毎食後に歯みがきをしていてもむし歯に!? 「むし歯になりやすい歯」があるって本当?

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1日3回、毎食後にきっちり歯磨きをしていても、むし歯になってしまう子どもがいます。
一生懸命歯みがきをしてきたのに、むし歯ができてしまうとガッカリですよね。
きちんと歯みがきをしているにもかかわらず、むし歯ができてしまう原因は、“みがき残し”があるためです。
子どものむし歯が起こりやすい歯にはある特徴があり、ポイントを抑えて歯みがきをすると、みがき残しを減らすことができます。
「全校児童の95%をむし歯ゼロに導いた学校歯科医」としてメディアで話題の江口康久万さんの著書『6歳むし歯 12歳むし歯から子どもたちをまもれ 将来の夢のために』(扶桑社刊)を参考に、子どもの正しい歯みがきの方法についてご紹介します。
■子どもの歯で、もっともむし歯にかかりやすいのは「6歳臼歯」!

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前から6番目の大きな歯を「第一大臼歯」といいますが、6歳の頃に生えてくることから「6歳臼歯」とも呼ばれています。
江口氏はこの6歳臼歯がもっとも子どものむし歯で多いと指摘しています。
6歳臼歯にむし歯が多くなる理由は、いくつかあります。

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1つ目は、歯が生えはじめても、その存在になかなか気づかないという点です。
6歳臼歯は乳歯が抜けた場所に生えてくるのではなく、口の一番奥の歯茎から生えてきます。
それまで歯が生えていなかった所に新しく生えてくるため、歯が出現しても気づかず、歯みがきが行き届かないのです。

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2つ目は、歯ブラシが届きにくいという点です。
大人でも奥歯はみがきにくい場所ですよね。
子どもなら尚更です。
しかも下の6歳臼歯は生え始めから生え終わるまでゆっくり出てく
そのため、歯ブラシを傾けるなど工夫してみがかないとキレイにできません。

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3つ目は、生えはじめの歯が酸に弱いということです。
生えはじめの永久歯は、表面のエナメル質ができ上がっておらず、酸に弱い状態です。
新しく生えてきた歯は唾液中のカルシウムやリン酸、フッ素などを吸収してエナメル質を形成し、むし歯にかかりにくい歯へ成長します。
そのため、6歳臼歯が生えてきたときからきちんと歯みがきができていないと、歯が完全に生え終わる前にむし歯にかかってしまうのです。
■子どもの歯みがきで、みがき残しが多いのは「左下の頬側」!

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江口氏によると、子どものプラーク(歯垢)は前歯より奥歯、上より下に多いのだとか。
さらに、子どものむし歯の傾向をデータ化すると、右利きの子どもは左側の歯にむし歯やCO(要観察歯)が多いことも分かりました。
6歳臼歯は上下左右に1本ずつ、合計4本あります。
子どものむし歯の傾向を参考にすると、左下の6歳臼歯がもっともむし歯になりやすいと言えるでしょう。
また、子どもの歯みがきには、頬側にみがき残しが目立つといった特徴があるそうです。
こうしたみがき残しが多い歯の位置を意識しながら歯みがきをするだけで、むし歯のリスクをずいぶん防ぐことができるはずです。
■やっぱり大事な仕上げ歯みがき。できないときはフッ素で予防を!

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6歳臼歯は子どもにとってみがきにくい位置にあるため、慣れないうちは、親が仕上げ歯みがきをしてあげるのがよいでしょう。
特に、6歳臼歯が生えはじめた頃は、歯肉をかぶってプラークが溜まりやすい状態です。
このとき、オススメなのがワンタフトタイプの歯ブラシです。
ワンタフトは1本みがき専用の歯ブラシで、ピンポイントを狙って歯みがきをすることができます。
普通の歯ブラシでは届きにくい場所でもしっかり届くので、みがき残しがなくなりますよ。
子どもに「6歳臼歯をむし歯からまもろうね」とお話しをしながらワンタフトで仕上げ歯みがきを行い、上手な歯のみがきかたを教えていきましょう。

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また、共働きで忙しく、毎日子どもの仕上げ歯みがきに付き合えないいという場合は、歯科医院でフッ素を塗ってもらう手もあります。
フッ素を塗ると歯の再石灰化が促進され、酸に強い歯を作ることができます。
普段はフッ素で予防措置をとり、時間のあるときに子どもと一緒に仕上げ歯みがきをすると安心です。

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いかがでしたか?
子どものうちは上手に歯みがきができないので、親からのアプローチが大切です。
子どもに正しい歯みがきの方法を伝えて、むし歯ゼロを目指しましょう!
【参考】