住宅ローンを組んで、やっと手に入れた我が家が欠陥だったら……。そんな戸建ての欠陥物件を見抜くためのテクニックを、お伝えしましょう。
■戸建ての「欠陥」って?
欠陥物件というと、“建物の欠陥”ばかりをイメージしますが、戸建てには、建物の欠陥以外にも、土地の欠陥、環境の欠陥などがあります。欠陥物件を見抜くためには、戸建ての特徴をしっかり理解することが大切です。
■「建物の欠陥」を見抜くポイント

床下は構造と漏水のチェックが行える重要なポイントです
戸建ての「建物の欠陥」を見抜くために、最も重要なポイントは、“構造”と“漏水”です。
建物を見る時、つい見た目の綺麗さに目がいってしまいますね。しかし、それは表面的なもの。あとあと手直しすることができます。
まずは、建物に大きな問題がないか、しっかりチェックしましょう。
■建物の欠陥“構造編”:図面のチェック

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建物の欠陥編として、“構造”のチェック方法をお伝えします。
建物の構造をチェックすることは、とても難しい作業です。
建築士などの専門家に依頼した場合、それなりにお金と時間が掛かります。
例えば中古戸建てを買いたいと物件を探している時、気になった物件の構造チェックを1軒ずつ専門家に依頼することは、現実的に難しいですね。
ここでは、ちょっと時間を掛ければ誰でもできる、木造戸建ての簡易チェック法をご紹介します。
■壁と柱の直下率チェック
1階の平面図に2階の間取りをマーキングして、1階と2階の間取りのバランスを確認する、という方法です。
≪壁の直下率をチェック≫
(1)1階の平面図に、2階の間取りを赤いマーカーペンで写す。
(2)1階の平面図に、1階の間取りを青いマーカーペンでなぞる。
すると、1階平面図の壁の色が以下のいずれか3色になります。
紫色の壁・・・1、2階の壁位置が一致する壁。
赤色の壁・・・1、2階の壁位置が一致しない壁。(2階壁あり、1階壁なし)
青色の壁・・・1、2階の壁位置が一致しない壁。(2階壁なし、1階壁あり)
≪柱の直下率チェック≫
(1)1階の平面図に、2階の柱位置を赤鉛筆で丸印で記入する。
(2)1階の平面図に、1階の柱位置を赤鉛筆で丸印で記入する。
(3)1、2階の柱位置が一致する柱は、赤丸内を青鉛筆で塗りつぶす。
すると、柱の色が以下のいずれか2色になります。
赤丸に青塗りつぶしの柱…1、2階の柱位置が一致する柱。
赤丸の柱…1、2階の柱位置が一致しない柱。
耐力壁の位置や構造のバランスなど、専門的な知識が必要なことは、ここでは除外します。
上記の簡易チェック法で、壁や柱の直下率が50%以下の間取りは、現地調査で該当箇所のチェックをしっかり行ったり、専門家に調査を依頼するなど検討しましょう。