「住みたい街No.1」の場所に住めたはずが…【二拠点ギリギリ日記】
はじめまして、ライターのsakkoです。
30歳を過ぎても実家に居候していたグータラ都会っ子です!
結婚を機に新しい場所に住むのも楽しそうだなと思い、比較的軽い気持ちで、夫が暮らす栃木県宇都宮市近郊と実家を行き来する「二拠点居住」を決めました。
その生活のまさにギリギリ体験談をお話ししたいと思います。
まずは、苦労話からご紹介いたします。

Lucy in the Sky / PIXTA
二拠点生活といっても、平日は実家から都内の会社へ出勤。
金曜日の夜に新幹線で地方に帰り、月曜日の朝また東京へ、というスタイルを続けています。
つまりは単身赴任の状態です(笑)。
地方の新居は東京へのアクセスを重視し、新幹線の発着駅から在来線で3駅目、駅から徒歩1分というなかなか好立地のアパートを選びました。
しかもここは、東洋経済新報社が毎年公表している都市の「住みよさランキング」で栃木県内1位を獲得したこともある町。
ほどほど都会で、ほどほど田舎。
住環境としては、かなり理想的なほうだと思われます。
そんな恵まれたところに住んだはすでしたが……。
■きっと私は、ここでみんなから忘れ去られて死ぬんだ…
「私はここでみんなから忘れ去られて死ぬんだ」。
これは二拠点居住をはじめて8か月後、東京へ向かう新幹線の中で、なにげなくノートに書き留めた一言です。
ご覧の通り、そうとう追い込まれている内容です(笑)。
正直言いますと、地方での暮らしを開始した直後から、なんとなく違和感があったんです。

駅前ですが、電車が来ない時は、あっという間に人がいなくなる……
その当時の心境はこんな感じでした。
道を歩いている人があまりいないな……。
どこの店に行っても空いているな……。
電車を1本乗り過ごすと、次は20分後か……。
そういえば、古い空き家が多いな……、など。
このように、田舎の生活の悪い点ばかりが目に付くようになっていました。

人工知熊 / PIXTA
もちろん、筆者は大自然の中での本格的な田舎暮らしをしているわけではありません。
むしろ便利で住みよい、宇都宮市の中心からも近い町です。
コンビニも食べ物屋さんも、家から歩いてすぐのところにあるとても便利な場所でもあるのです。
それなのになぜ? と呆れられてしまいそうですが、筆者はこれまで、欲しいものがあればAmazon.comもその日じゅうに届く、電車は5分おきに来る、街は行きかう人々で賑わっているのが当たり前の生活をしていました。
きっと都会の生活との田舎の生活のギャップを埋めることができなかったんですね。
そのせいか、思い通りにならない不便さや、人口密度の変化にはとても敏感になり、数か月後には未来を悲観して絶望するようなところまで追い込まれてしまったのです。
■あまりにも準備不足だったと反省!「住めば都」なんて、甘い話ではなかった…

よくある田舎サイコー!的な写真ですが、傷心真っ最中の筆者です
そもそも初めから、筆者の周囲の人は二拠点生活を心配されていました。
都会で生まれ育った人が、地方で本当にやっていけるのかと思われていたんです。
でも、そんなことはないと思ってました。
旅行で訪れた田舎町はどこも魅力的で、素敵な思い出もたくさんあります。
順応性もあるほうなので、そんな魅力的な田舎町でやっていける自信もありました。
「住めば都、デュアルライフを堪能しまーす!」と、声高らかに宣言してスタートを切ったのですが……。
今思えば、準備不足で無謀としかいいようがない。
辛くなり始めたころは、「地方を楽しんでいるんだ!」と無理に自己暗示をかけまくったり、SNSや年賀状ではデュアルライフ満喫をアピールして気持ちを盛り上げようとしましたが、状況は一向に変わらず。
何をやっても「都」にはなりませんでした。
まさに負のスパイラルに陥ってしまっていたのです。
■目的よりも「自分が住まえる環境」を見極めることが大事

六本木ヒルズからの景色。都心は自然が少ないと言いますが、そうでもない気がします……
自然が豊かなところで子育てがしたい、家を建てる夢を実現したい、週末はゆったりとスローライフを楽しみたい、歳をとった両親の様子を見ながら暮らしたいなど、移住や二拠点生活の目的はいろいろあると思います。
でも、自分が追い込まれてしまっては、元も子もありません!
筆者が失敗の中で行ったのは、住んでいる場所の「インフラ事情」「買い物エリア」「人間関係」を見直し、譲れないものを洗い出したことです。
どんな細かいことでも結構ですので、思いついたことはすべて出してみることが大切です。
そうすれば、当たり前だと思っている部分にこそ、自分の暮らしに欠かすことのできないものが隠れていることがわかります。
それについては、次回詳しくお話しします。
【参考】
※ 「住みよさランキング2016」関東・東北編-東洋経済『都市データパック』編集部
■シリーズ記事はこちら■
1、「住みたい街No.1」の場所に住めたはずが…【二拠点ギリギリ日記】
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