介護職員は見た!「介護」が必要になる前に、直したほうがいいクセ7つ

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さだまさしさんの「関白宣言」という歌を覚えていますか?
結婚し嫁さんとなる女性に、あーだこーだ注文をつける歌詞に、知人の嫁さんが憤っていました。
しかし、それは3番を聴いていないからなのです!
3番まで聴くと、一見偉そうに関白宣言をする旦那さんの、嫁さんへの溢れる愛情がわかるんですよね。
ま、あまり本題とは関係ないけど、
タイムマシンがあったら、介護施設で遭遇する、ちょっと困ったクセをお持ちの入居者・利用者に「言っておきたい、ことがある」筆者。
一応、介護施設で働く、現役の介護福祉士です。

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残念なことにタイムマシンはまだ開発されていません。そして、認知症の方々に説明しても、すぐに忘れてしまうので効果なし。
ということで、これから高齢者になる若い方々へ、今のうちに直しておいた方がいいクセを紹介します。
家庭で介護が必要になった時、介護施設にお世話になる時、これをされると家族や職員が「困っちゃう!」という問題です(※個人的な意見です)。
■あなたが歳をとる前に、言っておきたいことがある。直してほしい7つのクセ

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1:夜は、ぐっすり寝よう
どういうことかと言いますと、高齢になってすることがなくなると、日中に長時間昼寝をするので、夜中に目が醒めてしまいます。
昼夜逆転です!
すると、部屋の中を歩き回ったり、台所で洗い物をしたり、部屋の片付けを始めるんですね。
認知症になると、その習慣が悪い方に働いて、深夜の徘徊やよそ様のお部屋に侵入して騒ぎを起こしてしまうのです。
昼寝はほどほどに、夜更かししないでちゃんと寝ましょう。
睡眠不足になると、脳の神経に溜まった物質(アミロイド ベータ)を十分にクレンジングできず、アルツハイマー型認知症(認知症のひとつ)を加速させると言われています。

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2:裸族、だめ、絶対
パジャマを着ないで裸で寝る習慣のある方がいらっしゃいますね(まれなケースです。なぜか、男性ばかり)。
個人の自由なので、別に文句を言うつもりはないのです。
しかし、認知症で夜間に失禁する方が、全裸になりたがり、オムツまで外してしまいます。
布団やシーツ、ベッドマット(失禁予防の防水マットを敷いていますけど)、さらには床を尿で汚染してしまいます。
介護施設なら、職員が(心の中で)ため息をつきながらも掃除してくれますが、家庭での介護の場合、介護する家族の疲労感は半端ないと思われます。出てくるのは、尿だけではないからです。
なので、普段から習慣づけて、パジャマを着て寝ていただきたいんです!

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3:立ちションをやめよう
洋式便器で立ちションする男性諸君、今すぐやめたほうがいいですよ(女性はいませんね)。
歳をとって立ちションすると、マト(便器)を大きく外して床がビショビショになってしまいます。
認知症になってこのクセが残っていると、注意しても無駄。
毎回、トイレの床を尿で汚してしまいます。
家庭でやったら、あそこを奥さんにハサミで切られてしまうかもしれません。

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4:お風呂に入ろう
介護施設には、かなりの確率で、お風呂嫌いな方がいらっしゃいます。
入浴には、「心身をリラックスさせる」「身体を清潔に保つ」などの効果があります。
「私、昨日入った」と言って、入浴拒否をする認知症の方。もう2週間以上お風呂に入っていません。
職員は、無理やり入浴させることはできませんし、「オラ、絶対入らね!」と怒り出す方がいるので、
どうすることもできずに困ってしまうのです(新人職員ほど。ベテランになると、うまく説得できるのですが)。
今のうちから、少なくとも2日に一回程度はシャワーを浴びる習慣をつけていただきたいのです(施設では、週3回の入浴を目標にしてますよ)。

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5:脳ミソを使う趣味を持とう
介護施設の場合、四六時中レクリエーションを実施しているわけではないので、どうしてもぼ〜っとしてしまう時間ができてしまいます。
入居者には、折り紙を折ったり、ぞうきん縫いをしたり、新聞紙をたたんだりしていただくのですが、拒否してぼ〜っと過ごしてしまう方が少なからずいらっしゃいます。
日頃から手と頭を使う趣味を持っていると、このぼ〜っとタイムを有意義に過ごすことができます。脳のトレーニングにもなります。
読書は目が悪くなると億劫になるようです。映画鑑賞が好きな方も、目と耳が悪くなるとダメみたい。
では、何がいいのか? カラオケとか、絵画とか、クロスワードパズルとか、脳を刺激して、しかも、ひとりでできるものがいいですね。
ファミコン世代や携帯ゲーム世代は、歳をとっても大丈夫なような気がします。
個人の意見ですけど、新聞を読むよりゲームをしている方が、歳をとってから役立ちます!

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6:最新家電に慣れよう
施設の入居者(みなさん80歳以上)が100%使いこなせないのが、ウォシュレットです。
世代的に、洋式トイレで、しかもウォシュレットを使う習慣はなかったのでしょう。
認知症の方にウォシュレットの使い方を教えても忘れてしまい、職員が臀部を洗う時に驚いて立ち上がったりされます。
ウォシュレットの水が放物線を描いてトイレの床に落ちるのを、何度もこの目で見ました!
携帯電話も、なぞの物体として認識されている様子。
今40〜50代の方、ウォシュレットは大丈夫、使いこなせるでしょうが、
テレビのリモコン予約とか電子ジャーの炊飯予約とか「できない〜! わからない〜!」と言って敬遠していませんか?
わからないことには興味を持って、使いこなせるようにする習慣が必要です。
人生の終盤には、何にも興味が持てなくなって、ぼ〜っと過ごすことになります。
もったいない!

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7:真っ暗にしちゃ、ダメ
寝るときに電灯を消し、まっ暗にして寝ていませんか?
これは、超危険です。
頻尿+認知症+真っ暗のコンボで、トイレに起きるときに転倒する確率が格段に上がるのです。
転倒して骨折すると、寝たきりになって死期が近くなってしまいます!
■結論:家事の手伝いがオススメ!定年後の男性はメリハリのある生活を

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これといって趣味のない男性が定年退職すると、することがなくなって、一日中寝て過ごしたり、不摂生な生活を送る方が少なからずいるようです。
加えて、立ちション派、裸族だったりして。
とりあえず世の中の旦那さんたちは、奥さんの家事を手伝うといいと思うのです。
奥さんのためではなく、将来の自分のためなのですが、言わなきゃわからないし逆に奥さんに感謝されるでしょう。
トイレ掃除の大変さがわかるから、立ちションはしなくなるでしょう。
皿洗いや掃除洗濯をして汗をかくと、お風呂にも入りたくなるでしょう!
夕飯の献立を考えて、頭を使うに違いありません。
いいことづくめ!
一方、女性の皆さんは、ストレスをためない生活を心がけて、心穏やかに歳を重ねてくださいませ。
【参考】