現役ホスト書店員に会える!選んでもらえる!「歌舞伎町ブックセンター」
交際、破局、結婚、不倫、復縁……。
恋愛にまつわる言葉は、今も昔も世に溢れてます。
その中で、誰かとの出会いを育む喜びや苦悩を描く物語が、
時代や国境を超えて、今日まで数多く生み出されてきました。
さまざまな“LOVE”をテーマにした本の専門書店が2017年10月にオープン。
場所は、日本一の“愛のラビリンス”新宿・歌舞伎町です。
■ホストクラブ経営者がオーナーを務める「歌舞伎町ブックセンター」

カラフルな外壁が目印。カフェも併設している
ホスト・ホステスの聖地として、日本全国に名をとどろかせる歌舞伎町。
このエリアの中心部に、今回ご紹介する「歌舞伎町ブックセンター」はあります。
日中オープンしているこの書店は、夜は盛り場となる歌舞伎町では異色の存在です。

LOVEの種類から帯の色も区分。黒=混沌・闇、赤=純愛、ピンク=ファンタジー・エロティック
店に入ると、壁には黒・赤・ピンクと帯の色ごとに分けられた本がずらり。
ここには“Love”をテーマにした小説やエッセイ、絵本、詩集、写真集などが400冊ほど並んでいます。

神楽坂の書店「かもめブックス」を起業した鴎来堂の柳下恭平氏が選書
このお店のオーナーは、歌舞伎町でホストクラブやバー、飲食店などを経営する手塚マキ氏。
もともと読書家だった手塚氏は、部下にあたるホストに対して、
人としての教養を磨くためにも読書習慣をつけてほしいと考えていたのだそう。
その思いを、日本近代文学館内の文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」を営むカリスマ編集者の草彅洋平氏に打ち明けたことを機に、
クラウンドファンディングで資金を募り2017年10月にオープンすることになりました。

自著『車イスホスト。』も発売中の寺田ユースケさんがお出迎え。主に土・日曜の15時から17時店までの間、現役ホストが店頭に立つ
「歌舞伎町ブックセンター」の魅力は、なんといっても“ホスト書店員”による接客を受けられること!
ホストクラブに行かない限りはなかなか出会えないホストから、
オススメの本を聞けたり、お気に入りの本についてコミュニケーションを取れたりと、
なんともユニークな体験ができちゃいます。
ホストクラブと本屋では接客の仕方があまりに違うこともあり、
オープン以降は、スタッフ自身もホスト書店員としてのサービスを磨く日々なのだとか。
■ホスト書店員のオススメ3冊を徹底リサーチ

スタッフとお客さんの両方が本の感想などを書き込めるよう、帯の幅は広めに作られている
せっかくだから、ホスト書店員お気に入りの本を知りた〜い!
歌舞伎町でのホスト歴2年、現在はホスト書店員として活動する寺田ユースケさんに推し本を聞いちゃいました。
「混沌・闇のLOVEを集めた黒ゾーンで、オススメは『悪魔とプリン嬢』(パウロ・コエーリョ)。
悪魔にそそのかされたプリン嬢が、ささいな悪事に手に染めたことから、村全体に悪が蔓延していく物語です。
『一人の人間の物語は、人類全体の物語になる』というフレーズがあり、
言い換えればどこかで起こったことは世界中で起こりうるということですし、
プリン嬢を取り巻くシチュエーションにも通じることです。
自分の足元を見つめ直すきっかけをくれる本ですよ!」
「純愛のLOVEがテーマの赤ゾーンにある『べつの言葉で』(ジュンパ ラヒリ)は個人的に思い入れのある本です。
以前ブラジル人の彼氏を持つ女性が、異文化を理解するきっかけの本を探していました。
僕自身本について学んでいる真っ只中ですが、
コミュニケーションを取りながら本を提案したところ、すごく喜んでくれたんです。
『本がわからないのは仕方ないから、せめてお客さんが楽しい気持ちで帰れるようなサービスを』と、オーナーにいつも言われていて。
お客さんに満足してもらえるおもてなしができる“ホスト”になるべく頑張ります!」
「ファンタジー・エロティックのピンクゾーンなら『部長、その恋愛はセクハラです!』(牟田和恵)を!
この本を読めば、ぐいぐいしつこい男性に効果的な『NO』の出し方を学べるはず。
男性に追いかけ回されている、そんな素敵な淑女にはぜひオススメしたい本です」

本を購入すると、文豪や著名人の顔と名言がプリントされたオリジナルカバーで包んでくれる
「ゆったりとしたソファもあるので、ふらっと立ち寄って本を眺めていただくだけでもOK!
ぜひ本についていろいろお話ししましょう」(寺田さん)
本を探しに、ホスト書店員に会いに、ちょっとひと息つきに……。
「歌舞伎町ブックセンター」で心和むひと時を過ごしてみては?
東京都新宿区歌舞伎町2-28-14
open*11:30〜17:00(17時〜翌5時までは「 キートス」の店名でバー営業)