最大300万円!市営住宅を「自分好みにリフォーム」できる!? 熱海市担当者に詳しく聞いてみた

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公共団体が建設し、安い家賃で借りられる「公営住宅」。所得の少ない人や高齢者にとってはとてもありがたいものですよね。
入居希望者が殺到し、抽選会が行われることもしばしば。
しかし、公営住宅は“公の持ち物”。家の中を自分好みに変えることが制限されています。
そんな中、熱海市が画期的なプランで注目を浴びているんです。
■風呂釜さえついていない、古い公営住宅

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築浅の公営住宅には入居希望者が殺到する一方で、老朽化の進む公営住宅の高齢化・空室化が問題になっています。
築数十年経った公営住宅には風呂釜がついておらず、レンタルか購入して入居するのが当たり前。しかも購入するのに、設置する風呂釜は規定のもの、選べないのです。
修繕時には、建てられた時代に一般的だった水準に戻すことが義務付けられ、あえて当時のタイプの風呂釜、トイレ、台所を指定して設置しなければなりません。
かたや新しい公営住宅には新しいタイプの風呂釜、トイレ、台所を設置している、なんともいえない現状です。
頑張って働いている若い世代を支える公営住宅であって欲しいのですが、現在の水準と比べてあまりにも古い設備のために、住むには悲しすぎるのです。
■「熱海市×ニトリ」! 市営住宅を自分好みにリフォーム
そんな中、熱海市が募集している市営住宅の入居募集が注目されています。
それは、入居希望者が、市内6カ所の市営住宅から希望の物件を選び、ニトリの専属コーディネーターが入居家族の希望に沿った家具や水回り設備などを提案し、畳からフローリングへの変更やクロス張り替えなどにも対応するというもの。
本年度は600万円の予算で、空室状態の2戸のリフォームを行うといいます。
11月末まで入居者を募集しているという熱海市役所の建築住宅室・渋谷さんに、斬新的な今回の市営住宅リフォーム事業についてうかがいました。
■「若年層・子育て世代」限定!最大300万円分を自分好みにリフォーム
――市営住宅のリフォームをニトリと提携して行うことに至った経緯を教えてください。
熱海市では、老朽化してきている市営住宅に対して、今後のあり方を考えていかなければならない時期なんです。
いろいろな対策を積極的に進めていますが、この事業もその一環として行われています。
――リフォームができる部分、そして費用についてお聞かせください。
今回の政策は、モデル事業「子育て世帯限定」として2室のリフォームを予定しており、中の構造体は変えずに、水周り・床・壁などの改修を入居希望者のニーズに合わせて市が行うものです。
通常、空室修繕で行っている修繕を、入居者の希望(色など)を聞いて行います。市が最大300万円の費用で、入居希望者の快適な生活スタイルを実現するリフォーム工事を実施します。
――熱海市民の反応はいかがですか?
今後、市営住宅のあり方と市の住宅施策と合わせて、市民の皆さんの意見により、方針を決めていく必要があると思っております。
若い世代が子どもをもち、育て、未来の世代へ続いてゆくようにするのは大切なこと。
理想のマイホームなんて持てない、まして子どもなんて……と思っている人たちに夢を与える事業だと思いませんか?
全国にある公営住宅もこれからの世代のために、若い世代が住みたいところになるといいですね。
【取材協力】