車社会だから空気が悪い、同じブランドでも品揃えが違う!? 「地方都市」のリアル【二拠点ギリギリ日記】

近くの栃木県高根沢町が主催する「TAKANEZAWA ROCKSIDE MARKET」にて。ディスプレイなどもおしゃれで、お客さんも流行に敏感そうな方ばかりでした。中心地からは離れていますが、注文住宅の分譲地がおしゃれで人気もあります
大都市からいきなり農村へ引っ越すなど、慣らしなしで本気度100%の移住生活を始めてしまうと、文化の差や地元の方と馴染めなかったりで、結局は長続きしないことが多いと聞きます。
そこで移住に成功されている先輩方は、初めての移住先として違和感の少ない「地方都市」をよく進めるのですが、本当に移住初心者向けなのでしょうか?
東京圏から地方都市に引っ越して4年経った今、これまでのことをちょっと振り返りながら考えてみました。
■生活するのには困らないけど、街の景観がテンションを下げる
地方都市の中心街では、よほど希少なものでもない限り手に入らないものはないです。
必死になってインターネットにかぶりつかなくても暮らしていけます。
ただ街並みを見ると、バブルの遺産というか、テナント募集の看板やシャッターが閉まってだいぶ時間が経っているであろうお店、
老朽化が顕著な建物がどうしても目に入ります。

老朽化した建物と空き家。都心にもあるがやはり多い
例えば東京の代官山であれば、まるで海外かと見間違うような美しいテラスつきレストランの隣には、これまたおしゃれなショップ。
さらに、そのお隣にも綺麗な建物といった具合に、街の景観がセンス良くプロデュースされています。
しかし、地方都市では住んでいる人の数も懐事情も、大都市にはなかなか及びません。これが地方都市の現実です。

再開発も進んでいますが、さあこれからという感じです
大都市に住んでいる期間が長ければ長いほど、この差は際立って目につきます。
なんとなく都落ちしてしまったような、虚しい気持ちになることは否めません。
■同じブランドなのに品揃えが違う…

二拠点生活している地方都市で、筆者がお気に入りの場所!
中心地には百貨店やデパートもいくつかあり、日本初出店的な希少なお店はないものの、テナントはあまり都心と変わりません。
でも、並んでいる商品は異なります。
新作も入ってくるのですが、都心のスピードにはかなわない。
そして、少し奇抜で個性的な商品については、発表から時間が経っても並ぶことはあまりないです。
筆者は休日こちらで暮らす生活に慣れてきましたが、先日仕事で表参道に行った時、
頭の先から足の先まで流行最先端のファッションで、髪も半分刈り上げたスタイリッシュな女性とすれ違った瞬間、
この人が筆者の住む街を歩いていたら通報されるかもな……と、ふと思いました。
二拠点生活を始める前は、そんなこと考えもしませんでしたが。
派手なものは、先ほどお話しした街の雰囲気には馴染まない。だから、目立つような服や靴はあまり売られていないわけです。
そんなに欲しかったら東京まで行けばと言われても、交通費だけで何千円もかかるので、思い立ったら出かけるというのはなかなか難しいですよね。
おしゃれや流行に敏感な方だと、これはストレスになるかもしれません。
■車社会だから、実は空気も良くない!

夕方の帰宅ラッシュで車とバスは大忙し!
みなさんが移住を考える時は、少なからず今より緑の多い健康に良さそうな暮らしができる場所を探すと思いますが、
車社会の地方都市では、地元の人も気にされているくらいの排ガス問題を抱えていたりします。
通勤や通学で車もバスも一極集中するため、朝や夕方のラッシュは大渋滞。
そして空気を綺麗にしてくれる街路樹は、この状況に反比例するように少ないのです。
緑を増やしたいと意識して緑化活動に力を入れている都心のほうが、結果的には緑と共存できているように感じます。

表参道の街路樹。いつも綺麗でため息が出ます
地方都市での暮らしは、確かに生活する上では便利ですが、魅力的かどうかはその人によると思います。
例えば那須や軽井沢といったエリアでは、繁華街からは少し離れた住宅地を覗いてみると、
利便性はそこそこの田舎暮らしでも、周辺に似たような感性の方が住んでいて、
見渡せば建っている戸建は雑誌に出てくるようなおしゃれな注文住宅ばかり。

Shiryu / PIXTA
住人には移住者も多く、似たような悩みを抱えているから相談できる人が見つかりやすい。
そして、地消地産の無農薬食材などを使ったこだわりのレストランやパン屋さんもあったりします。

matsun / PIXTA
そんな環境であれば、車なんか運転しなくたって、インターネットでなんでも手に入ってしまう現代においては、
むしろ理想的な生活を最初から手に入れることができるかもしれません。
初めに住んだところが利便性は良くても魅力に欠ける、なんだか中途半端な暮らしになってしまっては、その先に本格的な移住をという気持ちにはなれないと思います。
これから二拠点生活や移住を検討されている方は、地方都市に凝り固まらず、「心ときめく理想の住まい」が実現できる居住地をリサーチしてみてくださいね。
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