活字離れを回避し、親子のコミュニケーションにも役立つ「速読」って?
「脱ゆとり」で、やたらと勉強量が多い今どきの小中学生。
高学年以降になると学校の勉強だけでなく、受験や部活なども加わり、子どもたちのやるべきことが増えてきます。
そんな状況になった場合、限られた時間で効率良く勉強や読書をさせたいという親御さんも多いのではないでしょうか。
中学生の2人の子どもを持つ筆者もそんな思いを抱く一人です。
そこで、速読コンサルタント・呉真由美さんの著書・『親子で簡単!小中学生のための速読トレーニング』(扶桑社刊)に、親子でチャレンジした記録をご紹介します。
■だから、みんな本を読まない!? 親と子の「読書」気がかりあるある!
読書は知識をより深め、広げるためにも大切なものです。
しかし、実際には自分の思い通りに読書が進まないというケースもよくあること。
そこで読書する上での気がかりなポイントを「親と子」のタイプ別にまとめてみました。

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【親の場合】
- 読書は大事と実感しているが、子育てや仕事に追わせてゆっくり読書する時間ができない。このような事情から1冊の本を読破するのに、どうしても時間かかってしまう。
- 買ったり、借りたりした本が手元にあっても、忙しさのあまりついつい読み忘れる。

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【子どもの場合】
- 小学校低学年で音読するよう学校から指導されているので、受験などで忙しくなる学年になると、普段の読書のペースをどのようにすれば良いか迷ってしまい、本から離れてしまう。
- 小学校高学年から中学生になると、スマホやゲームに夢中になって、読書する時間が減る。
このように親も子も日々の忙しさや他の誘惑などによって、読書時間の確保がうまくいかない点は共通していることがわかりますね。
では、実際にどのようにすれば、活字離れを回避することができるのでしょうか?
■速読力が定着するかどうか!? 親子で実際にトライしてみた!

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最近の書籍では、短時間で効率良く仕事や勉強をすることをテーマにした内容もたくさん取り扱っていて、興味関心を抱いている人も多いのではないでしょうか。
我が家の中学生の2人の子どもは、勉強や部活(2人ともハード系運動部所属)に忙しい毎日を送っています。

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普段帰宅する時間も夕方の6時半なので、自宅にいる限られた時間で、宿題や課題をこなしています。
そこで、子どもたちが限られた時間で多くのタスクが確実にこなせることを密かに願いながら、すき間時間を使って、
『小・中学生のための親子で簡単トレーニング』にチャレンジしてみました。
■夕飯後の時間がチャンス!1日15分でトレーニング開始

本の中身はこちらです! お家で簡単にできるのがうれしいですね
我が家が速読トレーニングを始めたのは6月の終わりで、学校の期末テストが目前に迫っている時期でした。
テスト前だったこともあり、しっかりトレーニングができるかどうか気がかりでした。

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そこでいつものんびりしている夕飯後の30分の時間帯を狙って親子でチャレンジしてみました!
いよいよ実践です!
■最初は2~3日間隔でやるのがコツ!慣れてきたら、間隔を縮めていきましょう。

本の内容には子育てに通ずることも書いてあるので、必読です!
トレーニングに必要なのは以下の通り。
- DVD
- 読書速度用トレーニングペーパー(※しかも、親子でできるよう2枚入り!)
- 読書速度記録表
いずれも本に付属しています。
トレーニング系の教材は「毎日こなさなければならない」というイメージがありますが、この速読トレーニングの良さは、必ずしも毎日やらなくて良いことです。
ですので、ゆったりした気持ちで臨めるのがメリットです。
眼の筋肉を鍛え、動きを良くするトレーニングから始まり、徐々に一度に見れる情報量を多くし、インプットしていきます。
ただし、始めてからしばらくは頭と身体をならすためにも2~3日間隔でこなすといいようです。
■続けるための工夫…、それは表にして「見える化」して記録すること!

Excelにして記録をまとめました。着実に成果があらわれているのが、わかります
今回のトレーニングを続けられるよう、をExcelでオリジナルの表を作成し、これまでの記録時系列でまとめました(上の画像を参照)。
読んだ文字数が上がったり、下がったりしたこともありましたが、初回の数字と何度かこなした数字を比較すると確実に速読スピードが上がっていました。
このように表によって「見える化」することで、スピードの状態だけでなく、目を動かすときの弱点やクセについても徐々に把握でき、改善点が洗い出されます。

拡大するとこんな感じです
■親子で「共有」することが大切であり、コミュニケーションにもつながる!

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速読トレーニングで親が一番してはいけないことは、子どもへ押し付けだと思います。
特に高学年以降のお子さんは親からの押しつけに対して抵抗するのはいうまでもありません。
そのような事態にならないためにも、親が率先して速読トレーニングをコツコツ行うことをオススメします。
親が取り組んでいる姿を見て、子どもも心が動かされるのではないでしょうか。
そして、親子で「速読する」ことを共有するとで、親子の新たなコミュニケーションが築かれるはずです。
すき間時間を活用して、この夏休みに親子で「速読トレーニング」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
学力や読書のスピードだけなく、また違ったうれしい気づきがあるかもしれません。
今回は2週間という短い時間での速読トレーニングでしたが、継続するとより一度に処理できる視野が広がり、
頭脳がより活性されるそうなので、これからも前向きに続けたいと思います。
【参考】
※呉真由美著/『親子で簡単!小中学生のための速読トレーニング』(扶桑社刊)