買っちゃダメ!「将来スラム化する」マンションの見分け方【1年前の人気記事pick up】
【1年前の人気記事pick up】では、1年前に配信して人気の高かった記事をプレイバックしてお届けしていきます。

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分譲マンションは、通常、長期修繕計画が立てられています。
長期修繕計画とは、いつ頃、どの部分を、どのように直せば、建物を適切に維持することが出来るか。
その為に、幾らくらい修繕積立金を貯めなければならないのか、を想定した計画です。
まずは、この長期修繕計画が、きとんと立てられているかチェックしましょう。
もし、長期修繕計画が立てられていない場合、そのマンションは資金計画がされていないので、破綻リスクが高いと考えられます。
次に、長期修繕計画のチェックポイントですが、内容を読み取り、適正な計画か診断することが出来るのは、住まいのプロでも、ほんのひと握りです。
簡単にできる、ここだけは押さえたいポイントを、今回ご紹介します。
・赤字となっていないか
・修繕積立金の値上げ、一時金徴収が予定されているか
・計画通り実行されているか
・定期的に見直されているか
・計画の精度
■すべてを読み解かなくてもOK。赤字になっていないかをしっかりチェックして

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細かい数字が並んでいる長期修繕計画書ですが、すべてを読み解く必要はありません。
ボイントをおさえて、重要となる数字を確認していけば、買っていいマンションかどうかの判断材料となります。
まずは、ここをチェックしましょう。
長期修繕計画書は、通常、1年の収支を1列とし、25年分の計画が立てられています。
そして、一番下の行に「次年度繰越金」が記載されています。
この「次年度繰越金」がマイナスだと、修繕積立金が不足しているということです。
計画期間25年にわたり、修繕積立金が不足する計画になっていないか、チェックしましょう。
ちなみに、なぜ計画期間25なのか。
それは、マンションは12年に1回程度、大規模修繕工事を実施しますが、それを最低2回含む計画となるように意図されているからです。

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・修繕積立金の値上げ、一時金徴収が予定されているか?
長期修繕計画書に「収入」の項目があります。
ここをチェックすると、修繕積立金の値上げが予定されているか、一時金徴収があるか、確認することができます。
中には、修繕積立金が数倍にも上がったり、一時金を戸当たり100万円以上徴収、なんていう計画で、長期修繕計画の収支を“合わせている”場合もあるので、注意が必要です。
・計画通り実行されているか?
長期修繕計画がばっちりでも、計画通り工事が行われていなかったり、修繕積立金が積み立てられていなければ意味がありません。
チェックの方法は、長期修繕計画書と直近決算書を照らし合わせ、数字が一致しているか、確認しましょう。
・定期的に見直されているか?
長期修繕計画がしっかり作られても、物価変動、実行状況等に応じて、見直しが必要となります。
そのため、5年に1回程度、長期修繕計画書の見直し、修正を行うことが推奨されています。
それを超えて古い長期修繕計画書は、信頼性に欠けます。
■長期修繕計画書、予定通りきちんと実施されている? 計画の精度もチェックを

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最後に計画の精度ですが、国土交通省のガイドラインでは、長期修繕計画書の構成を全5様式に分け、計画の根拠が後から読み取れるように、情報量が多い資料を求めています。
このガイドラインに沿って作られた長期修繕計画書を「詳細版」とすると、内訳書等の根拠資料を含まない「簡易版」があります。
おそらく大半のマンションは、この「簡易版」が採用されています。
長期修繕計画書作成ソフト等で、概算で試算された計画なので、作成に掛かる費用が低額な反面、精度が高くありません。
どの程度信頼ができる長期修繕計画なのかも、合わせて把握しておきましょう。
以上、「長期修繕計画チェック」のポイントについて、説明しました。
その他、財政編に関することで1点、「未収納金」のチェックは重要です。
■管理費や修繕積立金の未収納金はないか? 必ず確認を

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管理費や修繕積立金に、未収納金がどのくらいあるか確認しましょう。
未収納金の件数や額が多いマンションは注意が必要です。
財政面で計画通りに収入が確保できていない、というだけでなく、管理及び自治に何かしら問題がある可能性があります。
いかがでしたか?
2回に分けて、「こんなマンションは買っちゃダメ!「将来スラム化する」物件の見分け方(財政編)」をお伝えしました。
マンションの築年数や間取りも大切ですが、まずは財政面のチェックをしっかりとすることをオススメします。