。
これは実際にはさほど経費がかかっていなくても、“65万円”の必要経費が認められるという、非常にお得な制度です。
もし適用を受けられる場合は、収入が103万円以下であれば、確定申告は不要になります。
ただしご自身の在宅ワークが特例の対象になるかどうかは、税務署か税理士に必ず確認してくださいね。
■夫の配偶者控除との関係
専業主婦の夫は所得税の計算において「配偶者控除」というものを受けています。
これは夫の所得金額から38万円を控除できるという制度なのですが、もし在宅ワークによる所得金額が38万円を超えると、配偶者控除を受けることができなくなります。
ではもっと働けるけど、所得が38万円以下になるように抑えるべきかというと、無理にそうする必要はないと思います。
実は所得金額が38万円を超えても、76万円未満であれば配偶者特別控除という別の控除を受けることができるからです。
■むしろ注意すべきは「社会保険」との関係
税金よりも影響が大きいのは、実は社会保険です。
専業主婦の場合、社会保険は夫の扶養に入っていると思いますが、もし在宅ワークの収入が130万円以上になると夫の扶養を外れることになり、自分で国民健康保険と国民年金を支払う必要が生じます。
金額にすると両方で最低でも年間30万円以上の支払いが必要となります。
収入が中途半端に130万円を超えると、かえって手取り額が減少するということもありますので注意してください。
在宅ワークの場合、ついつい税金や社会保険のことをおろそかにしがちです。
しかし、税務署は報酬の支払い先などから提出された資料によって、ある程度あなたの所得を把握しています。
後になって税金の請求が来てビックリ!ということにならないよう、注意しましょうね。