騒音、ニオイ…。経験者だから分かる「マンション大規模修繕」の実情と対策【工事中編・1】

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マンションに住んでいると、いつかはやってくる大規模修繕。
外壁の補修や塗装、防水工事などを行って、劣化した部分を回復させることは、資産価値の維持のためにも重要です。
筆者は中層と高層、2つの賃貸マンションで、2度の大規模修繕を体験しました。
筆者にとってマンションは住まいでもあり仕事場でもあるため、騒音やニオイに長時間悩まされました。
その体験をもとに、上手に工期を過ごすヒントを紹介していきます。
工事中の騒音などについて書きました【準備編】に続いて、今回は「ニオイ」と「洗濯」について取り上げます。
■結局…ニオイからは逃げるが勝ち!?

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ニオイは塗装工事と、ベランダなどの防水工事中が問題になります。

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窓に隙間がある場合は、幅が太めのマスキングテープなどを使って、塗装・防水工事の前に目貼りをしましょう。
筆者の場合、ベランダ防水工事には2度ともウレタンが使われ、刺激臭がありました。
とくに高層マンションは建物が密集しているところだったので、風通しが悪く、ニオイがなかなか抜けなくて苦労しました。
マスクをしていても目に刺激を感じる場合があり、この時期はやはり、外で過ごすのが無難です。
事前に分かれば、外出の予定を入れましょう。

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ただ、最初に出されるスケジュールは、大きく変わる可能性があります。
中層マンションでは予定より2週間ほど工期が短くなり、高層マンションでは1か月以上工期が長くなりました。
塗装・防水工事の際にはベランダに洗濯物が干せなくなるので、直前に案内があるはずです。
また、塗装・防水工事に入る前には外壁やベランダの洗浄作業があると思いますので、目安になります。
換気は基本的に、ニオイとは逆の開口部を開けることになります。

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逆の開口部が玄関になる場合は、ドアチェーンなどを掛け、開く分だけ開けます。
換気扇は、位置によっては回さないほうがよいこともあるので、少し回してみてニオイがひどくならないか確認しましょう。
窓を開けるときは、窓枠にたまった工事によるホコリが部屋に入りやすくなります。
窓は静かに開けて、枠の汚れをザッとふき取るようにしましょう。
窓開けと換気扇で換気をするときは、窓から室内に入る風が強くなるので、換気扇の作動前に窓枠の掃除をしっかりと行ってください。
■洗濯物はベランダに干しても大丈夫?

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足場の外側には「メッシュシート」が掛けられますが、部屋に光はある程度入ってくるし、風も通ります。
ベランダの使用を制限する案内がない限り、ベランダでの物干しは可能です。
筆者は、“ベランダでの物干し不可”という案内が出ていなかったので、ベランダに干しておいた経験があるんです。
でも、その日の工事が終わった後にベランダを見ると、随分汚れていたことがあります(シーリング工事などは特にそうです)。

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やはり洗濯物は室内干しにするか、作業休日の洗濯がオススメです。
ベランダに干す際は、工事による汚れをキレイにしてからにしたほうがいいでしょう。
また、手すりや壁にも汚れている可能性が高いですし、床面に溜まった汚れが風で舞い上がって洗濯物に付いてしまうかもしれません。
ザッと水を掛けて、流しておくといいでしょう。
いかがでしたか?
足場に囲まれているだけでも気持ちが暗くなりがちですが、足場が解体されれば、ピカピカのマンションが現れるわけです。
キレイになったその様子を思い浮かべながら、「私もマンションに負けないくらいレベルアップするぞ!」という気持ちで、筆者は大規模修繕の時期を過ごしてきました。
工期を自分のメンテナンス期にあてるというのも、ありなのではないでしょうか。