我が家の場合、土地に結構なウエイトがかかっており、正直言っちゃうと建物にあんまりお金をかけたくありませんでした。
永住しないということもあり、自分たちが住んでいる間に建て替えることはないと判断。
いずれスケルトンにしてリノベーションする、なんてこともなさそうだし木造でもいいのかもしれないけど……。
やっぱり強度とか快適さは鉄筋の方が上だろうし、となんとなく思っていたのですが、
実は木造だからといって地震や火災に弱いわけではないということを知り、
阪神大震災経験者の私は「地震の時にリスクがある家は避けたい」と鉄筋への気持ちが捨てきれなかったのですが
「え、じゃあ値段も抑えられるんだし木造でむしろいいじゃない」とコロッと方向転換。
なんででしょうね。木みたいに身近な存在の方が弱くて燃えやすいという思い込みがあったんでしょうね。
そんなわけで、躯体に関しては木造の方向に決まりました。
■3階建てで木造だと出来ないことも出てくる

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戸建てなら都心で駅近=3階建て、という希望は家を買うかもしれないと考え始めた頃から頭にありました。
子供も小さい我が家の場合、寒くなる一階より暖かい3階にバスルームが欲しいなとずっと考えていました。
ベランダも3階の予定だったため、キッチン以外の水回りが3階にあれば洗濯したあと干すのも階段を使わず楽チン。
起きてすぐ顔を洗える、身支度をしてから2階のリビングに降りられる、夜中に子供がトイレに起きても危なくない!!!

naka / PIXTA(ピクスタ)
私の夢の3階の間取りは、寝室、洗面水回り(洗濯機含む)、バスルーム、ウォークインクローゼットにトイレ!!!
これなら洋服類もすべて3階に集まるしお風呂も寒くない!完璧!
なぜみんなお風呂を3階にしないんだろう、なーんて思っていました。
そうなんです。出来ないわけではないんですがリスクが大きかったのでした。
上が重い=地震に弱い、3階に水回り=水圧が弱まる!?

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そもそも超狭小地=3階建ての時点で、家が縦に細長くなるので不利。
ましてや上が重くなると揺れが大きくなり家にも負担がかかる。
バスタブに水がたっぷり、なんてものが上にあったらそりゃもう負担でしかありません。
さらに、水を3階まで上げるにはトイレくらいならまだしもお風呂やシャワーとなると専用のポンプがあった方がいいと。
もちろん配管もろもろも必要になってきますよね。

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マンション暮らししか知らなかった私は、水圧なんて全く気にしたことがありませんでした。
だって数十階建てのマンション、なんてゴロゴロ存在しているから!!
諦めきれず色々相談してみましたが、他にももろもろ問題があり……結論は「やっぱりやめた方がいい」でした。
お金をかければ、そもそも広い土地に家を建てられる=2階建ても可能(2階にお風呂はまだ可能とのことでした)
お金をかければ、ポンプなんて気にせずつけちゃえばいいじゃない、
お金をかければ、木造やめて鉄筋にしちゃえばいいじゃない、
でもやっぱり我が家の場合、終の棲家にしない前提の「駅近」が最優先。
そのためには諦めなきゃいけない間取りだったのでした。
結論。大量生産されているものを使った方が安くすむ
他にも、工務店さんにもよるとは思うのですが、
我が家がお願いした工務店さんの場合はあらかじめ仕様が決まっていていくら、というプラン。
オプションとしてお金を支払えばいいものはたくさんあるけれど、オプション内だとこの中からというものを最初に見てしまうと、
お金を出さなくても家は建つのに、という抵抗がムクムク。
もちろんオプションにしたところもたくさんありますが、全部が全部なんてもちろん無理!
真っ黒な家にしたかった私ですが、前から絶対使いたい!と思っていた幅広ガルバリウムは思っていた以上に高かった、
というかそもそもオプション外(笑)。
じゃあ吹き付けは?それなら材料費だって少ないはず!と思いきや職人さんを呼ばなければいけないので人件費でむしろ高い!などなど……。
外構だと室内の壁紙と違って面積が広いので、ひとつグレード上げたら100万UP、なんてこともザラ。

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結局、専門の職人さんを使わず貼れるサイディングが一番リーズナブル。
私よりお金にしっかりしていてシビアな旦那さんがストッパーとなり、うっかり「グレードアップしちゃおうよ!」なんて流れにもならず
未来の我が家の外構もしっかりサイディング仕様。
そうなんですよね。すべてにおいて、専門の職人さんを呼びつけるのではなく、
オールマイティーな大工さんが扱える材料に絞った方がお金をかけずに家が建つんです。
だから特殊なこと、変わったことをしようとするとお金がどんどんかかる。
思いつきを建築士さんに投げかけては「出来ますけどこれくらいお金がかかります」で撃沈、が何度もありました。
家を建てることになって改めて近所回りの家を眺めては、
外装だけで「あぁ…このおうちはお金をかけたんだな…」と指をくわえている私なのです。
大量生産されているものを使った方が安くすむ、それが日本の住宅事情。いい勉強になりました!