大家さんは家賃をどうやって決める?複数の希望者がいるときは?【なんでも大家日記@世田谷】

 

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こんにちは、「なんでも大家」のアサクラです。

ようやく満足できる物件が完成しましたが、それも入居者が決まらなければただの自己満足にすぎません。

今回は、気になるお家賃の決め方や入居者が決まるまで、についてお話しします。

 

※ 【なんでも大家日記@世田谷】過去の記事を読む

 

■賃貸マンションの家賃って、どうやって決めてるの?

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これはみなさん、気になるところでしょう。

一般的には、広さ・立地・設備などを総合的に考慮して相場を目安に決めるといわれます。

この点については、やはり不動産屋さんに一日の長があると認めざるをえません。

個人で物件を経営している人にありがちなのは「高い金額をかけたから絶対に家賃は〇〇円」と決めつけた結果、

自分の物件の価値に不釣り合いな高値をつけ、繁忙期を逃してしまって空室に悩まされるパターンです。

もちろん大家として少しでも高く貸したい気持ちはわかるのですが、

やはりそこはエリアの事情や相場を知りつくした不動産屋さんに客観的に判断してもらうことが大事です。

とはいえ、経営者としては家賃の目標金額を決めておかないわけにはいきません。

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一般的には、リフォーム工事にかける費用は、想定する賃料の3年分くらいが最大値といわれています(たとえば、家賃10万円なら、10万円×12か月×3年で360万円)。

あのときの僕には綿密な資金計画はなかったので、「300万円も使ったんだから元は取りたい」というくらいの気持ちしかありませんでした。

そこで、リフォームなしで貸せる金額はおよそ8万として、リノベーション後にプラス3万円の「11万円/月」を目標として設定しました。

後付けではありますが、その差額×10年分で工事金額を回収するという計算式も考えました。

すると、3万円×12か月×10年=360万円。

10年もすれば家賃は下がって当然ですし、空室時のリスクもあるので、360万円は使えないでしょう。

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そう考えれば、「300万円の費用」に対して「+3万の家賃設定」(11万円/月)というのは、いま考えても悪くなかったと思います。

しかし、それもプロの不動産屋から見て妥当と判断されなければ、机上の空論。

さいわい、完成した物件を見た不動産会社の担当のAさんの反応は上々でした。

ちょうど賃貸の繁忙期に入るというタイミングもあり、「少し強気の設定で募集してみましょう」ということになりました。

ひとまず、これで募集を開始しました。

こちらは管理費も含めて11万円と考えていたので、プラス4,000円のアップは大きいですね。

予算も予定よりオーバーしたこともありますし、高く貸せるならありがたいことですが……。

 

■家賃を値下げするとき、こんなテクニックが!

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ところが、繁忙期というのに募集をはじめて一週間で内見は一組だけ。

がんばって物件を完成させただけに拍子抜けでした。

担当のAさんに聞いてみると……。

「ホームページでのアクセスが思ったより鈍いんです。

みなさん、パソコンで物件を探すときは条件をしぼりこんで検索するんですが、その時点ではじかれてしまっているみたいです。

やっぱり1階というのがネックですかね」

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そうなのです、今回募集している物件は1階にあるため、防犯面を警戒した女性やカップルなどに敬遠されてしまったのです。

せっかくプロがすばらしい募集写真を撮ってくれても、検索対象にひっかからなければどうにもなりません。

Aさんからの提案は募集金額を3,000円下げることでした。

残念ではありますが、もともと11万円を想定していたこともあり、僕としては異論ありません。

あれ? 4,000円下がってません?

と思ったら、管理費は2,000円に上がってますね。

ここが募集のテクニックです。

「物件のしぼりこみ検索では、賃料はキリのいい金額に設定されているんです。

だから、11万円よりも10万9,000円のほうが検索にかかる可能性がぐっと増えるんです」

なるほど! それで10万9,000円+管理費2,000円になったわけですか。

「それに11万円+管理費1,000円の場合よりも、借りる側も得ですからね」

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え? どうしてですか?

「毎月払う金額が同じでも、敷金や礼金や更新料の計算のベースになるのは、家賃だけなので、ほんの少しですが差額分が減ります」

そういうことなんですね。

管理費ってマンションによってぜんぜん金額もちがいますし、高いところでは5,000円くらいのところもありますから、けっこう大事です。

ちなみに、うちの物件は駐輪場がタダで、警備会社のサービスの料金もうちが持っているので、管理費はその維持にあてられています。

 

■複数の入居申し込みがあったら、どうやって選ぶの?

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賃料を下げて募集を再開すると、急に内見の数も増えました。

週末には一日で10組に内見にいらしていただき、この日に見に来ていただいた方々から複数の申し込みをいただくことができました。

申し込みが複数の場合、担当のAさんとも話しながら、こちらで入居者を選ばせていただくことになります。

一般的には、この際に確認するのは職種(安定した仕事か否か)と収入の金額、保証人の方の収入です。

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しかし、うちの場合は内見のときの印象も重要視します。

実をいうと、収入的にはもっと高い方もいたのですが、お会いしたときの印象がよかったので現在の入居者さんを選ばせていただきました。

以前も書いたとおり、「入居者選びは隣人選び」でもあるので、お金がすべてではありません。

 

■不人気物件なら、家賃交渉もあり

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ちなみに、この仕事をしていると、よく「家賃って交渉すれば下がるの?」という質問を受けますが、それはケースバイケースですね。

今回のように複数の申し込みがくるような物件だと、交渉はまず無理といっていいでしょう。

ですが、長いあいだ借り手が見つかっていない物件なら、値下げに応じてもらえる可能性は大いにあります。

うちの場合にしても、もし値下げしても決まらなければ「もう少し下がれば決めたいんだけど……」という交渉には応じたと思います。

それくらい、空室のリスクは怖いのです。

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もし、入居者が決まらないまま繁忙期を逃したりしてしまうと想定していた収入が数か月間にわたってゼロになってしまうわけで、

そうなるくらいなら多少の値下げはやむをえません。

下げるか、下げないか――この狭間で悩むのは大家業の宿命ですね。

その意味では、担当のAさんの適切なアドバイスが成約につながったと思っています。

やはりプロの意見は重要だと痛感した次第です。

さて、今回でリノベーション編は終了。

次回は、ひさしぶりに大家の本業に戻って「水道の故障で眠れない夜」をお送りします。

楽しくない話ですが、お楽しみに。

 

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